いやしの道協会ブログ

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4月 東京月例会

1.静坐
坐禅、正座で心を整えます。三輪先生から、「何があっても動じてないように」とのお言葉。

 

2.講話  朽名 宗観先生
「ことばが『養生』する 〜アメリカ先住民の口承詩を例にして〜」

 

 

「養生」とは「生を養う」「いのちを養う」ということです。
なので、「ことばが『養生』する」というのは、ことばがいのちを養うということ。
ことばがいのちを養うような力を与えていくというのは、どういうことなのか。
この時間では、それを、アメリカ先住民の口承詩を見ながら考えていきます。

「講話」というのは、鍼灸治療の技術的なことだけではなく「いやしとは何か」「いやしというのはどういうものなのか」を考えていくための時間でもあります。

 

そもそも日本の古方漢方家というのは半分以上が儒学者でした。吉益東洞も、山脇東洋もそうです。
儒学の基本科目は詩、書、礼、楽の4つ。
詩と音楽が必須だというのは意外ではありませんか?

詩で学ぶのは、中国の最も古い漢詩を集めた『詩経』で、日本で言うと『万葉集』にあたるものです。
そして、『詩経』を伝承していったのは瞽師(こし)という盲目の楽師でした。つまり、口承であったのです。
古代のリズムに乗って、耳から入ってくることばとして、学んでいたのです。

一方、北アメリカ先住民は、19世紀にアメリカ合衆国によって奪われ支配されるまで、一万五千年以上にわたって無文字文化を継承してきました。彼らの様々な知恵を伝えていくために数々の口承詩がありました。
それを見ていくことで、『詩経』を伝承してきた様が感じられるのではないか…。
ということで、色々な例を挙げていただきました。

 

●音声言語由来の心と文字言語由来の心
精神科医・神田橋條治先生は、文字言語を持たない人には心身症はいない、との説を唱えられているそうです。
音声言語由来の心(心1)は、生理的な世界と一致した精神機能であり、
文字言語由来の心(心2)は生理的な世界と切り離されて、抽象性が高くなり、頭との親和性が高いそうです。
文字言語由来の心(心2)が音声言語由来の心(心1)にプレッシャーをかけることが、心身症を招く原因となるというのです。
現代社会で生きていくためには、もちろん文字言語由来の心(心2)も重要ですが、音声言語由来の心(心1)を充実させていくことで、バランスをとっていくのが良いのではないか。とのことです。

 

●今回紹介してくださった色々な例
・「ヴィジョン・クエスト」の実際〜スー族のメディスンマン レイム・ディアーの場合〜
・北アメリカ先住民のことば 若い戦いの神の歌(ナバホ族)
・子どもの訓練(ルーサー・スタンディング・ベア)(ラコタ族)
・『平成狸合戦ぽんぽこ』

『平成狸合戦ぽんぽこ』にそんな深い意味があるとは…。是非、観てみようと思いました!

 

 

3・症例検討会 井上 泰観先生
「十月になると起こる腰痛」
今月は、関西支部の井上先生がいらしてくださいました。

 


【はじめに】これは十月になると腰痛を起こす患者で、自分では意図しない治り方をした症例となる。
【患者】二十一歳男性。身長一七〇センチ程。やせ型。鉄工所勤務。
【初診】平成二十九年十月五日。
【主訴】腰の痛み。
【現病歴】二週間ほど前から腰の痛みが起こった。腰痛になる様なこころあたりはなく、風邪を引いた覚えもない。痛みは最初に比べて強くなっている。痛みは左右両方だが、左の方がより痛い。昨年、初めてこの時期に今回のような腰の痛みが起こったが、その時は整体にいって痛みが無くなった。それで今回もいってみたものの改善が見られず鍼灸治療を受けてみたいと来院。病院で検査は受けておりMRIでは異常なく原因は不明と診断された。痛みのせいで仕事を二週間休んでいる。
【既往歴】特になし。
【増悪因子】歩行時に痛み、治療院でベッドに向かう時もゆっくりそろそろと歩いている。特に階段はつらい。また動かなくても同じ姿勢で二十分ほど横になったり座ったりしているだけで痛くなる。前屈、後屈など腰の運動はほとんどできない。

