いやしの道協会ブログ

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5月東京月例会
1.静坐
坐禅、正座で丹田に気を充実させるべく、細く長ーく息を吐きます。
一度坐ったら、顔がかゆかろうが、足が痛かろうが決して動いてはいけません。 
  
  
2.講話  朽名宗観先生
「Stand by me」

朽名先生の講話は、映画「Stand by me」の主題歌が流れて始まりました。あの歌詞はじっくり読むととても深いのですね…。
患者さんが切迫した状況になってきた時、「Stand by me」と言われることは治療家としてとてもありがたいことです。

 岼多粥瞥遒礎紊)」の原点
文学作品の一節を解説していただき「感覚で感じ取るコミュニケーション」、「ここにいていいという安全保障感」について学びました。鍼灸師の行う「望聞問切」の「望」「聞」「切」は感覚で感じ取るコミュニケーションです。増永静人先生は、全身につながっている手の平で、全身につながっている患部に触れる東洋医学は、患者〜術者間のより深い出会い「生命共感」が生じ、それが治癒のスイッチになると言われたそうです。
  
  
⇔彎欧両譴如岼多粥瞥遒礎紊)」を引き出す
一般的に他人とのコミュニケーションが取り辛い、統合失調症、認知症、うつ傾向の患者さんと、朽名先生がどうやって関係を築いていったかという体験からお話しくださいました。
とても自分だったら対応できそうもないと思う状況が多々ありましたが、感覚で感じ取るコミュニケーションや、相手を尊重し不安にさせないということなどは、実はどの患者さんに対しても必要なことだと思いました。
  
  
3・症例検討会 福嶋青観先生
「乳幼児のアトピー性皮膚炎」
激しい症状にどの位で改善できるか読めなかったが、意外とあっさり症状が治まったのは、ひとえに子どもの生命力の強さであると改めて感心した症例。

 【患者】生後六か月、男児。ほぼ標準体重、身長。母乳のみ。色白ぽっちゃり。好奇心旺盛でよく動く。父母にアトピーの既往歴なし。
 【主訴】アトピー性皮膚炎。顔をきれいにしたい。
 【随伴症状】生後二ヶ月位から、症状が出始め、三か月になると、ほぼ全身が赤く、ひどい所(関節周り、顔、背中)は皮がめくれ上がり、ぐじゅぐじゅしてきた為皮膚科を受診。アトピー性皮膚炎と診断され、保湿剤とステロイドを全身に塗布。身体の症状はおさまったが、顔だけは全く効果が無い。
 【他に気になる症状】母乳を飲ませるとすぐ、ゆるいうんちがじゃーと出るためちょこちょこ飲ませている。
 【所見】顔は耳まで正常な皮膚が殆ど無い。青みがかった赤黒さで、皮膚はめくれ上がり、ジュクジュクしており、そこから目と口だけが出ている状態。耳の後ろは乾いて鱗っぽい。髪の毛の中の地肌は、多少乾燥気味だが症状は出ていない。体は肘の内側、背中(肩甲間部から肝兪あたり)が赤くなっている程度(熱邪あり)。腹診:腹部全般的にガスが多く、張っている。頭部の熱感が強い。頭頂部、耳周り胆経、肩甲骨辺縁の皮膚の緊張が強い(瀉法を施すべき「面」に出た反応。又、これまで、症状の出ている境界線近くに反応が出ている場合が多く、この部位には顕著に見られた)

 【診断】皮膚が薄く敏感であるという素因はあるものの、環境要因等、大きなものは見えてこず(離乳食はまだ始まっていない、動物は飼っていない)、一方で症状の激しいところを診て「胎毒」の存在が考えられるのではないか?身体は一生懸命、排毒しようとしていたが、薬で抑え込まれた為、邪気が全て顔面部に集中したのではないか?
又、付随する症状として、体重は順調に増えている為、栄養の吸収に問題はないが、大腸の働きが弱く、ガスが多くなって腹部を圧迫し、一度におっぱいをたくさん飲めず、又、水分の再吸収が悪い為、うんちが緩くなっているものと考えられる。飲ませて、すぐにうんちが出るのは、おっぱいは全身運動で腹圧がかかる為、その刺激で腸と膀胱が刺激されると思われる。

