いやしの道協会ブログ

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2018年 第10回合宿

2018年9月16日(日)、17日(月)に、いやしの道協会第10回合宿を行いました。

 

 

 

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◎13:00- 13:10 静坐◎

合宿はまず静座から。雑踏にまぎれ生活している自分にとっては、心を落ち着かせる数少ない貴重な時間です。

 

 

◎13:10- 13:15 会長より開会の挨拶◎

 

 

今回の合宿は記念すべき10周年にあたり、いただいたファイルの表紙は横田観風先生筆による書「一鍼成仏」でした。患者に一鍼を下すと生命体に響きが生じ、心地良く、より遠くへ波及してゆくと具合がよくなるという事実体験からの造語だそうです。(詳しくは横田観風·講話集『鍼禅茶話』第二巻にて)実は日本には古来から祭の神輿、お見舞い、ちはやぶるといった文化や言葉に響き(振動)が身近に存在していた。
そんなお話を聞き響きについて考えをはせつつ、待ちに待った合宿がはじまりました。

 

◎13:15- 14:30 講座:「万病◎◎…なんて、やめておけ」◎

高木真観先生は現在埼玉の羽生病院漢方内科医として勤務されています。講座の始まりはうつ病についてです。
うつ病の患者は不眠、倦怠感、不安、心理的エネルギーがゼロであり、発症初期から死に対してハードルが低い。ところが、患者本人は憂うつ感に気づいていない、もしくは認めたくないという気持ちから自覚しにくい病気である。しかも驚いたことに、発症のきっかけは『特にない』場合が多いということ。治療のためには患者自身がうつを理解して受け入れさせることが大事ということでした。
治療7原則として
ゝい里罎襪澆簑佞韻任呂覆い氾舛┐
∩瓩せ期に心理的休息をとる
治るまでに3-6ヶ月かかる
ぜ殺しないと約束する
ド他に波がある
人生にかかわる大決断はしない
服薬の説明、副作用の説明をする
さらに、22-23時から7-8時間睡眠すること、週3日以上の禁酒、家にこもり何もしないのも良くないということでした。
うつ病を見つけ出すには技術も必要となるため、問診の仕方も実演を交えご講義いただきました。

 

(文責:溝口春香)

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◎14:45- 16:00 "講座:「いやしの道協会で学んだ30年、いま振り返り伝えたいこと」 "◎

 

「いやしの道入門から約30年、振り返って今言えること、伝えたいこと。」原田修観先生

 

 

前半講義、後半実技デモという内容にて、まずは講義から。

 

原田先生によると施術における基本的な3つのポイントがある。

    痛い鍼をしないこと!信頼関係が築けなくなる。押し手と差し手、鍼のベクトル、息の調節、生きたツボのこと、生きたツボの探し方の工夫、肘から、さらには肚から引くこと。

    響きを感じてみよう。いかにして気を感じ気を通していくのか。部屋に入っていっただけで、響いていた患者、消えゆく蝉の声、(静寂の中に消えるが響いている)の話。

長い響鳴音が残る不思議な楽器を鳴らす原田先生。(←言葉で表現が難しいので体感としてわかるようにご用意されたのだと思う。)患者と術者が響きあう交流する鍼。施術をすることでお互い元気になる治療がよい。響きというものを自分の中で検証して欲しいと結ぶ。

    丹田感覚を掴もう。掴めば「ゆるみ」が出る。施術には「ゆるみ」が大切であり、ほどよい緊張が大切。肚が大事。(それには調身、調息、調心で鍛錬することが必要)

原田先生はそれにプラス心臓のあたりと前頭部だという。正座や寝たりして丹田感覚を掴む練習を行う。

 

このあと先生が30年間で得られた「いやしの道」のエッセンスをお話しされる。

・いやしの道の鍼は「即興」である。(あたかも即興演奏する者が出した音で感動し、

次の音が生み出されるような。)それには身体が緩んでないと出来ない。

気はリラックスしないと感じとれない。

・初一鍼は大事、手は温かい方が良い。

・茶道の所作は鍼をすることと似ている。

・他分野(弓道や世阿弥、本、大阪なおみetc)と鍼を結び付けて考える。

・観風先生は「鍼を置いていく」という。大坂なおみが来たボールをただ返すだけ、というのに似ている。

他・・

 

この後、実際に原田先生による治療のデモンストレーションが行われた。

 診察や「生きたツボ」の探し方や刺鍼時の鍼の角度や肘の状態、先ほどのお話の内容を実際に示してくださった。

 

 

 