【診察所見】
〈問診〉食欲あり。二便異常なし。睡眠中に寝返り時の腰の痛みで、二回ほど目が覚める。足の冷えあり。
〈脈状〉実、数。尺はやや虚。大きな左右差は無し。
〈舌状〉舌尖紅。舌下静脈怒張。舌を出すときにふるえており、小さくペロッと舌の先のほうしか出せない。
〈腹状〉腹直筋の拘攣あり。また胸から臍あたり(主に右)にかけて熱くザワザワした感じがする。心下部はやや硬いが指は入る。下焦はやや虚。押すとくすぐったがる。
〈背候診〉肩から肩甲間部にかけては皮膚がザラザラして赤みを帯びたまだら模様っぽく細絡が多い。T10からL3あたりにかけて左右緊張していて熱感がある。痛みの最も強い左の腎兪あたりは熱くビリビリとしている。

【診断】主訴の腰の状態以外で気になったのは胸部から腹部にかけての熱感と舌診時の舌の出方やふるえ。腰の状態の悪さに比べて胸部は熱っぽいもののそこまでビリビリしているわけではないが、この胸の邪熱が腰に波及して痛みを起こしているのかもしれない。舌のふるえは初めての鍼灸治療で緊張している可能性も考えた。これらをふまえ最初の診断では病のメカニズムの第五段階とした。

【治療方針】まずは腰部の邪熱を除き、筋の緊張をゆるめて循環を促していく。これは腹部からもアプローチしていく。それとともに胸から腹にかけての邪を散じていく。

【治療経過】治療は寸六、三番のステンレス鍼で行う。鍼灸治療は初めてという事なので、様子をみながら軽めの刺激で始めていく。まずは仰臥位で内関から気を手に引く。次に散鍼で胸腹の邪を散じる。次に腹部の圧痛のあるスジバリを二,三ミリ程度の深さで、撚鍼、雀啄してゆるめていく。このとき左天枢辺りでビリッと邪気を感じる。
 次に伏臥位にて、一番痛みの強い左腎兪辺りを中心にして腰部全体に散鍼、切皮を繰り返し邪熱を瀉していく。この段階で腰全体にあった邪はほとんど無くなるが、左腎兪辺だけに限局して残っている(十→六)。こののち足に気を引き温めるために湧泉に半米粒大の透熱灸を三壮する。
 ここで腰を動かしてもらうと、左に痛みはあるものの可動域は拡がっており(前屈三十度→六十度、後屈は変化なし)腰が軽くなったと言う。立位で右後谿を使って運動鍼をして終了。
 治療後に一緒に来ていた父親と話していると、「精神的な問題ではないか」という。舌の出し方をみてもその可能性はあるなあ、と思いつつも時間もなくそれ以上は話さなかった。

 

・第二診(十月十日)治療効果が続かなかったのか、期待ほどではなかったのかわからないが、二日ほど前に整体に再び行き、逆に腰の状態が悪化してしまったという。痛みの範囲や強さはほぼ初診時に戻っている。治療は基本的に前回と同じだが、左腰には前回よりもやや深めに刺して邪を引きぬくようにしていく。また邪を去る目的で左腰に刺絡を行う。治療後は左腎兪辺を除けば楽だという。腰の可動域も前回同様拡がり、歩行も五割くらいは良くなっているように見える。
治療後に再び父親と話すとストレスの原因は秋祭りの年少者への太鼓の指導役になったからではないかと言っている。これは昨年から役についているらしい。患者の住んでいる地域の秋祭りは仕事を休んで参加するほど盛んで、指導役は責任重大だそうである。

 

・第六診(十月二十四日)二日前は秋祭り当日で腰の調子は良く、当然神輿は担げないが無事に参加はできたという。しかし翌日から再び腰の痛みが悪化。

 

・第七診(十月三十日)腰は痛いが夜がよく眠れるようになったという。また会社にも出勤するようになった。左腰の邪はあいかわらず強い。

 

