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助産師と鍼灸師の共に学ぶ会

8月27日、夏の終わりの清々しい日曜日、京都の心耳庵にて、

第一回「助産師と鍼灸師の共に学ぶ会」が開催されました。

 

助産師6名、妊婦2名、鍼灸師9名、あマ指師1名、

子ども5名、保育士1名

 

京都を中心に、西は福岡、広島からも参加がありました。

 

 

第一部: 助産師の妊婦の診方

臨床20年を越える助産師の妊婦健診(37週)の実演です。

 

随時、口頭での明快かつ新鮮な説明がありました。

 

おそらくは先輩からの口伝の技術の多くを、

解剖学的に噛み砕いて分かりやすく言語化しなおす工夫を長年重ねてこられたのではないか、

と感じました。

 

鍼灸師として、脈診・舌診・腹診の実演をしながら、

何に着目していて、どのような所見が得られたとき、どのように考えるのか、

分かりやすく整理して説明する訓練をきちんとしていないことを痛感させられました。

 

 

やはり圧巻はお腹の診方。

 

プリンと「立ち上がった」理想的な子宮とはどういうことなのか、

解剖学用語と感覚的な言葉を織り交ぜながら、

様々な角度から説明がありました。

(新鮮な卵を割った時の、プリンとした黄身の感じだそうです)

 

「お母さんだけでなく、お腹の赤ちゃんをしっかり診なければならない」

という口伝にもハッとさせられました。

 

妊婦の鍼灸治療では、どうしても「主訴」を訴えるお母さんにばかり着目してしまっていることに思い至ります。

 

恥骨の開大の具合(お産がどのくらい近づいているかを示す)

恥骨から子宮底までのラインが左右どちらかに偏りすぎていないか(胎盤の位置異常が原因の場合あり)

横腹がたるんでいないか(「立ち上がった」子宮の真逆)

胎児の触診(頭、肩、背、お尻などを確認)

胎児の心音は胎児の左肩の後ろで聴く

胎児のオトガイを確認する(お産が近づくと胎児はアゴを引いて骨盤内に頭を入れていく)

等々、鍼灸師としての教育・訓練の中では、聞いたこともないチェックポイントが次々と出てきました。

 

その多くは、長年妊婦のお腹をさわり続けて、手で覚えていくもので、

一朝一夕に身に着くものではない、と感じました。

 

胎盤の位置については、先輩は触診ではっきり分かると言っていたが、

自分は未だ分からないので、

病院の健診に同伴したときに、エコーで確認し、

次の妊婦健診の時にそのあたりをともかく触って感覚をつかもうと練習しているとのこと。

 

「まだ感じ取れない何かを、感じ取ろうと努力する」場合のプロセスは、

鍼灸師と本質的に同じだと感じました。

 

仰臥位での診察の次は、側臥位での診察。

仰臥位で圧迫されて赤くなったお尻を確認。

赤みが左右均等かどうかに着目するそうです。

(骨盤等に歪みがあると、均等に赤くならない)

 

勉強会に集まった他の助産師の方々からも「すごい・・・」とため息の漏れるような、

圧巻の妊婦健診実演でした。

 

 

第二部: 鍼灸師の妊婦の診方

 

脈診、舌診、腹診、足の触診、側臥位での背・腰・臀部の触診、座位での頭頸肩部の触診を実演しました。

 

頭頸部の熱感を診たり、舌診で水分の停滞を診たり、脈診で下腹の力の充実具合を診たり、

といった内容に助産師の方々は興味を示しておられたようです。

 

それから少しだけ鍼の実演。

 

手に引き鍼をしただけで、胎児が動き出し、お腹の張りがゆるんでお腹の形が変わることが、

見てもらえたかと思います。

 

 

第三部: 鍼灸師による助産師への鍼灸施術

 

小難しい理屈より、まず鍼を体験していただこうと、

参加の助産師の方ほぼ全員に治療を受けてもらいました。

 

それぞれの交流の時間にもなったかと思います。

 

第四部: 講義「鉄欠乏性貧血の鍼灸治療」

 

貧血のツボというのがあれば、お教えしたいが、

貧血と一言で言っても、様々な身体の状態があり、

残念ながらどのような場合にも効く便利なツボはない。

 

養生のお灸は助産師が妊婦さんに教えることができると思うけれど、

いわゆるマイナートラブルが発生した時の治療は、鍼灸師に任せてほしい、というメッセージでした。

 

ただし、鉄欠乏性貧血の場合には、

特にミゾオチの硬さに注目する

(それは言い換えると、お腹の消化・吸収能力を高める治療をすることでもある)

というポイントは明示されていました。

講義の中で、世の中では温めろ温めろとばかり言っているが、

中には温めてはダメな人もいるから注意しなければならない、という指摘があり、

妊婦に対して一様に温めてくださいと伝えていた、という反省の弁も聞かれました。

 

 

第五部: 実践・養生灸

 

助産師がお灸に関わる時の法律上の留意点、

そして台座灸を使って、取穴と施灸の練習をしました。

押して気持ち良い所に、気持ち良い程度のお灸をする、という養生灸の原則をお伝えしました。

 

 

予定は14:00〜17:00でしたが、

一時間超過してなお時間が足りない感じもありつつ、

18:00に終了。

 

「またぜひ開催しましょう」と約束して解散となりました。

 

新たな縁がつながり、広がり、新たな実を結んでいきますように。

 

 

(おまけ)

芎帰膠艾湯(煎じ薬)の試飲。

子宮からの出血時などの止血に使います。

 

 

(文責: 村田)

 

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