いやしの道に長らく在籍され、臨床歴の長い原田先生だからこそ、大切に感じていらっしゃることを存分に語ってくださった。

(が、資料はA4用紙にぎっちり4枚、書き連ねてらっしゃり、語り尽くせぬものがある様子に見えた。)

自分が山(いやしの道の修練過程)のどの辺りにいるかでも、印象に残る部分がまったく違うのではないかと感じた。

 

(文責:伊藤翠観)

 

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◎16:15- 17:45 グループ実技◎

1日目の実技稽古の開始です。

初伝・中伝の二名に指導者の先生が指導していただき、三人ひと組で実技稽古を行いました。

50名ちかい参加者が会場いっぱいに広がり、チェックシートの点検項目、自身のいまある課題にとりくみます。

 

 

 

◎19:00- 21:00 夕食&自己紹介◎

夕食の時間です。

副会長 堀雅観先生の乾杯の挨拶で始まりました。

 

今年は合宿10年目ということで「10年前は○○でした。」、「10年前の私」というテーマで皆さんにお話し頂きました。

まずは4人の副会長から自己紹介していただきました。

途中、ホールへ移動して合宿スタッフの方々が用意してくださったたくさんのお酒・おつまみ・ソフトドリンクとともに自己紹介・懇親会へとなりました。

昨年は天候不良の影響で遅れて到着された方や、参加できなかった方も今年は参加できました。

 

 

(文責:野田亮)

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6:00- 7:00 気功  原田修観先生

 

朝の清々しい空気の中、原田先生の気功が始まりました。

やっていくうちに細胞一つ一つが目覚めていくようで

気持ちよく気が満ちていきました。

 

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8:30- 9:45 講座:「形を作る〜いつも同じでいられる為に〜」 前之園空観先生

 

治療する時の姿勢をいかに形作るかお話しくださいました。

はじめに

鍼道発秘講義(横田観風著)では「凡そ鍼を用ゆる者は、先ず我が心を定め、次に病人のこころをとるべし。すでに鍼を刺すの時、たとえあたりに、如何様の事有とも、これに気を動かすことなく、ただ一筋に鍼を守り、謹んで治療を為さば、万病癒えずということ無し。」、「各自の工夫、悟得を持つより他ない。」と記されている。いやしの道協会の教えでは、基本の型において詳細に形が決められている。特に姿勢は重要視されている。

 

そこから様々な疑問が生じて、主なものは

・どうやって心を定めていくか?

・どのように工夫していくか?

・上虚下実っていったい何ですか?

・肚、肚って言いますがお腹に力を入れても全然うまくいかないですけど!

・手の内ってどこで感じるもの?

・鍼を自由自在に扱うって、そもそも鍼って自分の身体の一部ですか?否か?

 

理解を深める中で、正解に近いだろうこと

●腹腔内圧を高める。

●四肢末端の力を抜き、自由に動かせるようにする。

これを実際やってみるのに、

Ex1:壁押し、腕押し相撲をしました。

腕押し相撲

 

姿勢を形つけていく過程での問題の抽出

これはあくまで私にでてきた問題かもしれませんが、姿勢は一人で作るものだが、治療姿勢は一人では作れないものであるという意識が欠落していた。「ゆったり、どっしり、凛然と」を意識するあまり、どっしりしすぎてしまう。また、鍼すること自体が、非常に小さな出力で行われるため、その問題点に気付きにくい。

「現代座禅講義」(藤田一照著)の調息(呼吸)からの座禅の姿勢で治療は非常にわずかだではあるが患者の方へ動く。この解決の手段として、患者と地面で作られた基底面に立っている自分を意識してみた。

Ex2.不安定な場所に立つ。鍼先へとエネルギーを伝える。

 

 

心の問題、気の問題(目に見えない部分の問題)

パーソナルスペースを利用して見えない物を形つけていく。

「かくれた次元」(エドワード.T.ホール著)からパーソナルスペースを利用した見えない物を形つけていくお話しをされた。

 

 最初に前之園先生が生じた疑問は、私も湧いてきたものでこの疑問は皆生じるのかと、安心した。

その理解過程を具体的に説明して下さり、初学者の私の手がかりになった。

前之園先生はつねに工夫し続けるしかない 

最後にもう一度師のことばで「各自の工夫、悟得を持つより他ない。」と結ばれた。

 

(文責:酒井眞理子)

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◎10:00- 11:30 <万病一風的治療>を手ほどきする◎

 

 

 

「ツボや経絡は外側のこと。大事なのは内側、体の中がどうなっているのかが大切。これは外から見ても分からない。体の中がどういう状態になっているのかをイメージして、鍼を1本打って、どう変わっていくのか把握することが大切である。」とお話しされ、実技に入りました。

