3月8日(日)に予定されていました、関西支部研修会は、
新型コロナウイルスの影響で、
会場の高槻現代劇場が3月15日(日)まで休館となりましたので、
中止になりました。
次回は、4月12日(日)に開催の予定となっております。
(文責:村田)
3月8日(日)に予定されていました、関西支部研修会は、
新型コロナウイルスの影響で、
会場の高槻現代劇場が3月15日(日)まで休館となりましたので、
中止になりました。
次回は、4月12日(日)に開催の予定となっております。
(文責:村田)
12月8日高槻市民会館和室にて関西支部研修会がおこなわれました。
腹診と背候診の対応
それぞれの主訴を腹診、背候診で確認して行きます。
治療者の感覚と受け手の感覚とのズレと一致。腹と脊の対応。病位、病症のイメージ・・・
傷寒論真髄 村田底観先生
厥陰病 350・351・352・353・354章
350章 白虎湯 表熱は無く、中から蒸し出されてくる熱 ※169章 白虎加人参湯 大熱なく
滑脈、手足の冷え、熱を嫌がる、ノドが渇く、じたばた煩躁する。胸腹の灼熱感。便秘尿赤。
351章 当帰四逆湯 普段から気血のめぐりが悪い人
手足の冷えを訴える、脉が細く、腹が張って(ガス)痛む。腹直筋、腰背部の引き攣れ、頭痛など。
352章 当帰四逆加呉茱萸生姜湯 普段から腹が冷え、水毒がある。表位にも邪がある。寒疝
昼夜の別なく悪寒する。手足が冷える。ヘソ周りの冷え。胸満、嘔吐、腹痛、手足の麻痺、頭痛
※参考資料 寺澤捷年『漢方腹診考』 背部痞根の硬縮と圧痛、鼠蹊部に硬結と圧痛がある。
353章 四逆湯 熱があり、太陽病に似ているが、下痢などがある。(真寒仮熱)
※91章 清穀下痢し、身疼痛する者、まさに急ぎ裏を救うべし。
354章 四逆湯 大汗もしくは大下痢して、厥冷する者
参考資料から抜粋
除中 厥陰病期の病態。長病みで死ぬ少し前に、ちょっと治るように見えること。中日和(なかびより) 〈村田先生から最近経験した除中の臨床例の話がありました〉
疝 『漢方の疝』と、『現代医学の疝痛』はイコールではない。
疝気の治法
鍼道発秘―徹腹、章門、京門 / 引き攣り、痛み強き 環跳、腰眼、委中 / 心下強ばる 肩、項、両の手に引く
杉山真伝流―【鍼】 天枢(雀啄)、大横(同)、章門(暁鍼)、関元(随鍼)、三陰交(気行)、大敦(甚だしい時に灸三壮)、豊隆(雀啄)、気海(同)、五枢(同)。※真伝流の雀啄は慎重に手技
【灸】 陰交の傍ら各一寸(灸すること年壮に随う)。泉生足(足底側の第二指第二節の正中)も又た妙なり。
【婦人疝不止の治法】 承山(少し血を取るべし)、委中(赤小豆の如く血を取ること、三度に及べば效あり)
刺絡聞見録 委中、股の付根(動脈の所に凝結するもの多し)、これを刺して血を取るべし。もしその凝結少なければ、動脈を挟みて両かたわらを刺して血を吸わしめよ。吸うときはその痛み即ち退散する。
寺沢捷年『漢方腹診考』 〜洛部の圧痛と筋緊張の所見は漢方でいう「疝気」という病態を指示する症候であり、とりわけ当帰四逆加呉茱萸生姜湯の確定に重要な所見である。
大塚敬節は当帰四逆加呉茱萸生姜湯の決定に鼠蹊部の索状の硬結と圧痛が重要な所見であることを見出した。
A洛部の圧痛と同時に背部の痞根の硬縮と圧痛が見られる。(両者は腰髄第一神経(L1に支配されている)
今月の漢方 『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』
村田先生はこの薬方を東京で処方されて飲んでいたという話などがありました。
昼食
チェックシート
それぞれの項目の点検をうけます。進化成長著しい人。足踏みしている人。
手ほどきからはじめている人。基本が疎かになって指摘を受ける人。など
刺絡聞見録 井上泰観先生
井上先生が本文を読み、内容と大意を話されながら、飄々と講義が進んでゆきます。
三輪東朔先生の話されたことを、門人の伊藤大助さんが筆記した。