 【治療方針】邪気を瀉し、ガスを動かす。
 【治療及び経過】第一診(H28.5)大師流小児はりにて、百会あたり、耳上部胆経あたり、天柱・風池あたりは、強めの刺激(邪気を瀉するイメージ)。手三里(引き鍼―上腹部のガスを動かし、心下部をラクにするイメージ)、肩甲骨辺縁は、少し弱めの刺激。足三里あたりはごく弱い刺激(腸全体のガスを下げ、良く動くイメージ)。空振りも入れつつ、施術時間三分位。
・第二診(前回治療から二日後)前回施術後、夜に鼻くそを見つけ、引っ張りだすと乾いた塊に続いて、粘性の塊がずるっと大量に出てきた。顔全体、青みが抜けて、赤味が強い。前回、全体的に多かったガスが上腹部のみとなっており、右下腹が少し力が足りない。施術内容は、一診とほぼ同じだが、全体の刺激量は、三分の二位。施術後、大きいオナラがブーっと出た。
・第三診(三日後)夜、顔を掻かずにぐっすり寝た。症状のジュクジュク度合いが三分の一程度に減っている。鍼後、大きなオナラが二回とゲップも二回出して、ケラケラと笑う。
・第四診(四日後)お腹のガスが減り、すらっとスマートに見える。
・第五診(三日後) かゆみが減り、ステロイドを塗る量が減った。症状の面積が面から点になり、境目がはっきりしてきた。又、ウンチが形になりだして、日に二回位になってきた。皮膚の水分量が減り、身体がしまってきた。鍼後、やはりオナラがブーっと出る。
・第八診(七日後) ステロイドは、夜寝る前にチョンチョンと点状で乗せるだけ(肘、頬、背中)・保湿剤も軽くスプレーするのみ。かゆみも殆どなくなっている。顔の症状としては、頬の真ん中のみ荒れた感じでジュクジュクはしていない。
・第十診(四日後) ステロイドは、使っていない。保湿剤のスプレーのみ、お風呂上りに使う。見た目に全く症状は出ていない。
  
   
 【考察】胎毒に関し、『鍼道発秘講義』三十四章・痘疹ご参照。
生後まもなくは、母体からのホルモンの影響で皮脂量が多いが、それが切れると皮脂量は極端に少なくなる。そのタイミングで、母乳の影響か、風邪を引いたかで、沈静していた胎毒が動き出し、陽気盛んであるが故に上に上りやすく、生命力が旺盛な為に毒を排出しようとするが、薬に抑えこまれた為、顔にのみ、激しい症状が出たものと思われる。
あっさりと症状が治まった為、病気のメカニズム第三段階で、毒性は増大していないと考えたが、是非、議論頂きたい。
又、日を詰めての来院は重要な所である。尚、乳幼児は、大人より水分量が多い為、ジュクジュクしやすく、見た目にショッキングなことが多い。
患児の母は、街を歩く度に、知らない人々から「可哀そう。」と声をかけられ、その度、責められている気分になっていたと言う。
母親の心持ちが子どもへの影響が大きい事も含め、母親に対するケアも重要と考える。
  
〇朽名先生より〇
これが毒性化増大しているのか、所生病的是動病なのかという問題のヒントになることが『いやしの道』15号傷寒論を学ぶ会「葛根湯」に載っている。横田先生は皮膚病に二種類あるとおっしゃっており、所生病的是動病もあるし、中から出てくる場合も、両方あると。この場合だと肩甲間部に反応が出ているが、ここへの刺激がひょっとすると胸郭内部、胃の近辺など外位、裏位の毒を動かすのに役に立ったのではないか。表位にある毒が動いただけなら葛根湯証でよいが、小柴胡湯証のような状態だったのなら胸郭の中の毒を考える必要があるし、小建中湯証のようだったらお腹の冷えもあり毒もあると考える必要がある。その毒が出て行ったから消化器系が整ってきたのではないか。そのあたりを確認できるとよいのではないか。
  
  
乳幼児への治療経験が豊富な福嶋先生でも内心ショックを受けてしまう程の状態で来院した赤ちゃんが、1か月余りで見た目の症状が全くなくなったという劇的な症例で、とても印象深く、勉強になりました。
  
4・実技稽古
今月は中伝、初伝 混合組での稽古です。
基本の型をしっかり身に着けたい方には、午前中に「フォローアップ講座」もあります。
  
5・連絡事項
・中伝になられた小池さん、田原さんに初伝終了認定証が授与されました。
おめでとうございます!  
  
  
  
  
  
(文責:中川)
| 例会 | 21:55 | - | -
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