 

 

1人目の患者は、眼精疲労、頭痛、肩、首の凝り、胃から上の熱を訴えました。

腕の生きたツボから引き、お腹を緩め、胸を散鍼、目の上、額、頭、首、背中、腰をあたり、左足に引きました。

「全部治すのは、やりすぎ。しばらくして治ったというのが良い。この患者も2時間くらいすれば良くなる。」

 

2人目の患者は、1週間以上続く咳を訴えました。

腕の生きたツボから引き、胸、お腹の熱を取り、ノドの下、耳の下、首、肩、背中、腰をあたり、左足に引きました。

「マッサージする人は、スジやコリに鍼を打ちたがる。寒熱もしっかり診ること。」

 

 

総稽古も行われました。これはそれぞれの課題を皆の前で横田先生に点検してもらうものです。

・ 鍼管なしでの刺入

・ 鍼を深く刺して、どこで響くのか分からない

・ 足の趾の間に痛くなく鍼を刺したい

・ 頭の熱を足に上手く引けるか

など点検してもらい、それぞれご指摘を受けました。

 

 

 

◎11:45- 12:45 グループ実技◎

 

グループに分かれて実技の稽古を行い、横田先生からも適宜指導されました。

 

◎12:45- 13:45 昼 食◎

 

 

◎13:45- 14:45 座談会「<いやしの道>とは何か」◎

 

今回で10回目合宿ということで、創始者の横田先生、2代目会長の大浦先生、3代目で現会長の朽名先生に「いやしの道」とは何か、というテーマで語っていただきました。

(以下敬称略)

朽名:僕が入った時は、いやしの道協会の前身の無為塾だった。そこはお金を払って教えてくれるというものではなかった。作務、畑仕事がメインのつくば研修所の接心や禅堂での摂心が必須という他の会とは違う会だった。

 

大浦:私が鍼灸の世界に入ったのは33歳の時。このままサラリーマンをやっていてよいのかと思い、会社を辞めて、中国へ行き、中国の治療を見た。当時は冒険心が強かった。病院の研修生として治療を見た。そこでの鍼は術者によって違っていて、理論通りにやっていなかった。相手に伝えるには正当性のある言葉が必要。日本に帰って、師匠について勉強する必要を感じた。友人が横田先生の治療を受けていて、その縁で横田先生にお会いして、友人の治療を見せてもらって、勉強会、無為塾に参加するようになった。初めて参加した時、上野のお寺で行われて、坐禅、茶礼、傷寒論の講義だった。鍼灸と漢方は車の両輪と捉えていたので、漢方を勉強することに抵抗は無かった。無為塾十則というのがあって、最後に「求道心無きものは去れ。」とあり、根性入れてやらないと、と思った。中国の人に日本鍼灸の良さを伝えられるよう、先生にいろいろ叩きこんでもらおうと思い、束修した。


 

朽名:大学を卒業して、坪井先生の氣流法のボディワークを学ぶということ生活の中心に、築地市場でアルバイトをして過ごした。気について探求する生活をずっと続けるわけも行かず、鍼灸の世界ならそれが生かせると思って、専門学校に入った。3年生の時に出会ったのが横田先生で、四部録がもう出版されていたので、買って読んだ。先生の講演を聴きに行って、硬い人なら敬遠しようと思ったが、ダジャレが効いていてこの人ならと思った。無為塾に入って、つくば研修所の接心に参加して先生からかけられた言葉が2つ。「鍼灸は教えられないから。自分で鍼と命のやりとりを会得しないといけない。」すでに氣流法の指導員だったのですが「人に教えられるくらいにならないといけない。」

 

横田先生に伺います。鍼灸学校を卒業して、1年後お弟子さんをとられましたが、その弟子にいやしの道を説かれました?

 

横田:説いていない。1年で弟子を持つとは思っていなかった。カミさんの縁で弟子を持つことになったが、自分だって右も左も分からなかった。

 

朽名:横田先生の人生のプロセス、2つあって、1つは師匠のいない状態で自分の鍼灸をつくるプロセス。もうひとつは、それを後進の人たちに伝えようと、四部録や基本の型をつくり、伝えるプロセス。自分の鍼をつくるプロセスについて伺います。

 

