いやしの道協会ブログ

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12月東京月例会

 

 寒さも厳しさを増してきた師走の第三日曜日、

 東京、根津の七倉会館にて月例会が開催されました。

 

 ●静座

 

 

 

 ●講話

 

 本日は山野鵬観先生による講話です。

 

 

 

 実技中心の講義

 

 

本日の講義は実技中心で行われました。

「いやしの道」では鍼をする姿勢を大切にしますが、「ゆったりと構えるにはどうしたら良いか?」

その構えの問題について一助となるようにと、山野先生がご指導下さりました。

 

まずは模範実技にて。

二人組でモデルが腹這い(パピーポジションという。アザラシやオットセイの子供の意だそう。)になります。

(写真を参照に)

肩甲骨の動きを出す(ほぐす)ために左右の肩を交互に動かす。かなり広範囲に動くことがわかるはず。

 

 次に四つん這いになり、胸を落として肩甲骨を

寄せる。肘の向きを変えてお尻の方を向かせる。腰も肩に寄ってくる。術者は肩の動きにテンションをかけたりする。

さらに応用で術者はモデルの胸椎七番に触れて肩甲骨間部が高くなるように促す。胸椎の軽いズレなら修復することも可能とのこと。

 

この後、鍼の刺鍼の構え(両腕と胸で円を作る、中指を意識)をする。やりにくい人は肩凝りがある。

 

実際に二人組になって鍼を置いてみる。気が至った感覚を覚えていくと良い。

上腕、前腕には余り力は入っておらず、肩甲骨の所で浮いて止まっている感じにする。自由に手首を動かせるように。

 

具体的なエクササイズもあり大変分かりやすい講義だったと思います。あとは各自、鍛錬あるのみです。

 

 

 

●臨床発表

 

 

「坐位・前屈での刺鍼が奏功した足の痛み・痺れについて」

中川由紀先生による発表です。

患者は以前より体調管理とうつ症状予防のために通われていた40歳女性。

一週間前に映画に行き坐り心地の良くない椅子にて鑑賞し、二日前より急に左足に痛みと痺れが出現。歩行時に左足に

荷重できないほど。また臥位の横向き、くの字の姿勢で増悪。痛みは足の何処とは言いにくく凡そ膝から足関節外側および

後面とのこと。

診察所見は眠剤を使用することもあるが現在はよく眠れている。

<脈状>やや緊、左尺沈が強い。遅数は平。

<舌状>青味強く先端やや紅、歯痕あり湿潤。全体に白い苔。

<月経>順調。生理痛なし。

<腹状>ガスでパンパンに張る。季肋部は湿って軽い押圧でも嫌がる。上腹部、臍両側に冷え。両天枢周囲に硬結。右回盲部に邪熱と硬結。気海付近に少し虚状あり。

 

 検査所見は、訴えのある個所には圧痛なし。SLR80度にて痛みあり。パトリックテスト、床より40センチで止まる。右は問題なし。左側屈、右回旋にて左側に痛みあり。L2L3間、L5S1間の腰椎棘間に圧痛。左腰部に緊張と邪熱。左腸骨稜に沿ったところと関元兪、小腸兪に硬結と圧痛あり。

診断は悪い姿勢で長時間座ったことにより腰部、仙腸関節部が凝って硬くなり、腹部の水毒により気血の巡りが悪くなったことから坐骨神経の走行上に生じた。

治療方針は先急後緩にて、左側の痛みと痺れの治療を行う。腰部、仙腸関節部の後に腹中の状態を整えることにより気血を巡らせ水毒を軽減させる。

治療内容は脚気衝心予防のため心包経へ引き針後、背中、腰部、仙腸関節部の散鍼、切皮程度の刺鍼、左関元兪、小腸兪の

単刺。崑崙に引き鍼。季肋部、右回盲部を散じ両天枢、気海に灸。胆経・侠谿に引き針。SLR、パトリックテストの

改善はあるが、左側に痛み残る。座位にて深い前傾姿勢となってもらうと三焦兪、腎兪に硬結があり、硬いスジに当てるように刺鍼と雀啄。この後、テスト正常、痛みが消失し、普通に歩ける。

二診、初診以降痛み痺れはなく快調だったが、頚肩部の不快感が強くなった。これら慢性症状の治療を行ったが、念のため座位での左患部の治療も行ったとのこと。以後、左足の症状は再発せず。

 

考察 海野先生の真似をして坐位にてポイントを探すことは、今回のように坐骨神経痛のデルマトームと離れた治療部位を見つけるのに有用であった。治療直後に症状が改善していることから、腹状に対する治療は不要だったか?治療後に頚肩部の不快感が増大してしまい、予防のために頚肩部を緩め手によく引くなどが必要だった。

 

先生方のコメント

  • 引き鍼を三回やっているがなぜか?→腰の治療した後は崑崙と言うように一つづつ処理した。
  • 三焦兪の刺鍼で中川先生は何をしようとしたのか?→足の方に気血を巡らすイメージ。
  • カイロの先生が診れば一目瞭然だが仙腸関節障害と反射痛(三焦兪辺り)が出ている。とても上手に治療している。
  • 考察にて初診の腹部の水毒の治療は必要なかったのでは?と言っているが必要。
  • 腰痛は、浅い部位が障害されている時は腰部、深い部位が障害されている時は足などに出る。坐位にて深い前傾姿勢を取らせることで深い悪い部位を表層に出しやすくする。触診でポイントを探しやすくなり、深鍼で下まで響かせる。仙腸関節椎間関節 腸骨稜のトリガーポイントなどで治しやすいが、治りにくい場合はそれより上に出ていることがある。三焦兪の辺りは筋膜が癒着しているかもしれない。
  • 中殿筋、環跳なども目の付け所。
  • 腹の大棗のスジに刺鍼して膝を立てて腰をひねることで水毒へのアプローチをする。
  • 脚気衝心とあるが、これは足に邪毒がある場合であり、今回の症例は当てはまらない。

 

 

●全体稽古

 

 入会者が増えて恐ろしく手狭になってきました。暖房いらずの室内の様子。

 

●おまけ

 

例会終了後、今年も盛大に忘年会が開かれました!

芸の披露あり、治療あり、プレゼント交換あり、なんでもありの楽しいひと時となりました。

載せられない写真が多数(;^_^A(笑)

 

 

 本日、講義担当の山野先生が故郷にお帰りになるとのことで、

 記念品の贈呈となりました。そのうちネット販売されるかも(笑)

 PTでもある山野先生は、私たちとは、また違った着眼点でいやしの道協会を盛り上げて下さりました。

 長らくご指導いただき、本当に感謝ばかりです。

 

 さてさて、皆さま、どんな一年でしたでしょうか?

 来年も有意義な一年となりますよう精進してまいりましょう。

 では、よいお年を!

 

 (文責・伊藤)

| 例会 | 00:05 | - | -
11月東京月例会

晴天の11月19日(日)、根津の七倉会館にて月例会が行われました。

 

 

1.静坐
坐禅、正座で丹田に気を充実させていきます。雑念を追いかけてはいけません。
一度坐ったら、顔がかゆかろうが、足が痛かろうが決して動いてはいけません。

 

 

2.講話  石井 道観先生「3た療法の勧め」

 

 

3た療法とは、「(治療を)やった、効いた、治った」または「(治療を)やった、治った、良かった」という治療のことで、そんな治療は再現性がないのでだめですよ…という意味で使われている言葉です。
しかし、東洋医学と西洋医学、両方の目を以て、患者さんの状態をイメージし、そのイメージを持って行う「3た療法」をするのであれば、再現性もあって、良い治療ができるのではないか、と石井先生はおっしゃいます。

 

 

●いやしの道協会では患者さんを治療するときに、何を観るのか…
・患者さんの病が、表裏、寒熱、虚実、陰陽 それぞれどちらにあてはまるのか
・邪毒がどこにあるのか、病位はどこか(三陰三陽のどこか、病の六段階のどこか)

それにプラスして
・気血の状態、経絡、経筋、五臓六腑の状態

さらに、
・西洋医学的内臓、神経、筋肉、筋膜、リンパなど

 

それら全部を合わせて患者さんの身体をイメージします。

 

敏感な人(術者)は患者さんに触って、すぐどこに邪や毒があるとわかるが、僕(石井先生)のように敏感じゃない人でも一生懸命勉強して知識を増やしていけば、学で補っていくことが十分にできるので、心配しなくても大丈夫です。とのこと!

 

●治療の原則
患者さんを観てイメージを持った後は治療を行うわけですが、それには以下の3つの原則があります。
先急後緩、先表後裏、先補後瀉

 

●治療後の変化
何回か治療して患者さんの状態が変わらない場合、どうするかという問題があります。

・不変→イメージが間違っていたのではないかと考え、イメージからやり直す。
又は、西洋医学的に重篤な疾患が隠れているのではないかと考えられる場合は、専門医に紹介する

・改善はするが数日で症状が戻る→原因を考える、日常生活の問題、体質など
→それらの改善の指導をする

 

●西洋医学と東洋医学の融合
西洋医学と東洋医学を融合させながら患者さんを観るということを臨床で行っている石井先生が、その一端を症例で紹介してくださいました。

 

☆耳管開放症の患者☆
以前も同様の患者さんがいたが、治癒までに半年程かかり、治療の手応えがなかった。
今回は西洋医学的な考えも取り入れて治療し、手応えのある治療ができ、再現性があるのではとも思う。
耳管開放症に対しては、西洋医学的にあまり有効な治療方法がないらしく、診断を受けても困っている患者さんは沢山いるので鍼灸治療の出番だと思う。

 

<診断>
疲れで全身虚状
→常時ストレスがあり持続的に交感神経興奮
→血流低下、筋緊張上昇(特に上半身)
→口蓋翼状筋(耳管を開く筋肉)緊張
→耳管開放
→発症

 

<治療方針>
上半身の交感神経緊張を緩める。
三叉神経下顎枝の緊張を緩める。

 

<治療>
三焦経に引き鍼、
翳風の辺りの生きたツボに二か所刺鍼、
腹(気海、冷えの部位)に刺鍼、
第一胸椎から第七胸椎の脇(膀胱経)の生きたツボ四か所に鍼と灸、
頸から肩への散鍼、
腎経にツナミ鍼

