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8月 東洋医学と養生の会 色川合宿

8月24日・25日、《東洋医学と養生の会》の初めての合宿を開催しました。

 

いつも車で片道5時間かけて関西支部研修会に通ってこられる峯先生の所に、

皆で行ってきました。

 

大阪方面から特急に乗って、右手に雄大な海を眺めながら、

和歌山の沿岸部を進んでいきます。

 

普段、盆地の京都に住んでいると感じられない、

海の向こうへの憧憬が胸の内から湧き上がってきます。

ひょっとすると、はるかな昔、

海を越えてこの列島にやってきた先祖の血が首をもたげるのかもしれません。

 

峯先生のご案内で、まずは橋杭岩に。

弘法大師が立てたという伝説の奇岩群は、

厳かな雰囲気というよりは、むしろ温かな感じでした。

 

 

波の寄せる音に誘われて歩いていくと、

足元には小さな貝が岩に付いていて、

秋の気配の漂う海の冷たさが素足に心地良く触れます。

 

昼食は、丁寧に出汁をとったうどん・そばと、

勝浦港で陸揚げされたマグロの丼ぶり。

 

それからイルカ・クジラの漁で有名な太地町を通り、

那智勝浦から那智大社へ。

 

 

樹齢八百年の楠がありました。

鎌倉時代から人間の営みを見つめてきた古木に、

現代人の心はどのように映っているのでしょうか。

 

 

那智の滝は遠くから臨むと、

落ちてゆく水がスローモーションに見えて、

時間の流れが一瞬変容してしまったような、

独特の感覚に襲われます。

 

同時に、日本列島の自然造形は、

穏やかな感じがするものだなあと改めて思われます。

 

しかし水しぶきのかかるような近くで見上げると、

滝から吹き下ろしてくる冷気の圧迫感で、息ができなくなり、

思わず顔をそむけて呼吸を確保しなければならなくなります。

 

 

そして峯先生の住む色川へ。

 

 

美しい棚田が見られるここ色川は、住人の半数を移住者が占める、

日本の山間部の地域としては移住先進地なのだそうで、

峯先生の連れて行って下さった喫茶店も、

東京から移住してきた若夫婦がやっている素敵なお店でした。

 

 

ご夫婦の二か月の赤ちゃんも抱っこさせてもらいながら、

書棚の充実した本のラインナップを眺めました。

 

有精卵やオーガニックの梅干し、梅ジャムなどが、

しばしば驚くような安価で並べられていました。

 

ご夫婦で淹れてくださったコーヒーを堪能した後、

野菜をもらいに寄ったお宅も、移住してこられたご家族でした。

牛を飼い、鶏を飼い、

子どもたちが川沿いの樹を牛に食べさせていました。

 

偶然にも、いやしの道会員が何名かお世話になっている滋賀県朽木の参禅道場にも、

行かれたことがあるとのことでした。

 

 

夜は、色川で獲れた鹿肉・猪肉や無農薬野菜などで、バーベキュー。

子どもたちは花火を楽しみ、

とっぷりと夜のとばりも下り、

大人たちは美酒を片手にいつしか鍼の話に。

 

治療後二週間にわたって身体が変化しつづける鍼の話。

感覚を信じることができるか。

勉強は本当は必要なのか。

勉強して分かるということと、勉強して覚えるということの違い。

 

また、<病気のメカニズム〉のゼロ段階〜五段階までは学習していても、

所生病的是動病の講義が不足しているために、

<病気のメカニズム>を目の前の患者さんの治療に活用しにくい状況になっていること、

に気付かされました。

 

深夜まで鍼の話は続き、某先生は酔っ払って、

「鍼なんて適当にやれば効くんですよ」

ばかり連呼してもはやどうにもならない状況に。

 

やがて治療が始まり、

鍼をされた人が一人、また一人と眠りに落ちていきました。

全員寝静まったのは、深夜2時頃でしょうか。

 

早朝5時半、峯先生の古くからのご友人が治療を受けに来られ、

皆で診察させていただきました。

 

朝まで酔っ払っているかに見えた某先生は、

患者さんを前にする頃にはちゃんと正気に戻られ、

内心心配していた私はホッと胸をなで下ろしました。

 

皆で相談しながら灸点を下し、

あとは峯先生の治療で少しずつ身体の状態が良くなっていくことを祈るばかりです。

 

治療後、皆で手分けして支度して朝食となりました。

峯先生のご親戚が作られた絶品の漬物各種と、

和歌山特産の干物、

地元野菜たっぷりの味噌汁、

有精卵の卵かけごはんをいただきました。

 

 

それから色川よりさらに奥へ、

恐ろしい山道を車で慎重に慎重に進みながら、

秘境の滝に向かいました。

その名も宝龍の滝。

 

車を降りて進んでいき、

危険な岩場はバケツリレーのようにして大人3人で子供を受け渡しながら川を渡ると、

見事な滝がありました。

 

 

先頭を歩く峯先生は、滝壺のあたりからサギが飛び立つのを目撃されたそうです。

 

色川では、ウリボー、キジなどの動物が前を横切り、

蛇口から流れる水は自然の清水で美味しく、

そこここを流れる川はどれも蒼く透き通った清流でした。

 

最低限の現金収入の目途さえ立てば、

移住してもやっていけるとのこと。

 

他方で、集落から外れたさらに山奥では、

道の途中でポツン、ポツンと家が現われ、

何かハッと胸を打たれるような感じがありました。

 

人間の生活の多様性ということ、

望んでそこに暮らしたのか、

やむをえない事情があってそこに暮らしたのか、

そしてそれら一切の人間の営みを包みこみ、やがて呑み込んでいくかのような、

南紀の自然。

 

中上健次の『枯木灘』の舞台はもう少し北のあたりになります。

 

桃源郷のような色川の集落は、

その風景を大切にする人たちの絶え間ない営みがあって、

守られているのだと、

旅から戻ってから気付かされます。

 

 

そういえば、杉山真伝流にも影響を及ぼした妙鍼流は、

伝承によれば熊野発祥の古い流派の鍼法を残していると、

機関誌に書かれていました。

 

《東洋医学と養生の会》、9月は再び京都に戻って、

第四日曜日に心耳庵にて開催予定です。

 

(文責:村田/写真:小倉)

| 東洋医学と養生の会 | 10:23 | - | -
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