横田:治療をどういう風にやればいいのか。禅の師匠に、鍼禅をやりなさいと言われ、禅と鍼、それをどうひとつにするのかが課題だった。自分が鍼灸学校に入ったのは、大学生のころ運動をやり過ぎて、心臓肥大になり、心臓発作で死にかけた。豊島区の鍼灸の先生に灸点を打ってもらい、家で灸をしてもらっていた。何年かして、歯を磨いているとき、黄色い苦い水を吐いた。それ以来心臓発作は起こらなくなった。なぜそうなったのか考えた。当時、大学は混乱していて授業も行われなかったので、鍼灸学校に行くことにした。学校に入って、素問、霊枢、難経を読んでも分からなかった。学校に荒木正胤先生の弟子がいて、「漢方問答」を読んで、日本古方漢方の話しがあり、吉益東洞を知った。神田の古本屋街に行って、東洞全集を探し、読んだ。それに万病一毒論「瞑眩しないと病は治らない。」とあった。素問、霊枢、難経はピンとこなかったが、万病一毒論はウソではないと思った。これは漢方の話しで、鍼灸の方には「鍼道発秘」に万病一邪とある。万病一毒と万病一邪、これをどう1つにすればよいかと考えた。昔の接心は、お寺で1週間やった。私なんかすぐ風邪をひいて、「向こうで休め。」と言われて休んでいたら、風が吹いて、風で邪と毒が1つになると思った。万病一風と分かって、原稿を書いた。それが無為塾の塾生が見つけて、勝手に彼らが清書して、売りさばいた。そして東洋鍼灸専門学校から講演の依頼が来て、行きたくなかったが、弟子たちが「行かせます。」と答えてしまったので、講演せざるを得なくなった。こんな状態だったので、はじめは、道は説いていなかった。

 

朽名:鍼禅をやれと老師から言われたわけですが、禅が先生の鍼に影響の与えているのが分かります。

 

横田:弟子の中にはカンのいい人、そうでない人がいる。なんとかしようと四部録を作った。そしたら欲が出て、自分ひとりでは何人も治療できないが、弟子を育成すれば彼らがより多くの困っている人を治療してくれると思い、いやしの道協会をつくった。

 

朽名:鍼が禅の深さに影響を与えていますか?

 

横田:そうだと思います。無心というのは、何も考えないということではなく、無は何も拘らないということ。エネルギーのある人は、オレがオレがと我が強い。鍼灸でも、学校で鍼の打ち方やツボを習うが、これも我になる。自己否定して生命本来を見る。

 

朽名:道を求めているとどこかで自己否定しなくてはならなくなる。それを導いてくれるいい師匠がいればいいのですが。

 

横田:真冬の接心は大変だった。老師は「千尋の谷に落ちるつもりでやれ。」と言われ、死ぬ気でやってみたら、敷居の高さ位しかなかった。死ぬ気でやって、自己を否定して、自分の殻を破って大きな世界へ行く。

 

朽名:いやしの道協会は、はじめからいい事をしようというタイプよりも自分の情けなさをどうにかしようというタイプの方が継続しています。

 

横田:自分がつらいと患者のつらさが分かる。私は体が弱く、患者の悪い所が分かる。昔の弟子は頑丈な人が多かったから、鍼が下手だった。いやしはつらい体験をした人の方が入りやすい。

 

朽名:大浦先生も入門して20年以上になります。いやしの道とは何か伺います。

 

大浦:難しい質問ですね。学・術・道とありますが、道は行を通じて得られるもの。学・術、人のやっていないことをやり、それを通じて鍼灸の世界につながる。それが私の道。

 

朽名:看護師向けの「いやしの振る舞い学」という本を書いた。振る舞いとは、プレゼントであり、行動である。いまこの場で、僕は皆さんに言葉を振る舞っているが、皆さんも僕に態度、姿勢で振る舞っている。気の交流がある。鍼治療の場では、鍼を通じて術者と患者の気の交流がある。

 

横田:これからの希望としては、テキストと基本の型を次世代に伝えて欲しい。ただ、最近金儲けのためにやっている人がいて、驚いた。時代がそういうのを優先しているのかもしれないが、一隅を照らす人が増えていって欲しいし、そういう人の人生が明るく楽しいものになって欲しい。

 

 

 

◎14:45- 15:00 閉会の挨拶◎

 

座談会終了後、1回目の合宿からずっと裏方として、合宿の運営に携わってきた福嶋先生に記念品が授与されました。

 

福嶋:急なことでびっくりしています。10回もやると毎年のルーティンワークです。

朽名:では、20日回目までお願いします。

福嶋:(笑)

 

閉会の言葉は三輪先生です。

1回目、2回目の合宿は、僕と河原先生が司会をやりました。もう10回目という思いがあります。福嶋さん、坂井さん、中川さん、多くのスタッフの方、ありがとうございました。この先10年も皆さんと楽しく過ごせればと思います。

 

(文責:養母忠観)

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集合写真2018

 

| ◇合宿研修会 | 17:58 | - | -
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