 

<この症例について石井先生のコメント>
東洋医学だけだと僕(石井先生)の場合はイメージを持ちにくく、西洋医学的な要素があるほうが納得できる。
治療においては「自分なりに納得できるか」が大事だと思う。
納得できて、腑に落ちて治療ができると良い結果につながり、腑に落ちない治療だとあまり良い結果につながらない。
東洋的な視点と西洋的な視点を5対5にするのか、7対3にするのか、9対1にするのか…それは各々一人ずつ自分の形があるのだと思う。それぞれ自分なりのウエイトの置き方を持って納得してやっていって欲しい。

 

ちなみに、石井先生は、西洋医学と東洋医学の融合というテーマで過去2回機関誌に書かれておりますが、次は、四部録を西洋医学的な要素を取り入れ解釈し、それを文章を起こしたいと思っていらっしゃるそうです。
しかし、去年から今年にかけ本を30〜40冊読んだり、少し書きだしたりしているものの、なかなかまとまらず、筆が進まないので、もう少し時間がかかると思うとのことです。


3・症例検討会 森 勝先生「初めての本格的な咳の治療」

 


【患者】五十代前半 女性 百六十cm位 小太り。
【初診日】平成29年1月18日
【主訴】咳・声が出し辛い。
【現病歴】平成28年12月25日頃から、鼻水が出始め、正月から咳が出て来た。現在は話し始めると咳が出て声が出し辛く、喉がガサガサしている。痰は出ない。耳鼻科で診察を受け、抗生物質とステロイドを処方され服用したが改善されなかった。
【現症】項背の凝り感、胸焼け(飲酒をすると酷くなる、逆流性食道炎かどうかは不明)、右眼の痛み(原因不明、時々起る)、乳腺炎(乳腺に水が溜まる、主に左側。)、肝臓に水疱が出来る(恐らく肝嚢胞の事)、下腿のむくみ(下腿全体が張っていて押しても指の痕が残らない、実証)。
【診察所見】脈診/右尺中が沈んでおり、強く太い。舌診/診察したが記録もれ。腹診/腹満が著しく、側腹部と回盲部の硬結が非常に目立つ、側腹部は右の方が硬い。心下部や臍周辺も硬さが有る。側腹部・回盲部・臍周辺に圧痛が有る。その他/喉の周辺・項や背部は熱が有り、指頭で圧迫するとすぐに充血する。肩甲間部のスジバリは著しい。細絡は無い。足趾・足背が冷たい。問診/食欲は普通で酒や美味い物を好む。喫煙はしない。小便・大便は特に問題なし。睡眠は入眠し辛く途中目覚めやすい。閉経はしておらず、生理時の出血量が多い。
【診断】主として心下部や腹部に水毒が充満し、身体の機能が低下している所へ邪に入られ、表位や胸中に熱を持ち水毒が上迫し長く咳が続いていると考えた。(実際には陽証であるが、誤って陰証と認識した)
【治療方針】水毒が体外に排出される様に圧痛や硬結の有る所に鍼を施し腹部を補い温め、表位や胸中の熱を取り咳を軽減する。
【経過】
第一診 左右の手に引き、腹部の圧痛や硬結に刺入し、腹部を補い温め咽周辺や項背の熱を取る様に治療(二診と同様の施術)。
第二診 二日間程は咳の調子が良かったが、まだ咳が大分出る。声が出し辛く聞き取りにくかったがそれは改善している。右尺の沈んで強い脈は感じなくなっている。脈は左右の寸が弱く右の関が浮いていて強い、左尺が沈んでいる。左右の心包経に引き、腹部を補い温め、喉周辺項背の熱を取り、左下肢の腎経に引き鍼を施す。治療後患者から「胸焼けが取れたかもしれない。」と言われる。
第三診 咳が減って、声が出し易い。二十三日以降両方の下腿、特に右側が凄く痒くなった(主に腹部の邪毒が少し動いて現れたと推測)。
第四診 下腿がまだ痒い、右の陰経に掻いた跡が残っている。腹部の状態は変化していない。脈は右の関尺が強く、左右の尺が共に沈んでる。今日はいつもより項背の凝りを強く感じる、特に左側。そう言えば眼の痛みは無くなっている(邪熱が軽減したと判断)。
第六診 日本橋にある呼吸器科の専門医に診察を受け、気管支喘息と言う診断だった。二週間分の西洋薬の処方を受け、服用している。少し咳が治まった様だがまだ咳が出て喉がイガイガする。まだ項背の凝りを感じる、また下腿が痒くなった。急にはたと思い当たり、刺絡を加えて見る事にした。璇璣(圧痛)・胸椎五番棘突起下(圧痛・皮膚を撫でると発赤する)・心兪・右商陽からの刺絡を加えた。「呼吸が楽になりました。」と言う。
第七診 咳の変化は無い。また同じ呼吸器科を受診し、違う薬を処方されてそれを服用したからなのか、今朝から声がかすれている。そう言えば昨年の終わりから感じていた胸焼けは無くなった。
第八診 咳は大分良くなった。肩こり、便秘では無いが便通が普段より良い。脈は平脈に近い。腹部の硬さが少し減少。
第九診 漢方専門医に診察を受けたくなったので受診した。基本的な説明は筆者と同じで、「あなたのお腹は非常に張っていて硬い。これは長い間に造られた物です。治すには時間がかかるので、気長にやりましょう。」と言われた。麦門冬湯・柴朴湯・十全大補湯を処方された、全てエキス剤である。
第十診 咳は大分良くなっている。「漢方のエキス剤の効果が出ている感じはしない。」「自然に良くなった感じがする。」と本人が言う。脈は良い状態であるが、腹部の状態は余り変化が無く、下腿のむくみも変化が無い。璇璣の刺絡をすると「呼吸が楽になる。」と言う。(治療終了)

【考察】
本症例は、大塚敬節先生主講の、『金匱要略講話』「痰飲・咳嗽の病の脈証、并に治」に記載されている、「胸に水毒が有ると咳が出る。腹部に水毒が有ると喘が出る。心下部に水毒が有ると呼吸が促迫する。水毒の病は温薬をもって和すべし。」等の情報を参考にした。
初診時に診断名を聴取せず、経過中に気管支喘息が明らかになったが西洋医学的な理解を深めようとせず、処方された西洋薬・漢方薬についても考察しなかった。問診でしっかり聴取し、経過途中に新たな情報が加わった場合でも考察を怠らない様に注意したい。
身体の状態をイメージする際に、水毒と胸の熱の事だけに注目して、腹満の状態を実満なのか、虚満なのかを余り考慮せずに治療を続けていたが、手技は虚満に対するものを施していた。本症例は今考えると実満であり、虚実、陰証陽証等を明確にイメージせずに治療に当たってしまった。第六診以降は刺絡治療を加えたが、胸やけが消失し、咳も改善され脈状が平脈に近くなった事は、胸中の熱が軽減し変化が起きたと考えられる。腹部の状態に余り変化が見られなかったので、胸中の熱が主訴と関連が深いと考えた。刺絡治療の効果を実感できた良い機会であったが、刺絡治療を行った理由が明確でないので刺絡治療の理解を深めたい。

 

 

【質疑応答】
・咳の主体は「水毒」と考えたのですか、「胸の熱」と考えたのですか?
→治療当初は「水毒」と思ったが、今となっては「胸の熱」と思います。

 

・今思う患者さんの状態のイメージはどのようなものですか?
→表位、外位に熱があるという状態だと思います。

 

・右側が凄く痒くなったということに関して、毒が動いたのか?邪だけが動いたのか?瞑眩なのか?誤治なのか?
→毒が動いたのだと思います。
→毒が動いたのであれば腹状が変わっているはず。その辺はもっと慎重に診ていく必要がある。

 

・麦門冬湯・柴朴湯・十全大補湯という漢方はどういう意図で出されたもので、患者さんの状態と一致していたと思いますか?
→麦門冬湯は虚証を帯びた少陽病で乾性の咳、柴朴湯は少陽病で湿性の咳、十全大補湯は太陰病虚証に対する薬方。同時に飲むように出されており、十全大補湯は不要かと思います。

 

その他にも沢山質疑が出て、大変盛り上がった症例発表となりました。


4・実技稽古
今月は中伝、初伝 混合組での稽古です。
基本の型をしっかり身に着けたい方には、午前中に「フォローアップ講座」もあります。

 

 

5・連絡事項

 


・中伝になられた堀 麻里さんに初伝終了認定証が授与されました。
おめでとうございます!

 

・来月は月例会の後、忘年会を行います。

参加をご希望の方でお申込みがまだの方は、お早目に幹事の小池さんまでメールをお願いします。

小池さんアドレス: masaco22☆gmail.com  (☆を@に変えてください)

また、幹事さん達の今年の目玉企画として「プレゼント交換」がありますので、500円相当のお品をお忘れなくご持参ください。

 

(文責:中川)

 

| 例会 | 16:45 | - | -
10月 東京月例会
東京月例会会場の七倉会館は、根津駅近く七倉稲荷神社境内にあります。
今朝から冷たい雨降る中、熱く鍼を学ぶ日曜午後です。


1 . 静坐




照明を落とし静かに坐っていると、雨粒の音が聞こえてきます。
呼吸に意識を向けていると、小さな音も聞こえなくなり、意識が内に向いてきて、次第に無に…

2 . 講話 三輪圓観先生



「精神疾患を診る」


先月行われた合宿座談会の議題でもあった「うつ」について、災害プロジェクトで医療関係者(医者・看護師・薬剤師・等々)との意見交換からも感じられた、鍼灸師だからこそ出来る患者との向き合い方、在り方、治療の方法を、摂食障害症例を基にお話頂きました。

うつ病の資料より…
・うつ病に伴う身体症状の頻度
・うつ病の症状を呈する身体疾患
・うつ治療のための心理教育


患者さんとの会話での注意点、心掛けていること…
・言葉の選び方
・やってはいけないこと
・適応障害とうつ病の分岐点
・薬に対する捉え方
・BMI数値について
・うつ病の基礎知識
・主訴・現病歴・既往歴など、話したがらない事を知るための工夫。
・眠っている時見た夢の話を媒体にする理由。
・過去の話より未来の話をする理由。
・どうなりたいの?と尋ねる理由。
・川合隼雄氏の言葉より「人は皆病んでいる」の話。
・横田観風先生が言われた「タラよりタイを食べよう」の話。
・臨床心理学の外在化(丸の中の点)という病気の見方について…
(患者さん自身と病気を同一化せず、客観視するお話と、合宿で観風先生が話して下さった「病気をみるんじゃなくて、身体の寒熱虚実をみて治療したら良いんじゃない」のお言葉が重なり、理解が深まりました。)

