いやしの道協会ブログ

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11月 月例会

あいにくの曇りですが、根津の七倉会館にて月例会が行われました。

 

1.静坐

坐禅、姿勢を整え、呼吸を整え、心を整えます。

 

 

2.講話

 石井 道観 先生

「万病一風論的治療の整形外科的疾患の応用」

 

 

症例を通して、どの様に整形外科的疾患に万病一風論的治療を応用するかの話がありました。

 

症例

「患者、50歳男性

主訴:左肩甲骨内側縁の鈍痛、左上肢の鈍痛

現病歴:2〜3日前に上をみながらクーラーの掃除を3時間した後から、主訴の症状が現れひどくなってきた。今のところ日常生活に大きな支障はないが、痛みが出ている部分には20年前からコリがあり今回と同じような事を繰り返していた。

所見:平脈、舌微薄苔

 腹診:下焦がやや柔らかい程度で特記すべきことはない。

 二便は正常、食欲あり、睡眠は毎日7時間ほど熟睡できている。

 ジャクソンテスト陽性、スパーリングテスト陽性

鍼灸院受診前に整形外科にて頚椎症性神経根症の診断を受けた。

既往歴:中学生のころに器械体操をしていてその練習中に高鉄棒から落下して頸椎捻挫をしたことがある。」

 

「このような患者が来院したときに何をイメージするか。

何をさらに聞くべきか。」

 

質疑応答があり以下のことをさらに聞き出しました。

 

「ジャクソンテスト、スパーリングテストでは頸から上肢にかけて痛みがでる。

今はじっといていても痛い。

痛みで夜、目が覚めることはない。

筋力低下なし。

皮膚感覚に低下はないが、左の母指と示指に違和感がある。

上を向くと痛みは強くなるがそれ以外に楽な姿勢はない。

自覚で熱感はない。

右利き。

仕事は接客業の会社員。」

 

このような患者は鍼灸院によくきますが、患者のイメージをつかめるかが大切です。イメージがつかめたら治療方針が定まって、その方針に従って治療を行うことができます。

 

参加者に患者のイメージ図を描いてもらい質疑応答が続きます。

 

患者のイメージ図というのは毒や邪が描いてあります。そこが原因となるので、邪毒がわかれば治療方針が立ちます。

 

万病一風論的治療では目に見えない身体に悪影響を及ぼす働きを邪といい、

目に見える実態で身体に悪影響を及ぼす働きを毒といいます。

 

この患者は頚椎症性神経根症という西洋医学的診断を受けています。第6頸椎か第7頸椎あたりで何かしらの影響を受けている可能性があります。

普段は神経が影響をうけるものがあったとしても、第0段階では身体の方が症状を出るのを抑えているので、症状は出ません。いわゆる鎮静化した毒の状態でいられます。しかし、身体に負担をかけることをしたので鎮静化した毒を刺激してしまって毒が騒ぎ出してしまった。その毒からでた邪が神経を刺激してしまって今回のような症状が出てしまったと考えられます。

 

整形外科的疾患でも万病一風論的にみると邪毒があるという考えを持つことが大事です。普段は鎮静化した毒があって、それが刺激されて毒が騒ぎ出してそこに炎症がおきて邪が発生して症状がでます。そのように考えれば邪毒に対する治療を行うことができます。整形外科的な鍼灸でも一見やることは一緒ですが、万病一風論的な考え方をすると、このように身体をイメージすることができます。腰椎のヘルニアでも、坐骨神経痛でも同じです。整形外科的疾患も万病一風論的に治療ができます。

 

純粋な整形外科的疾患ならこれでいいですが、純粋にこういう状態の患者は少なく、実際に診断してみると胸に心煩や心下痞硬があることもあります。もともと頸部に古傷があって今回のように上を向いて作業して悪化したのではなくて、過度なストレスが加わって今回のような症状が出た場合は純粋な整形外科的疾患としてみるのではなく、心煩や心下痞硬から今回の症状でているというイメージを持たないと治療は失敗します。

 

腹診にも所見があり、心下痞硬があり、胸にザワツキがあっても、今回の症例のように上を向いてから上肢が痛いという症状がでた転機を考えれば、どちらを優先して処置しればよいかという判断はついてきます。

 

むかし頸椎捻挫をしてその後遺症で瘀血が残っています。その瘀血を毒ととらえることができます。また、椎間孔も狭くなっていることも考えられます。目に見える実態というのを毒と広い意味で考えるのであれば、椎間孔が狭くなっているのも毒ととらえることもできます。

 