およそ、事を成そうとするには、成そうとすることのあらましを詳しく知らなければ(必要な)知識をもてない。知識がなければ成す技術は拙い。術が拙ければ人は信用しない。人が信じなければ、その術を天下に広め、(刺絡の)説を行き渡らせ、(伝えた人に)術を行わせてゆくことなどできない。だから私は、東朔先生から聞いた刺絡の術の、成すべきあらましを巻頭に掲げて第一義とする。
先生は言われた。「私はまず、刺絡が(世の中に広く)行われて行くのが、どうして正しいこと(義)なのかを示そう。それは、あなただけではなく、世を救う志のある人にも公にして、万民の病苦を救うことを旨とし、術を秘匿したり、高く売ろうと考えず、孔子のような(高潔な)人たちと志を共にし、求める人にはこれを教えて、万民に平安の世をもたらそう。』・・・・と篤い志が語られています。
考えとしては『気血のめぐりが滞ることで、悪血が生じ、病変となってゆく。その悪血を除くことで、真気を回復させることができる。その効はとても素晴らしもので、固く固まった病態や、卒中などの緊急時、湯液のおよばないところを、刺絡は突破できるのだ。多くの人をこの術で助けたい。』 ・・・と、熱く語っています。
『禁穴・動脈にこだわらず。毒の所在にしたがう。すべて上にあるは肩背および、それより上に取り、下にあれば委中および、それより下に取る。中なれば背骨について取り。手にあるは尺沢に取る。』
こころの在り方の徹底について、くりかえし述べられています。
本文の病の機序の説明は、うなずけるところと、いまの知識からは強引と思えるところが並んでいますが、刺絡への熱い思いと、揺るぎのない信頼が伝わってきます。
丹田呼吸と身体づくり
身体とこころをゆるめ。静かに坐って丹田で呼吸します。
相互治療と課題の発見
それぞれの主訴にしたがって治療をすすめますが、そのなかに課題がみつかります。
病態の把握。治療の組み立て。指導の先生の指摘によって、診るべき個所、治療の勘所、取るべき手技、姿勢等々。なるほどと目からウロコであったり、自分自身に凹むこともありますが、得るモノの大きい大切な時間です。
振返りの会 + 忘年会
今日の振り返りから、忘年会へ移行して、雑談もありながら、結構真剣な思いも行き交っていたようです。昔は皆、もっと能天気だった気がします。知らない間に頼もしく成長している人たちの姿がありました。
今年一年ありがとうございました。どうぞ良いお年をお迎えください。
関西支部研修会 年明けは 1月12日(日)
東洋医学と養生の会は 1月26日(日)です。
(文責:小倉)
11月10日(日)高槻市民会館和室にて関西支部研修会がおこなわれました。
今日はおだやかないいお天気です。お隣の野見神社は七五三で賑わっています。
腹診と背候診の対応
受け手が違えば、体もかわり、腹状も背候もかわります。
主訴を聞き、からだを診ます。受け手に確かめながら、治療へとすすみます。
病症の把握が正しいのか、治療の方針はあっているのか、指導者に確かめます。
上手くいかない時、簡単に聞いてしまいがちですが、自分で考えることも大事です。
入門講座実技(同時並行です) 玉水雲観先生
学生も、経験のある鍼灸師も「いやしの道」の基本の型、生きたツボ、痛みのない切皮等々を学びます。
玉水先生は風邪で少し辛そうです。そうした中での指導、ありがとうございます。
今月の漢方
通脈四逆湯 (甘草、乾姜、炮附子)
少陰病の極。裏寒外熱、清穀下痢、脈微欲絶者
がやがや集まって、どれがどのカケラなのか、味見をします。
『傷寒論真髄』 ※(入門講座受講者も受講) 村田底観先生
326章
厥陰病とはどういうものか象徴的に書かれている。
厥陰病とは陰証の極で、病位は広義の裏位。腹部の虚寒が強く、気が上り胸を衝き心中疼熱する。体液が枯渇するので潤すため、消渇する。消化器系の機能が落ちているので、飢えて食を欲しない。かならず蛔虫を吐くわけではないが、食すれば嘔吐する。生命力が極めて衰弱していて、体液が枯渇しているので、誤って之を下せば、さらに体液を失って下痢が止まなくなり、生命の危機に陥る。
この後、参考資料による講義がつづきます。