※参考
いやしの道の機関誌11号「陽証のうつ、陰症のうつ」三輪圓観先生
「生活習慣病としてのうつ病」井原 裕 著(弘文堂)

三輪先生が災害プロジェクトの活動に至るには11年前に経験された学生時代のご友人の壮絶な死がきっかけとしてあったそうです。
この事が、治療家として活動の方向やどう在りたいか、心の持ち方を決めるきっかけとなったそうです。
その方のお母様と、命日である昨日10月14日にお話されたことを聞かせて下さいました。
これからもずっと原動力として、三輪先生の中に生き続けられるのだろうと思いました。

3 . 症例検討 木村克彦先生


「帯状疱疹(三叉神経第一枝)による視力低下」
ご自身が患われた事で体験できた、観風先生や石井先生の治療を受けられて感じたこと、ご自身と大きく違うと感じられた事について、発表して下さいました。

【患者】四三歳 男性 身長一七四 体重六五 鍼灸・マッサージ師 カイロプラクター
【主訴】右目の視力低下
【現病歴】帯状疱疹。平成二九年七月六日左頭頂後方頭痛。八日頃鼻右眼回り疱疹。右上下瞼腫れ。一三日右耳耳鳴り。右耳上方痛み。

・視力
七月一四日視力低下スタート。一五〜一六日視力低下ピーク※角膜にウィルスが浸入し炎症を起こした為ぼやけて見えないとのこと。一八日眼圧上昇、視力一.〇。二〇日視力〇.八。三一日温泉入浴中に遠位見えていることに気付く(意識すると)。八月一日カイロプラクティックを受けた後、遠位が自然に見え始める。一〇日近見視力〇.五。二四日見視力〇.九。九月一四日近見視力〇.四。炎症反応なし眼科治療終了。

【既往歴】幼少期 水泡瘡・オタフク風邪、平成一〇年マラリア(デング熱)、回虫。平成一五年アメーバ赤痢、皮膚リュシュマニア。平成二九熱四月二九日交通事故、むち打ち】右頚下部)。

【診察所見】
・脈 右より左大きく、やや沈
・腹診 左季肋部に邪、右奥硬い ・頭部 右眼回りと右側頭部に邪

【診断】
ヘルペスウィルスおよび損傷部位から出された邪の影響による。
【治療方針】
(自分)眼周辺の邪をさばく。

【経過】
初診 平成二九年八月九日(石井先生)引き鍼・散鍼・刺絡、翌日目ヤニ、視力上昇。

一三日(自分)散鍼、翌日目ヤニ。
一五日(自分)散鍼+腹、翌朝変化なし。
一七日(自分)散鍼、翌朝目ヤニ。
二〇日(自分)散鍼、翌朝変化なし。
二三日(石井先生)引き鍼・散鍼・刺楽・腹・遠位鍼。
二九日(自分)散鍼、変化なし。
九月三日(横田先生)「患部から邪を遠くに引き、患部から邪を抜く」引き鍼、散鍼、刺鍼多、頚、遠位鍼右側頭部、二、三日後右足から膿。数日後朝軽い喉痛。
※横田観風先生の治療詳細は、来年三月に発行される機関誌十八号「鍼禅の世界あれこれ(三)臨床篇」に詳しく掲載されます。

一〇日刺絡(圧痛部位 二か所)出血少 、変化なし。
一三日 (石井先生)引き鍼、腹、眼、後頭部、遠位鍼、近位視力上昇 右足から膿。※邪の反応が少なくなっているとのこと。
一八日(自分)刺絡(触覚過敏部位眼四か所)出血多、朝かすみ低下。
二三日 刺絡(触覚過敏部位眼二か所、鼻四か所)出血多、朝かすみ低下。

【考察】今回ヘルペスウィルスとダメージをうけた組織が毒性化増大し邪の影響によって症状が引き起こされた。
初期の視力低下は、角膜にウィルスが浸入して炎症が起きたとのこと。後半やなゆなかすみは、眼科にて炎症反応がないと言われた後も起こっていたことから角膜より毛様体筋機能低下や水晶体の弾力性の低下が考えられる。翌朝改善するこっが多かったことから、ロドプシン再合成が活性化された可能性もある。
散鍼や刺絡にて邪をさばくことにより、正気がめぐり本来持っている働き(身体にとって不都合なものを排除しようとすること)が機能し始めた。毒の排出部位として、目ヤニ・側頭部の膿・足の膿・などがあった。今回は自己治療の観察では、散鍼より刺絡の方が効果的であった。
抗ウイルス薬ではウィルスを叩くことはできず、繁殖を抑えるのみ(今回は抗ウイルス薬を服用し始めてから瞼の腫れが顕著に引き始めたため効果は実感できた)。その間に自己治癒力でウィルスを叩く。早い時期に鍼を始めていれば治療が早まったのでは。また、治療後(特に横田先生、石井先生後)一時的に安定するが生活の乱れに伴い再び状態が下向いた。この二点から西洋薬、鍼灸、養生の組み合わせが必要であることを実感した。
以上


〈石井先生より〉
どの様な疾患であれ、感じた邪や毒をだけを基準にして治療するのではなく、大事なのは患者さんの脈・舌・腹・などをよくみて、今ある症状と身体の状態がどうなっているかをみて、それをしっかりイメージすること。
そして、イメージした事に従って診断し、方針を決めて治療をすることが大切、との事でした。

今回患者側の立場になってみて気付かれたこと、普段の治療側立場でしている言動を振り返って反省されたことが沢山あったことなど、木村先生が率直に感じたことを聞かせて頂けて、とても勉強になりました。




4 . 実技稽古
この時間は、各々課題として抱える問題点や疑問を指導者先生にみて頂けるありがたい稽古の場です。
明日からの治療へ役立てます。

基本の型の習得は、、、
月例会当日の午前10:00から行われている「フォローアップ講座」への参加がおすすめです。
基本は勿論、テキストだけでは読み取れない詳細な鍼を持つ指の使い方や秘伝を、安田無観先生より直々ご指導頂けます。


○次回月例会も第二日曜日です。
11月19日日曜日14:00〜18:00まで七倉会館にて行われます。
奮ってご参加下さいませ。
(文責:田原)
| 例会 | 23:25 | - | -
8月 東京月例会

鬱陶しい天気が続く東京ですが、皆様に御集り頂き有り難う

御座います。

 

静坐

 

 

筆者は平素から、坐禅・瞑想を行っておりますが、何か東洋

的な坐法を行なっていると、心・身体の改善、触診能力の向

上、毒の排出を助ける等の効果が有ると実感しています。

 

講話     前之園 空観 先生

 

「ちょっと、何人か前に出て来て下さい。」

「ここに二つ湯呑を用意しました。片方が若干温度が低いの

実際に触ってどちらの方が低いか感じてみて下さい。」

男1「どれどれ、う〜ん。微妙だ・・。」

男2「いや〜分り辛いですね。」

男性3人が、右の茶碗の方が温度が低い、女性1人が左を選

びました。(まさに陰陽)

 

答えは・・・・・。どっちも同じ温度!!!

 

「この様に触診で温度を確かめ様とする時に身体に力を入れ

て確認する人はいませんよね?まずそれを知って頂きたかっ

たのです。」

 

目指すべき理想の型 半跏坐での治療姿勢

 

「まず腰を立てて半跏坐になってみる。次に背筋を思い切り

伸ばし、グッと方も後ろに引き、胸郭を開き息を吸い込む。

そうしたら息をフッと吐いたと同時に上半身を脱力して、気

を落として丹田に瞬時に込めるんだ。そしてその姿勢を保っ

たまま少し前傾すれば完成だ。上手く行くと下腹部の膨らみ

が、大腿部にのせた足の踵が当たって感じるから分かる。」

 

いやしの道の治療姿勢の基本ですが、すぐにこれを実現する

事は難しいですね。

そこで前之園先生は、入門以来様々な工夫をされて良い治療

姿勢に成る様に工夫されたそうです。人はそれぞれ体格や性

格が違うので、工夫の仕方が違いますが努力していれば最終

的には皆良い治療姿勢が取れる様になると言う事です。

 

前之園先生はいつも良く考えて、工夫されてます。見習いた

いと思います。

 

症例報告     乙重 潭先生

本日は態々東京へ広島から若手のホープ乙重先生が発表にお

いで下さいました。

 

今回の症例は先生の奥様の変化を良く観察された症例です。

 