・第八診(十一月十一日)会社で紹介された接骨院に行ってから腰の状態が悪化し、再び夜に痛みで目が覚めるようになった。左天枢に圧痛あり。治療は同じく胸腹と腰部を中心に行う。またこの時から側臥位にて左腰へ十分ほど置鍼を加える。

 

・第九診(十一月十五日)少し歩くのが楽になってきた。置鍼中はよく眠っている。前屈以外の腰の動きは改善している。

 

・第十一診(十一月二十八日)腰の痛みがかなり改善している。前回もいつもと同じような治療をしたのだが痛みは左腰の一部分のみで、初診の状態からすると三割程度になっている感じがする。会社での残業もするようになった。
 治療後に父親に何か変わったことがあったのかと聞くと、心療内科でもらった抗うつ剤を二週間ほど前から服用していると聞かされる。昨年の腰痛時もその薬を飲みはじめて良くなってきたそうだ。心療内科には日頃から通っているわけではないという。最初の問診時には整体に行って治ったと言っていたのだが。

 

・第十二診(十二月十二日)調子はよく腰の痛みはほとんどない。最初の痛みに比べると一割程度か。やや遠方から来られており治療のために仕事を早退しなくてはいけないことと、父親による送迎が大変なこともあり、ここで治療は終了となる。

 

【考察】第十一診で腰痛が劇的に良くなっていた。もちろんそれまでの鍼灸治療の効果もあったとは思うのだが、腰の症状が良くなったタイミングと抗うつ剤を服用しだしたタイミングが同じだったのは精神面の状態が腰に影響していたのだろう。最初は病のメカニズムの第五段階で胸の毒が腰部に影響を及ぼしたのかと考えた。しかし胸に触れた時の邪は毒性化増大しているというような特別な感じはせず散鍼でいつもすっきりしていた。だとすれば第五段階ではなく所生病的是動病だったのか。祭りの指導役というストレスを受けた時に胸にあった毒が動き、そこから発生した邪が腰痛を起こしたとも考えられる。
 私自身の課題としては、あまり症状に変化が無く壁にぶつかっている気持ちになってしまったことがある。その焦りは患者に伝わっていただろうし、それが他の治療にも手を出させた一因でもあるのだろう。あとは胸の毒による所生的是動病として肩甲間部の触診をもっと細かく見ておけば、なにか治療のポイントがあったかもしれない。肩背部への刺絡もしておけばよかったかと今更ながら思う。

 

【質疑応答】
・(質)腰痛ということなので、一般的な診断、例えば、棘突起間、脊際、一行線、二行線の圧痛や、腸骨稜の際、仙腸関節の圧痛などはどうでしたか?
→(回)SLRなどは実施したが、病因でMRI検査をして異常がなかったということで、そこまで詳しくみていません。
→(質)圧痛点の分布とか、腰痛の原因が筋肉由来か関節由来か、障害部位が具体的にどこなのか…。痛いところが痛みの元なのか、原因は他にあるのかは痛いところを圧せば分かると思うのですが。
→(回)圧したとは思うのですが、特筆すべきことはなかったと思います。
→(質)ということは、痛い箇所が原因ではなかったということではないですか?
→(回)痛い箇所は実している感じが強かったので、あまり圧せる感じではなく、そんなに圧せていません。ただ、触った感じ、そこが一番邪が多いというか強かったです。
→(質)悪いところに鍼すれば良いわけですが、「どこが悪いところなのか」というのをはっきりさせないと、「悪いところに鍼する」ということが難しいと思います。

 

・(質)お肉とかお酒を取らないということですが、胃腸の弱いようなところもありますか?
→(回)あると思います。

 

・(質)胃腸の弱さによる症状は何かありましたか?
→(回)特に症状があるわけではないが、強くはなさそう、という感じです。

 

・(質)お祭りには参加できたとのことですが、会社は依然として休んでいたのですか?
→(回)はい。休んでました。
→(質)太鼓を打つこともできたのですか?
→(回)ずっと打つわけではなく、やっている人達を見回るような感じです。
→(質)この時の痛みの度合いは、出られる程度に治まっていたということですか?
→(回)一日中動き回っていたそうです。

 