参考資料の内容とボリュウムは半端ではなくて、先月は、扉に関根正二の「神の祈り」の絵があったり、今月は、道元の「植えてみよ 花のそだたぬ里もなし 心かようぞ 身はいやしけれ」が置かれています。 遊び心ですね。
資料作りで無理をしておられるのか、研修会、養生の会で時々咳をされています。身体をいたわっていただきたいと思います。
資料の「いやしの道しるべ」「傷寒論真髄」「杉山真伝流臨床指南」他の、三陰病についての記述を読みながら、抽象的なイメージが、具体的な像を結ぶように話がすすみます。
338章 烏梅圓
「臓厥」と「蛔厥」の2つのケースがある。
臓厥では、脈が絶え絶えで、手足の冷えがさらに進み、手足は無意識にばたばた動き、休むことがない。全身が冷えて重篤な状態である。
蛔厥では、病人は回虫を吐く。食臭をかぎつけて回虫が動き出すため、心煩して苦しむ時があるが、やがてまた止んで静かになる。臓が冷えているため、回虫が横隔膜を越えて上に登ってくる。
臓厥は重篤だが、蛔厥は烏梅圓で治療できる。
参考資料の現代医学では、感染性を持った回虫の卵が人体の小腸にいたると、幼虫となり、腸粘膜に侵入し、血管に入り、血流に乗って肺にいたる。気管を登り、嚥下されて小腸にもどり、そこで成虫となる。成虫は一日に最大24万個の卵を産む。
烏梅圓は回虫の症状がなくても、胸に差し込み痛のある者や、胃反の壊症や、慢性下痢にも用いる。厥陰病は寒熱錯雑しているので、茯苓四逆湯、呉茱萸湯の他はこの烏梅圓をつかって効をあげることが多い。浅田宗伯 『勿誤薬室方函口訣』
その他、治験例などの解説もありました。
昼食
基本の型(15分制限)・チェックシート
時間を気にして形だけになったり、感じを確かめるために手間取ってしまったり・・・
腹診の時間に掴めたことを確かめたり、稽古している人の体は自然に動いたり・・・
基本の型では、受け手の状態を的確に把握し、治療できる実質も求められます。
受け手の主訴を聞き、体の状態をイメ−ジし、診るべき重点のポイントを考えます。それを確かめ治療してゆきます。限られた時間では、普段の在り方が表れます。
指導の先生方の指摘が、胸に沁みます。
『鍼の手技のレベルアップ方法』―『波を起こす』 乙重潭観先生
「こうしたことを広島でやろうと思ったきっかけは、石水さんがお母様の介護でとろみを混ぜてる時に感覚が変わるということを言われていたので、話を聞いて実際にやってみないのは勿体ないので、マドラーでとろみを使ってやってみようと思いました。
かき混ぜるものの大きさや容器の大きさを変えてみたら、どうだろうとかとろみを層にしたりとか色々遊びながら試してみました。
それまでも風呂では指や手を使ってやってみたりしたことはあったのですが、風呂では浴槽が大きすぎて結構感覚を最初に掴むの難しいんですよね。
それよりコップでマドラーなんかを使った方が鍼の手技の感覚により近い気がしたので、伝えやすいかと勉強会で使ってみました。そうしたら、その後の参加者の皆さんの手技が変わったので、これは伝わりやすくて良いなということです」
引き鍼をどう伝えるか
○波が伝わって行く原理 【人体は水の袋】
○横田先生は「浴槽で波を起こす稽古」をいっておられます。
「浴槽」から「コップの水」へ(鍼の感覚に近く、伝えやすい)
『波を起こす』
コップの水での稽古
1,(前後の波)
細いステック ⇒ アイスクリームのステック ⇒ 大きいステック
波を増幅させてゆく(同調させる) ⇔ (打ち消し合う周期)
◎水の動きを感じて合わせてみる(同調させる)ことが稽古の目的。
この場合、波源は一つではないので、干渉が起きる。
2,(上下の波)
先が丸い円になった金属のマドラーを使う。 波源は一つになる。
◎水の動きを感じて合わせてみる。
3,容器の大きさを変えると、同調させる周期が変わる。
◎水の動きを感じて合わせてみる。
波長が変われば伝わる速さも変わる。
※ …垢で板垢和く伝わる(細かい波長を追い越して行く)
※◆/預里良汁悗惑箸遠くまで届く
※(考察中)縦波、横波、表面波について、人体と地震とは同じか?