是動すると出現する極度の慢性疲労     乙重潭観

【はじめに】所生病的是動病の治験例。妻を観察し、治療や見え

ざる一鍼で症状が変わっていくのが示唆に富んでいると思ったの

で報告したい。

【初診日】便宜的に二〇一六年二月一七日時点を初診とする。

【患者】二四歳、女性(色黒。身長一四七僉体重四三圈

【主訴】体がだるくて動けない。

【現病歴】[初診]二〇一五年四月二六日時主訴は肩凝り・腰痛

で数回来院。[初診時診察所見]全身ガチガチ(脈診)沈微細。

寸は全く触れず。(舌診)紫舌、無苔。(腹診)胸脇に軽度の邪

熱と冷え。下腹部に熱と水毒(冷えも少し混じっている)。全体

的にガスと水毒で皮膚表面が緊張。

臨時採用として小学校教諭をし、忙しく、残業や家に持ち帰って

仕事をした。同年五月〜二〇一六年一月、精神的に不安定になり

、死にたいと口にする様に。心療内科で適応障害の診断。相談の

みで鍼灸治療は無し。5月、休職。7月退職。一一月よりパン屋

に就職。二〇一六年二月〜一緒に住み毎日治療。

『寛解時と憎悪時が主に排卵日付近〜月経終わりの周期で以下の

ように繰り返される。

《憎悪時》三週間以上/月。だるさ、面赤、頭重、イライラ、食

欲増進(甘い物等を食べて太る)、不眠(寝付きが悪い、眠り浅

い)、呼吸浅(呼気少、ゼイゼイ)。喧嘩など精神的な動揺でパ

ニック状態になり歯を噛み締め手足及び指の関節を屈曲して開け

ない。血圧九○/六○付近。

《寛解時》四日〜一週間/月。頚肩背腰強張り。ダイエットで食

事制限・運動も可能。座位にて足が痺れやすい。血圧一○○/六

五付近。血液検査異常無し。』月経周期(二八〜三〇日)便秘四

〜一〇日、常に汗がかけない。

【増悪因子】夫婦喧嘩。ストレス。便秘。低気圧。

【診察所見】二〇一六年二月所見。《脈診》沈微細《舌診》舌尖

紅、紫舌、舌下静脈怒張、無苔、歯痕《腹診》○増悪時:腹直筋

拘攣。ガス。上腹部悸、左脇下に激しい邪熱を中心に胸腹、頭部

に及ぶ、頭項背部は邪熱と水毒でパンパンに張る。○寛解時:頭

部軽い邪熱、左上腹部、脇下は硬く、心下の振水音。下腹部湿熱。

肩甲間部赤い発疹(痒み無し)。

【診断】発汗する力も弱く、便秘症やストレスで、左脇下及び胸

中が詰まっていたものが過労・過食で毒性化増大した。月経やス

トレスなどで毒が動揺し動けなくなったり、精神的に不安定にな

る。

【治療方針】胸脇部〜上腹部の邪毒を緩め排出し、背部の緊張を

緩めて発汗させる。響きに鈍感。(鍼)一寸02番で切皮が困難

なほど痛みを感じやすい。鍼だけで対応出来ないのでネットなど

で手に入る漢方を使う。

 

【考察】邪毒は劣悪でほっておくと重篤な疾患になっていたと思

う。脈の弱さは、冷えはないが熱厥の様なものだろう。虚が根底

にあり排出力が弱いので攻めるだけでは排出されなかった。汗や

涙、鼻水、便により毒を排出した。四逆散で刺鍼が出来る様にな

ったが、鍼灸で起こせる方法が課題。結婚していなければ、治療

が継続していなかっただろう。色々と試行錯誤したが、空中鍼を

やり出してから、他の患者さんへの治療効果は上がったので、効

果はあったと思う。四逆散以降もっと毒を揺さぶれば早く治った

かもしれない。いい子で育って、きっちりした目標を立てるが、

実際とのギャップに苦しんでいた。一緒に住んで以降、反抗期の

親子喧嘩のつもりで、言い返してくるまで喧嘩をした。泣くと胸

郭の膨張と熱がスッキリするのだが、最初はグシャッという感じ

で気持ちが折れ、泣くと何日も引きずっていたが、胸の詰りを吐

き出す様に怒鳴り返せる様になる。次第に気持ちを切り替えられ

る様に。身体が柔らかくなるに従って、目標もゆるやかになる。

 

乙重先生有り難う御座いました。

 

実技

 

 

 

最近は入門講座の方が多くなり、活気が溢れております!

一生懸命稽古をしていると額に汗、腋に汗、心に汗!!

をかいております。^_^;

 

初伝修了試験が行われ、堀 麻里さんが合格されました!

おめでとうございます!

 

来月の例会は合宿の為に御休みです。

 

文責 森

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 例会 | 13:34 | - | -
7月 東京月例会

蒸し暑さも一入の三連休の中日 7月16日(日)根津 七倉会館に於いて 東京月例会が行われました。

 

1.静坐

身・息・心の調和を目指し、10分ほど、静かに座りました。

 

2.講話

堀雅観先生「私の手の内」
いやしの道の基本手技である、単刺、引き鍼、散鍼、に関する堀先生なりの手の内の工夫について、実演を交えながら発表していただきました。

 初伝者には、型を習得した先に在る課題として
 中伝者には、各人の工夫のプロセスの或る一例として
 指導者には、技術を共有するための表現方法の或る一例として
 お話し下さいました。

 

堀先生は、この講話のために準備をされていたところ、伝えたいことが抑えられなくなったそうで、静坐の時間を短縮して、熱い講話が始まりました。

*臨床に必要な技能*
診察する能力・・・基本の型で身につける

診断する能力・・・『傷寒論真髄』を通して、からだの中をイメージすることを学び、身につける。
治療方針を立てる能力・・・『いやしの道機関誌』第17号(堀先生ご寄稿文)を参照。
治療方針を立てて実行する能力・・・今回お話しいただいた、手の内。

・単刺(管鍼法)の手の内
1)立管、2)弾入、3)抜管、4)刺入、5)補瀉、6)残心の6つの手順に分解し、それぞれ解説していただきました。

立管での手の内では、生きたツボの真上に鍼先を置くことができるようにするため、自作の箱を使った稽古方法(*1)を、
刺入での手の内では、的当ての稽古方法(*2)をご紹介いただきました。
堀先生がマッサージ屋さんでアルバイトをされていた頃、空き時間にはこの的当ての練習をずっとおこなっていたそうです。

(*1:ディスポーザブル鍼の箱に1ミリ弱の穴をキリで開け(「S」印の下にかすかに見える穴)、目視せず手の感覚だけで穴を探り鍼をその穴の上に置くとすとんと鍼が穴に落ちる装置)

(*2:鍼管を硬結と見立て、タオルでくるくると巻き、タオルの上から硬結(鍼管)に当たるように刺入する)

・引き鍼の手の内
1)気の同調について、2)引き鍼における弾入について、3)補法の引き鍼のイメージについて、4)瀉法の引き鍼のイメージについて、引き鍼の実演(*3)やチベットのシンギングボウル(ラマ教の法具)の実演を交えて、解説していただきました。

(*3:中伝の方がモデルとなり(症状:くしゃみ。かぜっぽい)、術者、患者、それぞれが感じていることを実況中継)

・散鍼の手の内
1)散鍼のタイプを決める諸要素について、2)代表的な散鍼について(両手単式斜刺瀉法散鍼、両手連式斜刺散鍼、両手連式直刺散鍼、片手散鍼)、3)稽古において(散鍼のタイプを言語化した意義について)、散鍼の実演を交えて、解説していただきました。

・手の内より重要なもの
術者の施術時の身体(腰を立てる、上虚下実、等)の重要性、そして、知識や技術のみでは無く、道(人間性、等)が重要で有り、愛に基づきポジティブな気持ちでその人をいやしたいと思って治療をしているのか、ということが、治療効果にダイレクトに影響する、といったことをお話しいただきました。

自分の中に恐れ(経営上の不安、治療効果が出るかどうかという不安、等)をもって治療していると、あまり良い気が通らない上に、悪い気を注入することにすらなるのではないか、という言葉が、印象に残りました。

具体的にイメージすることの重要性、工夫(探求)すること、鍼という道具が持っている特性(鍼先に気を集める機能)を活かすこと、学術(知識、技術)も身体も意識(道)もそれぞれが重要で有り必要だということ、全てを身につけることにより最終的には無意識の内に事をなせるようになること、といったことを考える機会となりました。

 

「・・・みないでやれる感覚がだんだん養われていくので脳の中の空間認識能力を使っているなあと思いました。手の内というのも、頭の中で感じた情報と手を動かすというものと、そこから手がキャッチする情報を頭の中で統合しながらやっているので、手の内というのは脳の中でつくられるものだなと最近は思っています。・・カッコイイ台詞だなと、言ってやろうと思って。」

 

 

3.臨床検討会

伊藤里香先生「喘息と体質改善の治療」
当初の主訴である腰痛の治療から、喘息、胃弱等の背景があったため、体質改善の治療に移行し、瞑眩のような症状を経つつ、もともとあったからだの不調が改善に向かっている症例を発表していただきました。

からだの見方、喘息や体質改善の治療、復調する際に起こる可能性が高い瞑眩について 等、考える機会となりました。

【患者】女性 39歳 やせ型(160cm 43kg)
【主訴】喘息
当初、運動中に右腰が激しく痛くなり、来院(第5診目で治癒)。
第2診目、腰痛の他、咳の発作がひどかったため、急遽喘息の治療を開始する。
子供の頃から咳喘息の傾向あったが20歳半ばから喘息気味に。2年前から顕著に増悪。発作がひどい時には吸入薬使用。
【その他】肩凝り/眠り浅く多夢/幼少時より顔に皮膚症状(乾燥による皮膚の荒れ等)が出やすい/腰痛(二十代より時折あり)/胃重/食欲不振(ストレス過多により食べられなくなる)/花粉症による鼻中渇き、目の痒み(ここ2年で症状が強く出るように)/月経前後に頭痛、便秘、倦怠感(高校生の頃から鎮痛剤が手放せない)/冷え症(左足が冷える)/朝方トイレに行きたくて目が覚める/7年前から体重5kg減少/去年、脂漏性湿疹(鼻周囲にでき桔梗石膏湯で治癒)になる/肝臓の検査値(ALP(GPT))が2年に1度は要観察になる(原因不明)/慢性胃炎/7年前ご主人の転勤で中部地方から関東地方に移住、4年ほど前から派遣社員として仕事をはじめるが、多忙のため去年夏に胃炎となり、さらにやせた
【診察】脈診:浮 細弱遅および緊 右>左 右関強め/舌診:紅舌 舌尖紅 舌下静脈怒張あり 乾燥/腹診:図参照(*)

(*左上から:腹診図、背診図、通常時のイメージ図、瞑眩発作時のイメージ図)