・(質)患者のお父さんから精神的な問題かもしれないということを聞いてから、何か変えましたか?
→(回)こちらからは話を投げかけてみて、話したかったら話してもらえるようには心掛けていた。実際の治療においては同じです。邪を見て、それを抜いていくという。

 

・(質)初診時に、ゆっくりそろそろ歩くという様子がありますが、会社に行けるようになった時もその状態だったのですか?
→(回)書いていないのですが、3診目には普通に歩けるようになっていました。
→(質)それは是非書いて欲しい情報です。明確な改善の情報なので。
→(回)すみません。

 

・(質)抗うつ剤はいつ飲み始めたのですか?
→(回)明確にいつとは聞いていないです。
→(質)大体9診の頃ですかね?

 

・(質)心療内科に行くということは、よっぽどのことだと思うのですが、不眠があったり他に何かあったのですか?
→(回)特にある感じはないです。

 

・(質)左腰の邪は、症状が良くなっても変わらなかったのですか?
→(回)左腰の邪だけは、ずっとこんこんと沸き出してくるように、ずっと変わらずありました。
→(質)かなり良くなった11診の時もですか?
→(回)11診の時は、あるけれどもかなりましになっていました。
→(質)左腰の邪が腰痛のポイントだということは間違いないという感じですか?
→(回)そう思いました。

 

・(質)ガスの感じとかはどうでしたか?奥の方触るのかわいそうだな、という感じで触らなかったかもしれないのですが、大棗のすじばりとかはありましたか?
→(回)ガスっぽさは感じませんでした。特に水毒で冷たいことろも感じませんでした。

 

・(質)初診時に「左天枢辺りでビリッと邪気を感じる。」とあり、又、8診に「左天枢に圧痛あり。」とある。これがポイントなんじゃないかなと思うのです。左腰の邪気をとってもとっても沸き出してくるというのは、奥の方からどんどん出ていたのではないかと思うのですが、いかがでしょうか?
→(回)初診でビリッと来たので、「大分抜けたかな」と思ったのですが、その後の経過を見ると抜けてなかったのだと思います。そこに毒があって、そこから邪が出てたのかなと今は思います。

 

・(質)診断のところで胸の邪熱が波及して腰に痛みを起こしたと書かれています。また、抗うつ剤が効くということを考えても胸の邪熱が関係していたと考えられるのですが、胸の邪熱の変化についてはどうですか?
→(回)最初の頃は熱い感じで、2、3回治療していくうちにグッと減りました。

 

などなど、ここに書ききれないほど活発な質疑応答がありました。
井上先生、ありがとうございました。


4・実技稽古
今月は中伝同士、初伝同士での稽古です。

 


5・連絡事項
・指導者になられた伊藤 翠観(すいかん)先生に認定証が授与されました。

 

おめでとうございます!

 

 

(文責:中川)

| 例会 | 16:43 | - | -
3月東京月例会

3月18日 根津七倉会館にて東京月例会が行われました。

 

静坐

静かに集中して坐ります。

 

 

講話    村田 底観 先生

 

本日は関西支部より支部長の村田底観先生に御越し頂き、厳冬期

の坐禅体験についてお話頂きました。

 

 

村田先生は筑波山麓にある、八郷研修所において約十年程、横田

観風先生の指導を受けておられます。

筆者も四年程村田先生と一緒に指導を受けさせて頂いております。

(先生にお茶をたてて頂く、八郷接心にて。)

 

大浦先生、朽名先生、昔の先輩達の頃は接心と言う一週間程坐禅に

打ち込む修行を御寺等でされていましたが、村田先生にはそういう

経験が無い。その事に負い目と言うか引け目と言うか、そんな事を

感じていたそうです。

そこである老師を頼って、滋賀県の山奥まで一週間の坐禅修行に赴

かれたそうです。

 

接心に向かわれる前に、奥様・お子様を奥様の御実家へ送られ、歓迎

され沢山御馳走を食べお酒も沢山飲まされ、尚且つ風邪を引きそんな

状態で参加されたそうです。

 