4,水に塩を入れ(電解液)、そこに5円玉を入れる(電池を作る)
金属のマドラーを使うと、細かい動きにした方が電気を感じやすい。
◎水の動きを感じて合わせてみる。
5,コップの水を2層にする(とろみをつけた水の層、上に普通の水の層)
冷やすと粘度が増し、一層よく判る
《人体の感じに近い》 そのコップで、鍼を上下させ層の違いを感じる。
「本当は下敷きに静電気をおこして鍼をしてみたり、コイルの磁気なんかも試してみたりして持っていったのですが、60分ではやる暇がなかったですね」 乙重先生談
乙重先生は講義用の荷物をかかえて新幹線を降りる時、携帯を落とされました。 やきもきしましたが、無事、京都駅に届けられていました。
乙重先生、探索に尽力された竹ノ上さんご苦労様です。
相互治療と課題の発見
「この時間のために、からだの不調を温存してきました?!」
治療で楽になり、鍼の良さを感じる時間でもあります。
振り返りの会
「今日は調子の悪い指導者の先生を治療してあげられる時間がなくて・・・そうした時間をつくって、みんなが元気になれたらいいのに」といった声や、「姿勢では、重心の位置(右足加重、左足加重)や肘、手首の角度まで、気を付けながら治療してゆきたい」「考えてツボを選ぶくせがあり、すっと生きたツボが取れるようにしたい」
乙重先生の「波を起こす」講義は好評で、「少し掴めた気がする」「実技の感じが変わった」「実技に生かして行きたい」などの声が多くありました。浴槽の水をコップに移すこと。そして水の粘度に差をつけること。発想の飛躍と工夫はさすがだと思いました。
12月の研修会のあと、引き続き和室で、飲み物食べ物持ち寄りの忘年会を、2時間予定しています。一年の締めに、どうぞ御参加ください。
12月関西支部研修会は、12月8日(日)です。
『東洋医学と養生の会』は、11月24日(日)京都上賀茂「心耳庵」にて行います。12月はお休みです。
(文責:小倉)
令和元年9月8日(日)大阪府高槻市現代劇場の集会室にて
関西支部研修会が行われました。
この日は35度を超える暑い一日でした。
腹診と背候診の対応
ペアになり主訴を聞きながらお腹と背中の状態を比べていきます。
お腹をみて背中とどのように対応しているかみていきます。
ペアで確認した後、指導者の先生にポイントを教えていただきます。
『傷寒論真髄』村田先生
この日は村田先生が漢方薬を煎じて持参してくれたので
はじめに皆で試飲しました。生薬をかじって「これは苦い」
「シイタケっぽい味がする」など感想を言い合いながら
いただきました。たまたま他の人が持参した「ナツメ」も
一緒に漢方薬とともにいただきました。
今回の講義は少陰病の白通湯(314章)、白通加猪胆汁湯(315章)
真武湯(316章)、通脈四逆湯(317章)のお話でした。
白通湯証のメインは「下利」
陰証の下痢を主治する湯液の比較をすると
冷えて陽気がめぐらずに下痢をするのが白通湯証で、
それがより重篤になれば白通加猪胆汁湯証となる。
脱証で下利清穀するのが四逆湯証で、より重篤ならば通脈四逆湯証となる。
真武湯証は水毒が溜まって下痢をする。
真武湯の章では矢数道明先生の『漢方処方解説』を参照に
心臓疾患、メニエール、高(低)血圧、胃腸疾患、腎臓疾患、関節リュウマチ