【診断】ここ数年は過労が続き咳のため夜も眠れず食欲も低下してだんだんやせて太れなくなり虚弱になっていった。喘息は幼少時より、その傾向がある為、胸に邪毒が存在し、過労、ストレス、天候、風邪などの要因により発作となる(所生病的是動病)。腰痛は元々体が硬い上に、休養、栄養不足により筋肉が硬直傾向なところに強めの運動を行ったところ痛めたと思われる。
【治療方針】#喘息→頸肩および胸部の邪気をさばき、季肋部や腹部の気を巡らせ、水滞や瘀血を除去し体質を壮健にし肺内の邪毒を排出させる。#腰痛→局所の熱感をさばき硬結を緩める。
【治療及び経過】加療 週1回/鍼 2番寸3使用/基本、先急後緩にて対処。
※以下、喘息治療の記載に重きを置く
・初診(平成29年2月6日)
腰痛を主体に治療。腎兪辺りの硬結、立ち上がりや前傾姿勢で痛む。腰部圧痛点の単刺、腹部の凝りに刺鍼、頸肩部の熱を散じ最後に痛い姿勢をしてもらいながら運動鍼。施術終了後のペインスケール10→5。
・第2診(2月10日)
腰痛がまだ残るものの咳の発作がひどく急遽喘息治療をする。手足によく引いて頸肩部の熱を瀉し、胸部散鍼、腹部を補う(天枢、中かん、水分)、季肋圧痛点を瀉す、伏臥位にて頸肩、上背部を瀉す(肺兪、頸リンパ腫脹部位、天柱周囲)、膈兪・脾兪補うように。最後に側臥位にて右痞根辺りを単刺。左足臨泣に引く。(これ以降、前述の治療をベースに継続)灸の指導、施灸開始(現在まで、毎日継続中)。4診までほぼ同様に。
・第7診(3月14日)
喘息発作が楽になってきている。便秘、食欲不振の訴え(胃の六つ灸、足三里など施術を追加)。鼻の周りに肌荒れが出始めたため、桔梗石膏湯の服用を再開。
・第11診(4月11日)
3月いっぱいで仕事を退職。治療に専念することに。天気や気圧の関係で喘息発作がひどく休めた感じがしなかったそう。食べられるようになってきているが、体重の増減なし。上背部の細絡より刺絡を開始。
・第12診(4月18日)
生理1週間前、易疲労、頭痛、胃重、花粉症(目の痒み、鼻の渇き)がひどく、咳の発作もあって薬を使用したとのこと。胃の動きを良くするため、左痞根に深く刺鍼している最中、気持ち悪さを訴えて胃液を吐いた。このあと胃重が消失。→ここからは後日談。翌日、胃痛がして38度の熱がでた。病院にてエコー検査をしたが慢性胃炎の診断にて輸液をされる。2日ほど具合が悪かったが生理がきてスッキリしたとのこと。
・第13診(4月25日)
咳き込みが減って眠れるようになってきた。胃の働きを補うように治療。刺絡は1回お休み。
・第14診(5月1日)
食欲増進し、食後の違和感も消失。生理前後に頭痛あり。
・第17診(5月23日)
喘息が楽になったとのこと。食欲も安定している。咳発作より目の痒みなど花粉症状がつらい。生理時の鎮痛剤の使用が減ってきたが寝込むほどのだるさなどの訴えがある。
・第19診(6月6日)
口唇ヘルペスが出た(調子が悪いと必発)。喘息発作がまったく出なかったそう。頸肩部の邪熱が再び出てきた。
・第22診(6月26日)
明日よりパートで仕事を再開。食べられるが食欲なく胃痛、胃重がある。生理は楽になってきているが怠さと眠気が強いとのこと。
【考察】頻発する身体の痛みに対応しつつ、まずは虚弱体質の原因となった喘息と胃弱の治療を中心に施術を開始した。喘息は5月上旬には症状の軽減がみられ現在ではまったく発作がない時もある。食欲は退職した4月始めより出てきたが消化能力が追い付かず胃重になり、第12診で瞑眩様症状が出てから消化機能が安定した。38度の発熱にて胸中の邪毒が、季肋下の水毒が嘔吐にて排出されたと推測した。瞑眩様症状から胃痛が出て月経開始と共に消失したことが月経前症候群ではないかとの指摘もあるが通常時は片頭痛や腹痛がみられており、月経前で気がざわつき始めていたところ痞根の深鍼にて奥の筋張りが緩み気が動揺し、過食(久しぶりにゴボウや玄米等繊維質のものを食べ始めた)で弱っていた胃に症状が出たとイメージした。最近は再び頸肩部の「蒸し蒸しするような」熱気が感じられるようになり、鎮痛剤の服用は減ったが月経に伴う片頭痛、生理前後の疲労感などの訴えがある。また胃腸の調子が良いものの体重増加までには至っていない。喘息は症状が長期にわたり完治が難しい病であるが発作の誘因を除去しながら、やや心気的傾向のある患者を支え、今後も変化を観察していきたい。

*指導者の先生方、会場から(一部)*
・喘息の治療方法の例
 肺経の井穴刺絡や、肩甲間部に細絡があれば細絡刺絡
 腹部(とくに季肋部)をしっかり緩める
 腹部への施灸(沢田流五柱)
・喘息の場合、太陽病か少陽病かの見分けがひとつのポイントになる
 (伊藤先生は、本ケースは少陽病でベースに虚状ありと見立てた)
・参考図書
 『いやしの道機関誌』第15号
 (横田観風先生:鍼灸師のための『傷寒論』を学ぶ会講義録(小青竜湯))
 (安田無観先生:瞑眩についての覚書)
 『鍼道発秘講義』痰証の章
 『いやしの道しるべ』11p

 

4.実技稽古

指導者・中伝者・初伝者の組に分かれて 各々、実技の稽古をおこないました。

 

来月は 8月20日(日)14:00〜 開催されます。

 

【連絡事項】
2017年合宿研修会(日程:9/17-18)の申込は、7月31日(月)まで受け付けております。
お問い合わせ・お申し込み連絡先
中川由紀 yucci.hari.kyu☆gmail.com
*メールアドレスの☆を@に変えて送信して下さい。

 

(文責 小池)

 

| 例会 | 23:00 | - | -
6月東京月例会

 


静座


当会、恒例静座の時間。
治療者としての心身を作っていきます。

カラ梅雨かと思いきや、最近
やっと梅雨らしくなってきましたね。
静座中にも激しい雨が、、、。

 

 

 

講話 担当 海野流観先生



「愛着障害が関連すると思われる難症」
今回の発表は海野先生が21年に亘って診られてきた「多愁訴」
の患者さんに「愛着障害」が関係しているのではないかと考え
接し方など試行錯誤していくうちに、患者の(症状)核心に
近づけたとの報告です。
海野先生がまだ治療家として駆け出しの頃より診ているとのことで、
なんとカルテ数24枚、治療総回数675回とのこと!
初診時53歳、現在74歳の患者女性とのやり取りには
何か凄まじさを感じるほどです。
この患者さん、「心気症、頻繁なDr.ショッピング、治療効果が長続きしない
薬を変えても一週間ともたない、プライドが高く人を信じない、頻繁に電話で
問い合わせをする割に指示を守らず医者に匙を投げられる等々」があり、
とても難しい方だそう。
初診時は頸肩凝りでしたが、肋間神経痛、吐き気、目眩、心身症、
梅核気、うつ病、他たくさん!と訴えは様々で写真にあるようにA3用紙二枚半に
びっしりと治療、経過と患者女性の身辺状況が書かれています。
昨年の合宿パネルディスカッション(愛着障害)がきっかけで
患者が愛着障害ではないかと気づき、患者が高校の頃からよく吐いていた
ことを知り確信を得たそう。
海野先生が、そのことを意識して加療を続けた結果、
患者本人も自分の精神状態、食行動、体の症状を少しづつ理解し、
改善に向かっているとの事。
海野先生が、この患者さんと接する上で心がけていることは

  • 話をきく
  • 寄り添う、いつでも対応、できる範囲で
  • 肌のふれあい
  • 指示を出す
  • 胸の邪気を散じる
  • 意識を外へ向けさせる
  • 安易な事は言わない
  • 死の話をタブーにしない
  • 治療者や他の患者も同じような人がいっぱいいることを

言い続ける
だそうです。
このような神経症状のある患者さんには鍼道発秘の「肝症」
もしくは「茯苓杏仁甘草湯」(いやしの道八号を参照に)を
イメージして施術すると良いとのことです。
先生曰く、気質、薬の副作用、ストレスにさらされる環境、
ちゃんとした治療をうけれない不安感、以上の条件が揃うと治療が難しい。
患者が21年継続通院できているのは海野先生のところのみだそう。
聴衆からは「海野先生だから続いてる」との声が。
最後に、ふだん穏やかな海野先生が
「患者さんとの終わりのない戦い」といっておられたのが
印象的でした。

 

 

 

臨床発表 担当 石井道観先生

 

 

石井先生が予め宿題を二例出され、

各々がどのように身体をイメージして

治療方針を立てて実際に治療をするかを

参加者に問いかけて、最後に答え合わせをするという

今までにない形で臨床発表をされました。

 

例題は二題とも実際に石井先生が担当された患者さんで

両者とも三回で治療が完結されたとのこと。

 

まずは初級編。

女性 67歳 

主訴:左肩関節痛

以前より左肩に弱い痛みと少し可動域制限が

あったが違和感がある程度。今朝、目が覚めると発熱、寒気がして

同時に左肩関節に激痛、動かすこともできない。

所見:脈浮 舌淡紅よりやや紅 薄白苔

38度 悪寒 喉の痛み 吐気、目眩

 

石井先生が初診時の状況を読み上げて、

参加者にイメージ図を描かせたり、実際にどんな治療を施すか、

各々に質問していきます。

実際の患者さんは太陽病、少陽病とか最適な治療方針

(先急後緩、先表後裏)を打ち出さなければ

なりません。

この方は嘔気や眩暈はあっても病期からみても石井先生は

「太陽病」の症状と診断し治療を行ったとのことです。

 

次は中級編。

男性 52歳 (初診H29.4.4

主訴:左脇腹の痛み

3/24朝左脇腹痛があったが昼過ぎには消失。

以降痛みの発現、消退を繰り返す。

強い痛みのため、睡眠中に目が覚めることもあった。

(内科で精査、異常なし)

そこで整体に通い4、5回/日あった痛みが起床時と就寝時に

減り、痛みの強さも半減。しかし症状が治まらない。

現在無職。運動習慣なし。3か月で体重4kg増加。

所見・その他:痛みの持続時間は30分から1時間、動作時痛なし。

身体を反らすと楽な気がする。求職中にてストレスあり。

食欲あり 便通正常 睡眠とれてる

脈・もともと早め 中脈だがやや弱い

舌・やや暗黄苔

腹部全体に膨満、鼓音あり

図には胸に邪(ざわざわ)、季肋部に硬さ(熱無し)、

左腹部(腹直筋脇)に拘攣と寒、背側にも同様に拘攣。

 

初級編と同じく今度は中伝履修者に診断、治療方針、

治療法を問います。

 

動作時痛がないの運動器疾患は除外。

ポイントになるのは一定の時間のみ痛みがある。

腹部の拘攣が冷えで引きつれているのみならず、

ガスの存在があり、冷えてガスが膨張すると

引き攣れが伸ばされ痛みを生じる。

(ガス:いやしの道10号など参考に)

なので引き攣れているところを緩め、あたためるのが治療方針。

実際の治療は左神門、水毒辺り鍼と灸、左帯脈、左痞根、左内庭

にて最後の津波鍼。翌日のペインスケール102。三回目には

ほとんど消失。

 

初学者は患者のあらゆる情報を収集してそれら全てに対応しがちに

なってしまいますが、まずは患者のニーズを知って何に重きをおくか

取捨選択をする必要があることがよくわかったのではないでしょうか?