きっちりした答えはありません。100%正解の治療はありません。

正解かどうは治療をやってみてその患者がよくなったら正解、よくならなかったら不正解です。その時、どのようにしたらよかったのだろうと、その答えを考えられるようにするには自分の中で患者のイメージを持っていないとできません。患者の状態がこうだからこうしようしようとします。もしそれでダメだったら、患者の状態のとらえ方が間違っていたのか、こうすべきだったところを間違った方法でおこなったのかをつかんでいないと次のステップに行けません。

イメージをしっかりと持つことが大事です。

 

症状がでている原因となるイメージを描ければ治療方針が立ちます。治療方針が立てば治療ができます。治療というのはシンプルにやれればやれるだけ効果があります。

 

 

3.症例検討会

 中川 由紀 先生

「帯状疱疹、帯状疱疹後痺れ&痒み体験記」                    

 

 

【はじめに】鍼灸師であるならば、帯状疱疹の患者様や、帯状疱疹後神経痛の患者様に接することは多々あることだと思われる。そんな時何かの役に立つこともあるかもしれないので、私自身が経験した帯状疱疹について、病の経過や治療内容を報告する。

【患者】女性、四十四歳。鍼灸師。

【主訴】帯状疱疹(左顔面部)。帯状疱疹後の痺れ、痒み

【主訴以外の症状】左側頸部(リンパ節)が腫れて痛い。

【現病歴】

 8月中旬 飲み会が多かった。

 8月末  背中、首に筋肉痛的な痛みが有った。

 9月1日 のどが痛い。

 9月2日 歩き回って汗をかき、冷房で冷える。夜飲み会。

 9月4日以降は【経過・治療】参照

【既往歴】入院・手術なし。水疱瘡は4、5歳に罹患。

【増悪・軽快因子】

痛み:何をしていてもずっと痛い。ロキソニンを飲むと二0分後〜三時間程度は和らぐ。入浴時も少し和らぐ。

痺れ:刺絡すると改善。ある時期からは刺絡すると悪化し灸すると改善。入浴時改善。

痒み:布団に入るとかゆみ増大。歩いて五分位経つと増大。一度掻くと増大。入浴時改善。

【診察所見】(9月6日時点)

〈脈状〉やや弦。寸関尺は記憶なし。浮沈は中。左右差なし。

〈舌状〉見ていない。

〈腹状〉腹部:上脘、中脘固い。下焦冷え、軟弱。

 ※痛みが強い時はどうしても所見を取る気力が出ない。


【診断】帯状疱疹。体力の虚がベースにあり、三叉神経第一枝、表皮に炎症が起こった。越婢加朮湯証。

【治療方針・治療内容】西洋薬でウイルスの増殖を抑え、先急後緩で悪血を出す。休養を取る。痛みが強い時は消炎鎮痛剤で抑える。

【経過・治療】

9月4日 頭部の一点(「五処」辺り)がピリピリすることに気づく。継続して同じ所がピリピリするというのは初めて。

9月5日 ピリピリが更に増して少し痛い。

  (略)

10月5日 痺れ、痒みなし。

10月9日 目の奥が痛いような気がする時が二、三回あった。天柱、風池辺りに響くまで雀啄し、攅竹、糸竹空にお灸したら軽快。

 

【考察】帯状疱疹発症について考えてみると、9月1日頃、のどが痛く、風邪をひきそうな予感があった。その時邪に入られ、その前後飲食の不摂生があったため水毒増大し、虚証となり、免疫力が低下し、元々あった水痘ウイルスの毒性が増大したと考える。帯状疱疹の場合、一刻も早くウイルスの増殖を抑える薬を服用した方が予後が良いことは知っていたが、最初は痛みがそれ程無かった為、「せっかくの機会だし、鍼灸治療を行って様子を観察したい」と、皮膚科受診のタイミングが遅れてしまった。しかし、「合宿(9月16日)までには腫れを何とかしたい」との思いから積極的に刺絡を行ったことが、後の神経痛予防につながったと考える。また、痺れ、痒みを体験したことで、その辛さを身をもって実感できたことは良い経験だった。そして、痺れの治療に関して、悪血を出すことが効果的な場合と、修復を助けるために正気の虚を補うことが効果的な場合があるということがわかった。

 

 

4.実技

今月は初伝と中伝が組んで稽古しました。

  • 5.連絡事項

    来月は月例会の後、忘年会を行います。

    参加をご希望の方でお申し込みがまだの方はお早めに幹事の小池さんまでお願いいたします。

 

   文責:野田

| ◇東京月例会 | 21:52 | - | -
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