湿疹、遺尿症など、様々な真武湯の応用について模式図を元に解説していただきました。
その他、浮腫の鍼灸治療の症例や西洋医学的な浮腫の考え方などのお話がありました。
基本の型・チェックシート
昼食の休憩をはさんだ後は、基本の型の稽古です。
15分の時間制限でペアになり基本の型をしていきます。
時間を計ってすると、集中力がより高まるような気がします。
『方伎雑誌』井上先生
お昼休憩を挟んで井上先生の『方伎雑誌』の時間です。
この日で第一巻が終わります。今回は「狂症」について。
ぶつぶつ言いながら立ち騒ぐ人を大承気湯で治す話が出てきました。
発狂している人に「病」ではなく「狐憑き」だということで
騒がしい読経を続けたところ自殺してしまったという話もありました。
「江戸時代にはこういうこともあったのかぁ」という会話から
現代でも同じようなことがあったという実話のエピソードが
参加者から淡々を語られ、静かな衝撃でした。
激しい症状でも大承気湯で良くなった症例から、現代にも通じるお話で
西洋医学で沢山の精神安定剤を服用して良くならない人も
漢方薬で良くなる可能性もあるということだと感じました。
入門講座 玉水先生
腹診、『傷寒論真髄』、『方伎雑誌』のそれぞれの講義の時間には
玉水先生による「いやしの道しるべ」入門講座が別途行われていました。
入門したての方、もしくはこれから入門を希望する方向けの講座です。
今回は「万病一風的治療の実際」のところをやりました。
講義とともに、実際にやってみてテキストに書いてあることと
照らし合わせながら進めていました。
時折笑い声も聞こえ和気あいあいとした雰囲気で行われていました。
丹田呼吸と身体づくり
照明を消して少し暗い中で座りました。
治療と課題の発見
実技の時間は、主訴を聞いて実際に治療をしていきます。
気持ちの良い鍼の響きについウトウトしてしまいます。
振り返りの会
入門したばかりの方や、今度入門される方など、新しい方が増えてきた
関西支部。新しい風が吹き、初心を思い出し新鮮な気持ちになります。
次回関西支部は同じく高槻市の現代劇場集会室にて10/13(日)に開催予定です。
(文責:竹ノ上)
9月8日(日)、10月13日(日)、11月10日(日)、12月8日(日)です
〔東洋医学と養生の会〕 毎月第四日曜日に 会場:心耳庵(京都 上賀茂) 又は、栖賢寺で開催する予定です。
8月24、25日(和歌山県色川 合宿)、9月22日(日)、10月27日(日)、11月24日、12月(休み)
7月14(日)高槻市民会館和室にて関西支部研修会が行われました。
お隣の神社では、これから結婚式です。
腹診と背候診の対応 村田先生、井上先生
腹診のあと、背中との対応を学びます。
それが実際の治療時に力となっているのを感じます。
目の付け所と治療ポイント。鍼をして体の変化を見ます。
稽古を重ねるにつれて、相手の体質、鍼への感受性、普段の状態などが解ってきます。
入門講座実技と講義 玉水雲観先生
学生さん(1年生と2年生)。真っ新なひとに「いやしの道」をどう伝えるか、
静かな熱意の交感が行き交います。
傷寒論真髄 村田底観先生
307章 桃花湯の具体的な例
小便不利は津液の亡失によっておこる。下痢やまず、膿血便は桃花湯が主治。
西洋医学病名では、赤痢、痔、潰瘍性大腸炎、自己免疫疾患(関節リュウマチ、エリテマトーデス、儀薪尿病)など