そして、なぜその判断に至ったかという高度な指導者の先生方の

討論も大変参考になりました。

 

 

 

実技時間

 

最近は入門者が増え大所帯になってきました。

スペースを確保するが大変です!
皆さん、真剣です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


7月も第三日曜、根津・七倉会館にて開催予定です。
みなさま、ふるってご参加ください。

(文責・伊藤)

| 例会 | 00:23 | - | -
5月東京月例会
1.静坐
坐禅、正座で丹田に気を充実させるべく、細く長ーく息を吐きます。
一度坐ったら、顔がかゆかろうが、足が痛かろうが決して動いてはいけません。 
  
  
2.講話  朽名宗観先生
「Stand by me」

朽名先生の講話は、映画「Stand by me」の主題歌が流れて始まりました。あの歌詞はじっくり読むととても深いのですね…。
患者さんが切迫した状況になってきた時、「Stand by me」と言われることは治療家としてとてもありがたいことです。

 岼多粥瞥遒礎紊)」の原点
文学作品の一節を解説していただき「感覚で感じ取るコミュニケーション」、「ここにいていいという安全保障感」について学びました。鍼灸師の行う「望聞問切」の「望」「聞」「切」は感覚で感じ取るコミュニケーションです。増永静人先生は、全身につながっている手の平で、全身につながっている患部に触れる東洋医学は、患者〜術者間のより深い出会い「生命共感」が生じ、それが治癒のスイッチになると言われたそうです。
  
  
⇔彎欧両譴如岼多粥瞥遒礎紊)」を引き出す
一般的に他人とのコミュニケーションが取り辛い、統合失調症、認知症、うつ傾向の患者さんと、朽名先生がどうやって関係を築いていったかという体験からお話しくださいました。
とても自分だったら対応できそうもないと思う状況が多々ありましたが、感覚で感じ取るコミュニケーションや、相手を尊重し不安にさせないということなどは、実はどの患者さんに対しても必要なことだと思いました。
  
  
3・症例検討会 福嶋青観先生
「乳幼児のアトピー性皮膚炎」
激しい症状にどの位で改善できるか読めなかったが、意外とあっさり症状が治まったのは、ひとえに子どもの生命力の強さであると改めて感心した症例。

 【患者】生後六か月、男児。ほぼ標準体重、身長。母乳のみ。色白ぽっちゃり。好奇心旺盛でよく動く。父母にアトピーの既往歴なし。
 【主訴】アトピー性皮膚炎。顔をきれいにしたい。
 【随伴症状】生後二ヶ月位から、症状が出始め、三か月になると、ほぼ全身が赤く、ひどい所(関節周り、顔、背中)は皮がめくれ上がり、ぐじゅぐじゅしてきた為皮膚科を受診。アトピー性皮膚炎と診断され、保湿剤とステロイドを全身に塗布。身体の症状はおさまったが、顔だけは全く効果が無い。
 【他に気になる症状】母乳を飲ませるとすぐ、ゆるいうんちがじゃーと出るためちょこちょこ飲ませている。
 【所見】顔は耳まで正常な皮膚が殆ど無い。青みがかった赤黒さで、皮膚はめくれ上がり、ジュクジュクしており、そこから目と口だけが出ている状態。耳の後ろは乾いて鱗っぽい。髪の毛の中の地肌は、多少乾燥気味だが症状は出ていない。体は肘の内側、背中(肩甲間部から肝兪あたり)が赤くなっている程度(熱邪あり)。腹診:腹部全般的にガスが多く、張っている。頭部の熱感が強い。頭頂部、耳周り胆経、肩甲骨辺縁の皮膚の緊張が強い(瀉法を施すべき「面」に出た反応。又、これまで、症状の出ている境界線近くに反応が出ている場合が多く、この部位には顕著に見られた)

 【診断】皮膚が薄く敏感であるという素因はあるものの、環境要因等、大きなものは見えてこず(離乳食はまだ始まっていない、動物は飼っていない)、一方で症状の激しいところを診て「胎毒」の存在が考えられるのではないか?身体は一生懸命、排毒しようとしていたが、薬で抑え込まれた為、邪気が全て顔面部に集中したのではないか?
又、付随する症状として、体重は順調に増えている為、栄養の吸収に問題はないが、大腸の働きが弱く、ガスが多くなって腹部を圧迫し、一度におっぱいをたくさん飲めず、又、水分の再吸収が悪い為、うんちが緩くなっているものと考えられる。飲ませて、すぐにうんちが出るのは、おっぱいは全身運動で腹圧がかかる為、その刺激で腸と膀胱が刺激されると思われる。

 【治療方針】邪気を瀉し、ガスを動かす。
 【治療及び経過】第一診(H28.5)大師流小児はりにて、百会あたり、耳上部胆経あたり、天柱・風池あたりは、強めの刺激(邪気を瀉するイメージ)。手三里(引き鍼―上腹部のガスを動かし、心下部をラクにするイメージ)、肩甲骨辺縁は、少し弱めの刺激。足三里あたりはごく弱い刺激(腸全体のガスを下げ、良く動くイメージ)。空振りも入れつつ、施術時間三分位。
・第二診(前回治療から二日後)前回施術後、夜に鼻くそを見つけ、引っ張りだすと乾いた塊に続いて、粘性の塊がずるっと大量に出てきた。顔全体、青みが抜けて、赤味が強い。前回、全体的に多かったガスが上腹部のみとなっており、右下腹が少し力が足りない。施術内容は、一診とほぼ同じだが、全体の刺激量は、三分の二位。施術後、大きいオナラがブーっと出た。
・第三診(三日後)夜、顔を掻かずにぐっすり寝た。症状のジュクジュク度合いが三分の一程度に減っている。鍼後、大きなオナラが二回とゲップも二回出して、ケラケラと笑う。
・第四診(四日後)お腹のガスが減り、すらっとスマートに見える。
・第五診(三日後) かゆみが減り、ステロイドを塗る量が減った。症状の面積が面から点になり、境目がはっきりしてきた。又、ウンチが形になりだして、日に二回位になってきた。皮膚の水分量が減り、身体がしまってきた。鍼後、やはりオナラがブーっと出る。
・第八診(七日後) ステロイドは、夜寝る前にチョンチョンと点状で乗せるだけ(肘、頬、背中)・保湿剤も軽くスプレーするのみ。かゆみも殆どなくなっている。顔の症状としては、頬の真ん中のみ荒れた感じでジュクジュクはしていない。
・第十診(四日後) ステロイドは、使っていない。保湿剤のスプレーのみ、お風呂上りに使う。見た目に全く症状は出ていない。
  
   
 【考察】胎毒に関し、『鍼道発秘講義』三十四章・痘疹ご参照。
生後まもなくは、母体からのホルモンの影響で皮脂量が多いが、それが切れると皮脂量は極端に少なくなる。そのタイミングで、母乳の影響か、風邪を引いたかで、沈静していた胎毒が動き出し、陽気盛んであるが故に上に上りやすく、生命力が旺盛な為に毒を排出しようとするが、薬に抑えこまれた為、顔にのみ、激しい症状が出たものと思われる。
あっさりと症状が治まった為、病気のメカニズム第三段階で、毒性は増大していないと考えたが、是非、議論頂きたい。
又、日を詰めての来院は重要な所である。尚、乳幼児は、大人より水分量が多い為、ジュクジュクしやすく、見た目にショッキングなことが多い。
患児の母は、街を歩く度に、知らない人々から「可哀そう。」と声をかけられ、その度、責められている気分になっていたと言う。
母親の心持ちが子どもへの影響が大きい事も含め、母親に対するケアも重要と考える。
  
〇朽名先生より〇
これが毒性化増大しているのか、所生病的是動病なのかという問題のヒントになることが『いやしの道』15号傷寒論を学ぶ会「葛根湯」に載っている。横田先生は皮膚病に二種類あるとおっしゃっており、所生病的是動病もあるし、中から出てくる場合も、両方あると。この場合だと肩甲間部に反応が出ているが、ここへの刺激がひょっとすると胸郭内部、胃の近辺など外位、裏位の毒を動かすのに役に立ったのではないか。表位にある毒が動いただけなら葛根湯証でよいが、小柴胡湯証のような状態だったのなら胸郭の中の毒を考える必要があるし、小建中湯証のようだったらお腹の冷えもあり毒もあると考える必要がある。その毒が出て行ったから消化器系が整ってきたのではないか。そのあたりを確認できるとよいのではないか。
  
  
乳幼児への治療経験が豊富な福嶋先生でも内心ショックを受けてしまう程の状態で来院した赤ちゃんが、1か月余りで見た目の症状が全くなくなったという劇的な症例で、とても印象深く、勉強になりました。
  
4・実技稽古
今月は中伝、初伝 混合組での稽古です。
基本の型をしっかり身に着けたい方には、午前中に「フォローアップ講座」もあります。
  
5・連絡事項
・中伝になられた小池さん、田原さんに初伝終了認定証が授与されました。
おめでとうございます!  
  
  
  
  
  
(文責:中川)
| 例会 | 21:55 | - | -
4月 東京月例会

講話 大浦慈観 先生

 

日々是れ工夫鍼の道

 

 

昨年の9月合宿、12月例会、同じテーマで御話頂いておりますが

今回は12月の続きを御話頂きました。

 

本当に納得の行く鍼が自分自身、行なえているのか?と疑問に思っ

た。それを点検する為にいくつものチェック項目を挙げてみた。

皆さんも自分で色々自分の鍼を点検して頂ければ、技術が向上する

事でしょう。

 

今日、皆様にお聞きするんですが、普段背部の「生きたツボ」をど

の様に取っていますか?

 

何人かに質問して出た回答

 

凹んでいる所を取る・熱い所・お腹の状態に対して背中を診る・解

剖学的に脊椎を診て取る・筋の硬さ・脊椎の硬さ。

 

皆さんそれぞれ自分の得意な診察の仕方ですが、私自身どうしてこ

の様な疑問を持ったかと言うと、普段臨床では硬い所を調べて「生

きたツボ」を取る傾向が有るんですが、色々な鍼灸の流派の方と交

流しているとそれぞれ自分とは違ったツボの取り方をしています。

私は腹部の五臓の反応が背中にも出ていると思って、診察していま

すが経絡を中心に診ている方は虚を中心に診ているので、陥下した

所を探しているのです。伝統鍼灸をされている方は一般的に虚を診

ている事が多いですが、ではその虚とは何を言っているのでしょう

か?私が診ているのとは何が違うのか?

 

実際はそれ程違っていない様に感じています。虚している所凹んで

いる所を取っても表面の奥は硬くなっているんです。証を立てるの

にこだわっておられる方々は、証に当てはめて身体を診ようとする

のでこの様な違いが出て来てしまうのでしょう。

 

次に・・・。

 

治療効果に影響を及ぼす原因は何が考えられますか?

 

皆さんに聞いてみましょう、どうですか?何か有りませんか?

 

皆さんの回答

 

患者さん側の原因として・・・。

 

治療を受ける時間帯・治療頻度・日常生活の不摂生・治療者に対す

る信頼度等が考えられる。

 

治療者側の原因として・・・。

 

治療者の体調・熟練度・診断力・技術力・説明の仕方、話し方・精

神状態・人間的な成長、等が有るのではないか。

 

人間的成長が治療効果を左右すると言う事は、とても重要です。

 

僕も昔思いましたけれど、横田先生の助手をして帰った後凄く治療

が上手く行くんですよね、「あれ何なんだろう?」と思っていたけ

れどその効果は一週間位で落ちて来てしまうんですよね。

横田先生の所へ行くと言うと何かこうシャキッとするじゃないです

か(笑)それも有るかも知れないけれど、先生の姿勢何か見てて自

分なりに気付かされる所が有るんですよね。

でもそれで鍼が上手くなっているとは思えなかったけれども、効果

は上がっているのは何でなのかと不思議に思っていましたね。

 

それで、横田先生から離れた後も本当に治療効果を出せる様にする

にはどうすれば良いのかと言う事を随分考えました。先生の影響だ

けで上手くなった様に思っている自分に気付きました。人間的な成

長って言うのは、非常に大きな原因の一つだと言うのが有って、臨

床の現場では常に自分自身を問われますからね、治療をして効果が

出てこちら側も有る面では成長させて貰える。

 

鍼の道と言う題で御話頂きましたが、大浦先生の人間的成長・工夫

試行錯誤の過程をとても温かく御話頂き、聴衆の心に響いたと筆者

は確信致します。大浦先生誠に有り難う御座いました。

 

 

症例報告  池内 毘観 先生

 

「月経不順の一例」です。

 

 治療の結果を出そうとするあまり、あれこれ手数が多くなり、そ

れが反って治療効果を妨げている事がしばしばある。今回は本症例

を通じて治療の先後の重要性を再認識したので報告させていただく。

 

患者】三二歳 女性  身長一五二僉‖僚纏鞍圈“稜箘

【初診日】二〇十六年九月十二日

【主訴】生理不順 食欲不振

【その他の症状】

易疲労 肩こり 目の乾き 手足腰の冷え

 

現病歴】初潮より生理が不順。一〇年前、就職してから、生理が三

ヶ月に一回くらいの割合でしか起こらなくなり、五年前に仕事のス

トレスで体調を崩しそれから、生理が起こらなくなった。

【既往歴】二年前より、朝に胃液が上がってくる感じがあり、慢性

胃炎 逆流性食道炎と内科で診断される。

過去の服用薬】

ルトラール クロミッド ネキシウム ガスモチン

【診察所見】

脈:寸・関・尺 全体的に沈で無力。

舌質:淡紅舌 歯根あり。腹診:左腹直筋の緊張。左右ともに筋張り

が観察される。特に左は臍傍の張りに加え拍動あり。右臍傍の緊張は

左程ではないが、少腹まで冷えが目立つ。左鼠径部に圧痛。心下に拍

動が観察される。TH十〜十二辺りまで、局所的に湿疹がある。下肢

の冷え(右>

睡眠:良好 仕事がハードで、体力にも自信がないので、七時間は寝

るようにしている。(熟睡感あり)。仰向けに寝ると、TH十〜十二

辺りが当たって痛みを感じることがある。二便:大便:二日一回 唇

と指先の色が悪い(黒くくすんでいる)食欲不振、少しでも食べ過ぎ

ると下痢をする。

【診断と治療方針】

 腹部の冷え、脉と舌の状態、その他、積極的な症状がないことから

太陰病(陰証)がベースにあると診断。本来の気の不足に加え、腹部

の沈静化した水毒、血毒が気の流れを阻み、女子胞を栄養する事がで

きず、無月経状態に至ったと考えた。先ずに陽に復す事を目的として

治療を開始する。

 

【考察】 ̄△陽に傾くにつれ、毒の排出力が高まることにより、腹

部の瘀血と水毒が排出された。第六診の出血の時に観察された、めま

いが、十二月末の出血の時に観察されなかったのは、六診目の出血に

より、毒の量が減少したためと考えられる。

⇒曚防し、消化器機能の働きを取り戻すことにより、必要な栄養分

摂取され、脂肪を蓄えることにより、性ホルモンの基となる、コレス

テロールが備わり、女子胞の機能を取り戻したと考えられる。

 

 

実技 

 

最近は、入門講座から多くの方が入会して下さり筆者が初伝の頃は一

時的に参加者が少なくなっていた頃が有りましたが、大分初伝の方が

増え稽古が活気付いて来ました。少人数でミッチリ稽古をする事も良

いですが、大人数で血気盛んに!?稽古をするのもまた良く技術が身

付くものです。

 

文責 森 勝

 

 

| 例会 | 22:54 | - | -
3月東京月例会

1.静坐

 

 
坐禅(静座)。当会の特徴的な部分のひとつ。肚を作る=治療家の体を作ること。

入門講座からの入会者が増えて会場がいっぱいに(^^)v

  

 

2.講話  舩坂樹観先生

 

 

[中庸]について

 

まずは、中庸の背景について。

四書五経のひとつ。四書は論語・孟子・中庸・大学、五経は易経・詩経・書経・春秋・礼記。

礼記にあった中庸と大学を朱子が編纂し、今の形に。科挙の必修科目だった。

禅僧の白隠慧鶴が若い頃、禅病(ノイローゼや肺患)を患った際、京都の白幽子の元で

「内観法」を授かり癒えた。その白幽子の机に「老子」「金剛経」「中庸」があったそう。

 

その「中庸」の意味を考えてみます。

「中」はバランスの意味がある。止まっているのではなくシーソーのように

微妙に揺らいでいる。

陰陽は物質的なものだけでなく動作も含まれる。

また、「当たる」意味もある。的に当たる、湯液が当たる(証に合う)、中毒(毒にあたる)など

水の波紋のように偏らず、よどまないきれいなエネルギーをいう。

「庸」は凡庸、当たり前、常にいい成績をキープしていること。

 

「中庸」について朱子が書いたことを舩坂先生が自身の経験を交えながら

解説してくださりました。

 

 

労うつもりで送った贈り物に対して、相手は見返りのような行動をとってきた話。

自分が純粋に労いたくてしたのか、得をしたいがためにしたのか?だんだんわからなくなってきた例。

自分たちに例えると、患者さんに優しく接することも、本当に憐れんでしていることなのか?

次にまた来院して欲しいがためなのか?

一つの事に対して真反対(理想と現実、メリット、デメリットなど)の意味を持つことがあるが、

どう問題なのか、ちゃんと見るということが「中」なのだそうです。

他にも舩坂先生が徒歩での日本一周の旅の途中で足を怪我しても「中」をとって無事に旅を終えられた話、

「観風先生に僧になりなさい」と言われ「鍼灸師」としての立場の間で揺れ動いた話などを例えに

「中庸」が語られました。

 

 他にも「命」や「道」の解説を加えながらお話しくださり、古典の奥深さを痛感した講義となりました。

 

 

3・症例検討会 牛尾宣子先生

 

 

「右顔面けいれんの鍼灸治療」

 

 このモデルさんとなった女性は牛尾先生が初めて鍼灸治療をした患者さんとのことで

3年間の長きにわたり、いろんな経過を経ながら学ぶことも多く、また治療へのアドバイスも

いただきたく症例として取り上げたそう。

 

 初診日 平成26年6月6日

 患者 72歳 女性 中肉中背 お寺の奥さん 心配症

 主訴 右顔面けいれん(眼瞼がけいれん(おさまっていることがない)し口角がひきつれる)

 

 平成20年ごろより多忙やストレスがたまるとけいれんが起こっていた。

 内科、心療内科受診するが改善みられず。

 平成22年脳外科受診。ボトックス注射7,8回受けるが改善せず。

 平成25年4月 神経減圧術手術するが改善みられず3か月ごとにボトックス注射を受けている。

 

 既往歴 右乳がん(49歳時 乳房全摘)高脂血症 高血圧 心臓弁膜症

 診察所見 【脈】 沈脈、右関脈弱。両尺ほとんどふれず。

      【舌】 舌尖紅 薄白苔 湿潤 歯根あり

      【腹診】胸熱 心下痞硬 右下肋部張り 腹部全体に冷えとガス 右胸鎖乳突筋のスジバリ

          右耳の後ろ手術創上に熱感 

      【背診】右側首から背中にスジバリ 右肩甲間部圧痛

      

       手足の冷え自覚的他覚的にもなし。飲酒喫煙(−)。長時間入浴不可。睡眠薬服用。口角ひきつれイライラ。  

 