鑑別1 ‖臘(しぶり腹) 便通やおならで楽になる。
⊂腸(嘔吐をともなう) おへそ回りの痛み。
鑑別2 慢性下痢 159章 赤石脂禹餘湯 下痢やまず(下焦)。虚がひどいわけではない(太陽病)。
316章 真武湯 腹をあたためれば楽になる。虚寒水毒、四肢沈重(少陰病)
用い方 熱が下がってから用いる。(尾台榕堂) 熱のある場合は桃花湯証ではない。
308章 下痢膿血便への刺法
【黄帝内経明堂】 腹哀、太白、下巨虚 :熱を減らす、下腹の熱を引く鍼
【同】慢性下痢には 会陽、四満、復溜、中都(ゆるんでダダもれの時)
309章 呉茱萸湯 吐利、手足厥冷、煩躁(死にそうなほどの)
頭痛がある(頭重、めまい)、嘔(げっぷ、しゃっくり)、胸満(胸焼け、不眠)、煩躁、心下痞鞕(食欲不振、胃不調)、発作前(首、肩の凝り)
鑑別1 胸満3種(奥田鳳作)
仝礦ヨ弌\垢蠑紊る 枳実 窪んで詰まった 8朴 丸く張った感じ(ガス)
鑑別2 腹中の寒冷(水毒)上へゆけば吐、下へ行けば下痢
‥任メイン 呉茱萸湯 下痢がメイン 四逆湯
東洋医学のとらえる病態が、西洋医学の違った病名の中に横断して見られるのは、病の診方が変わります。
他章と突き合わせて、胸満や腹証の違いを鑑別するのは、情報が整理されて解りやすいです。
基本の型(15分制限)・チェックシート
時間を切って基本の型を通してすると、今の自分の状態と課題がはっきり解ります。
『方伎雑誌』 井上泰観先生
47 鼓脹の婦人の妊娠、出産の治療2例
鼓脹(腹部が腫大して腹皮に青筋があらわれ四肢の腫れない病証)
‖膕牡丹皮湯では→大病人 当帰芍薬散と虎杖煎で→小便快利、腹脹軟和、経血順利
大承気湯、当帰芍薬散、真武湯 証に随い兼用 → 腫脹大いに減ず → 産後では著効なし
48 方用に熟すれば、当惑することなし
たとえ、方意の解りかねる方であっても、自由に活用できる。
49 若き日の、往診デビューの話
僻地に生まれたことで、かえって、未熟なときに経験をたくさん積むことができて幸いだった。
50 寸白(真田虫)の症について
51 破傷風について
52 発狂の陽症は滝水に当たるのがよい。
井上先生の講義はたんたんと進んでゆくので、後で一人で疑問に悩むこともあります。でもそれも含めて、自分の頭で考えるための講義だと言えます。
丹田呼吸と身体づくり
部屋の照明をおとして静かな時間を持ちます。
それをどう感じるかは人それぞれです。どうだったでしょうか。
相互治療の課題の発見
(腹診と基本の型)で見つけた課題にトライしつつ、新たな稽古相手の治療をします。
振返りの会
今日の研修会でのその人の新しい発見など、それぞれの胸の内を知ることができます。自分の中でそうした言葉への共鳴や反響、反芻もあります。濃密な1日でした。先生方、皆さんありがとうございます。
〔関西支部研修会〕毎月第二日曜日 ※8月のみ第三日曜日
8月18日(日)、9月8日(日)、10月13日(日)、11月10日(日)、12月8日(日)です
〔東洋医学と養生の会〕 毎月第四日曜日に 会場:心耳庵(京都 上賀茂) 又は、栖賢寺で開催する予定です。
7月28日(日)、8月24、25日(和歌山県色川 合宿)、9月22日(日)、10月27日(日)、11月24日、12月(休み)
文責:小倉