 

 診断 腹部に水毒あり冷えてガスが発生。下腹部に力がないので邪の上衝がおこり

    けいれんが起きている。虚証。第四段階。

 

 治療方針 腹部の冷えの改善。右側の気血の巡りを良くする。

 

 治療 基本の型にて。

    両手に引く。胸の散鍼。右下腹、関元、中脘に単刺、灸。両下肢に鍼。

    背部、圧痛部に単刺、志室をゆるめ灸。首スジバリに鍼と点灸。

    右顔面、頭部に散鍼。右手に引き鍼。

    ※術後けいれんはおさまるが長続きせず。2週間に一回ペースで治療。

 

 経過

    27年度(35診)

    腹部の冷えは下腹部のみとなり改善はみられるものの、邪の上衝は変わらず。

    顔面への置鍼を加え、脾、胃経の下肢流中にそって数か所に単刺を追加。

    けいれんがおさまる時間が少しずつのびてきた。

 

    28年度(55診)

    ボトックス注射の神経伝達疎外作用により右目の開眼できず、目を開けようとすると

    口角がひどくひきつる。

    置鍼をやめて目の周囲、四白、巨髎、地倉、聴会、翳風などに刺鍼。響かす。

    下肢に強く引く。

    けいれんおさまり、目があくが長続きせず。 

 

 考察

   初年度は治療のポイントもわかり、置鍼や基本の型の逆をやってみたり工夫したが、効果はよくなかった。

   27年度はボトックス注射との兼ね合いで刺鍼への迷いがあり、上衝の抑制のため下肢への刺鍼、引き針など試すも

   効果は今ひとつ。

   28年度、ボトックスの影響で開眼できない右目周囲にしっかり鍼をうち響かすことで開眼し、良い効果を出せた。

   注射の副作用とけいれんとを捉え違いをしている患者の病識を正し、注射をやめたことが効果の向上につながった。

   最近では、けいれんは減少し、患者自身が納得できるようになってきた。

 

 初学者からの積極的な水毒への質問や、病気のメカニズムの確認、身体状況に適切な刺法がなされていたか、

 乳癌手術創の影響等、質問、討論は活気があり、有意義な討論会となりました。

   

 
 

 

 

4・実技稽古
 会場は熱気ムンムンです。暑いんじゃなくて参加者の熱意で。。

 

 

その他

 

 広島からいらしてくださった乙重先生が中伝終了試験を突破されて指導者になられました!!

 おめでとうございます!号は【潭観】だそうです。関西支部がますます安泰になりました。。

 感動してたら、お写真撮るのを忘れてしまいました(^^;すみません。

 

こぶしの花も満開です。

こぶし=辛夷(しんい)漢方薬には開花する前の蕾を使用します。

鎮痛、鎮静作用があります。

身近な所に漢方薬ってあるんですね。

 

(文責 伊籐)

 

 

 

| 例会 | 23:45 | - | -
2月東京月例会
1.静坐
 
坐禅、正座で丹田に気を充実させるべく、細く長ーく息を吐きます。
  
 
2.講話  原田修観先生
 
24年前に神奈川県の藤野で開業された原田先生が、長年鍼灸院を営んでこられた中で感じてきたことをお話ししてくださいました。
ちなみに原田先生が横田観風先生に出会われたのが1984年。30年以上、観風先生の傍で学ばれていらっしゃる大先輩です。
  
   
いやしの道協会の特徴は「学・術・道」を三位一体で高めていこうとすることであり、中でも道を大切にしています。
稀勢の里の優勝で大きな話題となった「相撲道」から「鍼灸道」について考えさせられたことがあったそうです。
 
「相撲道」と「鍼灸道」に共通するところは沢山ある。
1.結果にこだわらない。平常心。無心にて全身全霊でやるべきことを行う。
2.慢心しない。初心忘るべからず。
3.無為自然。力を抜く。
4.正々堂々受けて立つ。相手に従いながら相手を包み込む。
5.礼に始まり礼に終わる。
などなど。
  
 
  
治療をする上で、また、治療院を経営していく上でのヒントにされているそうです。
昔、原田先生が観風先生に「患者さん来ないなら勉強してればいいじゃないか」と言われたそうです。
ビシビシ響きます。。。
  
時間の都合で、聞けなかったお話し等は次の機関紙「いやしの道」に書かれるそうなので、楽しみにしております。
  

3・症例検討会 坂井敏恵先生
「頭部のしびれ感、顔面部の違和感、耳鳴りなどの諸症状」
  
  
 【患者】60歳代、女性、やせ型
 【主訴】右後頭部から右側頭部にかけてのしびれ感と重だるさ。圧すと痛む。昨日くらいから徐々に強く感じる。
 【随伴症状】上眼窩痛、眼瞼が閉じやすい(特に食後)、耳鳴り(右が強い)、右下顎下と耳下のリンパ節の腫れ。右胸の圧迫感。
 【現病歴】(H24.1)右側腹に痛みが出て、帯状庖疹の疑いで抗ウイルス薬を服薬。
2週間後右下顎下に痛みが出て、翌日顔面神経麻痺を発症。補中益気湯を4週間服薬。
2月に両上腕に肉芽腫が見つかり、6月にサルコイドーシスと診断される。ブドウ膜炎、両肺門リンパ節腫脹あり(サルコイドーシスの所見)。
現在も両肺門のリンパ節腫脹あり。右胸が痞えるような圧迫感あり。
顔面神経麻痺治癒後、顔を動かす時の左右の違和感や右顔面部の重だるさ(特に眼瞼部)、唾液の出にくさ、圧痛が残る。2年位前から後頭・側頭部のしびれ感と圧痛、耳鳴りを強く感じるようになり、症状が強く出たり弱くなったりする。
  
 【所見】脈:関強い、やや数、右浮。舌:白苔、舌下静脈怒張ややあり。腹:心下痞、右季肋部圧痛、左季肋下ガス、右腹直筋硬、気海・関元辺りの虚、表面は温かい。臍下の手術痕が瘢痕化。左側腹に細絡あり。
背:背中から腰にかけて張りが強い。肩甲間部一行線に細く硬いすじばり(右>左)。右側は虚している感じ。
頭:右側頭部、後頭部に熱、右耳後と右下顎部に細絡あり。
問診:便通良い入眠後2〜3回利尿に起きる。2週間前に胃腸の重さと圧すとウッとする痛みがあったが、今は治まっている。疲労感がある。腹巻やカイロ、靴下の重ね履き等で下半身を常に温かくしているが、足の冷えあり。
  
 【診断】サルコイドーシス発症時は、多忙で身体を酷使していたことに加え、肉親が亡くなったショック等諸々のストレスが重なっていた。多忙な生活は続き体重が4キロ減少。その後白内障手術、大腸がん手術、抗がん剤治療と続き、さらに3キロ減少した。その間も仕事を続け、手術や抗がん剤の影響で身体全体の力は落ち、太陰病の状態にあると考えた。
初診時お腹の表面は温かく感じられたが、心下部に水毒などがあり、冷え症の自覚もあるので、中は冷えていると思われる。胃腸を悪くした影響の残りと仕事等の疲れにより、心下の水毒や胸中の邪毒がゆさぶられ、頭部・顔面部へ上衝し、所生病的是動病としての症状が現れたと判断。
  
 【治療方針・内容】太陰病がベースではあるが上実の症状が強いため、先表後裏で頭部の邪熱を取ることを主とした。
  
 【経過】初回治療後家に帰って2回便が出た後、3回下痢状便が出て、その後はすっきりとして落ち着いた。
第二診(十二月九日)しびれ感は減っている。耳鳴りは左右同じ位で気にならない。夜起きた時に右胸と背部が熱い感じがする。上実の症状が減っていた為、先補後瀉とした。右翳風の所のリンパの腫れを感じるとのことで、刺すと熱が絡んでくる感じがあり抜くようにして、手に引き鍼。治療後ガスが出て、この日は四時間位続けて眠れた。
・第三診(十二月十四日)しびれ感はないが、圧痛がある。耳鳴りは少しある。右胸部の神蔵・霊墟、右背部の肺兪・厥陰兪を触ると咳が出る。心下部・右季肋部に鍼をすると右胸にひびく。咳が思い切り出るとすっきりしそうな感じがするとのこと。
・第四診(十二月二十四日)しびれ感はとれたが違和感はある。耳鳴りは少しある。右の背腰部がつらい。右の唾液が出にくい感じがある。右頬の圧痛あり。頬の細絡から刺絡を加える。
・第五診(平成二十九年一月四日)耳鳴りは気にならない位。瞼が重く目の上部圧痛あり。右下顎下と耳下のリンパの腫れがいつもより感じるとのこと。目の上部は邪を抜くように散鍼。耳後ろの細絡から刺絡。熱を取るように刺鍼。腫れが引くような感じがあった。
その後の身体の状態を聞くと、初診の時のしびれ感はその後出ていない。全体的に身体の疲れ具合が減っていて、階段を上るのが楽になるなど体力が上がってきている感じがするとのこと。
  
 【考察】
サルコイドーシスは多臓器疾患であり類上皮細胞肉芽腫は全身のあらゆる臓器に見られる可能性がある。神経に出れば、顔面神経麻痺発症もあり、リンパ節に出れば腫れることもある。下顎下のリンパ節の腫れや後頭部・側頭部のしびれは、肉芽腫がリンパ節や大後頭神経、小後頭神経等に現れそこで活動しているものと思われる。気血の流れの悪い所や機能低下した所に肉芽腫という毒ができ、そこに外邪が入ったり、ストレスや過労によりその毒が揺さぶられたり、胸腹部の毒が揺さぶられてそこへ波及するものと、どれもあるのではないかと思う。
  
所生病的是動病を具体的にイメージでき、とても勉強になりました。
  
  
4・実技稽古
今月は中伝組、初伝組の混合での稽古です。
  
  
  
  
5・連絡事項
・フォローアップ講座は来月はお休みです。次シリーズは4月から始まります。
・機関誌「いやしの道」がもうすぐ完成する予定です。横田観風先生の傷寒論の講義も存分に掲載されていますので、会員の皆さんは必ずお買い求めください。来月の月例会時から購入可能です。会員価格は3000円〜3500円の見込みです。
(文責:中川)
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