接心では室温が薪を焚いても5℃位にしかならない所で、長い時間坐り

続け咳が止まらなくなってしまったそうです。

 

そんな中、老師か言われたある言葉に感動し、涙が止まらなかったそう

です。

 

村田先生は長い坐禅を通して、御自分を見つめ直された訳ですが、これは

長く坐禅をする事が出来ない方でも日常生活において出来る事です。

自分を見つめ直して反省し、成長して行く事が良い治療者としての道では

ないでしょうか。

 

 

症例報告  市川 友里 先生

 

(はじめに)、この症例は今までのように完治しましたという症例では

ありません。現在も入退院を繰り返している状態です。

【初診】平成二九年一〇月二三日。

【患者】男性・七七歳・身長一七〇僉β僚展渕鍬圈元来食が細く

胃腸が弱く、痩せてねこ背。

【主訴】腹痛。

【現病歴】平成二九年一〇月二三日現在。

二九年六月七日排便時に力み、その後「下腹部が絞るように痛み」病院へ

行く。六月九日「貧血」の為、血液内科受診。更に六月一三日、別の病院

の血管外科へ回された。六月一六日入院し、胃、大腸、肺、心臓の検査を

した結果、病名の付くものは無かった。退院直前に病院のシャワーを使用

した時、急に腹痛を起こした。その時お腹の中でバリンと何かが落ちたよ

うな感じがし、以降一ヶ月位痛みは無し。その後起こった二回目の腹痛は

、一週間位で止まった。三回目は一〇月一〇日夕方から痛くなり、今も続

いている。その間、七月から月一度七日間入院をして抗癌剤を三クールし

た。明日から四クール目になるが、血球が少ない状態。本人から病名を言

おうとしないので、病院の検査結果の持参を依頼した。

【既往歴】

‐学低学年の時、右足小児麻痺の手術。∋綾渋紊念瀋掾腓砲覆蝓一ヶ

月入院をして食事療法で治癒。J神二〇年、大腸癌を内視鏡で取る。

腰痛を繰り返し、平成二五年に来院、その時は四回の治療で完治。ナ神

二八年四月一一日、左右の肩痛で来院、三回の治療で終了。

【初診時の総合所見】

・脈診・・・左右とも沈脈で尺脈弱。脈力が乱れており、右は少し沈めて寸

関を取れ、左は深く沈めて寸・関が取れた。

・舌診・・・舌体紅。中央全体に分厚い白苔、特に左右に片寄って厚い。

・腹診・・・顔、胸中熱感が強く心煩。季肋部脹満で呼吸浅い。心下痞鞕。

臓下垂し、痩せ細った腹筋が筋張ってなめし革様。下腹は虚寒。左下腹部

に便塊があり、下半身は冷え膝下は極端に冷たい。

・背診・・・右側が頸・肩・背中・腰まで凝り突っ張り、左右とも腰全体が黒

く硬い。

・患者の体質は少食で食べむらがあり、瘦せ型で虚弱。便秘と下痢、頻尿がある。

【診断】

上熱下寒。衰えた筋肉に十分な血液がいきわたらない病気になっていること

を伺がわせられ、少陰病状態と判断した。

【治療方針】

 頭部から胸部の熱を散らし、腹部の強い虚寒を和らげて痛みを取り除き、気

の上逆を治める。さらに、腹部及び背部の拘攣をゆるめ、下肢を温め、胃腸の

機能を賦活する。

【考察】

「骨髄異形成症候群」とは、骨髄の造血幹細胞が異常を生じ、十分な血球を作れ

なく、血液中の血球が減少してしまう病である。抗がん剤を使用して異形成の芽

球を除くため、七月から一二月まで月一回一週間入院して治療。持参された昨年

六月一六日から今年二月一九日まで八回の血液検査データーをグラフ化してみた。

鍼灸治療は一〇月二三日から一月一五日まで。経過として、白血球は減少から回

復に転じ、赤血球は回復中、血小板も回復中。特に一二月末に抗がん剤治療を止

めて全数値が上昇に転じた。継続的に鍼灸治療を続けたら白血球の増加が見込ま

れたかもしれない。下痢が止まらない為再入院した。メールにて様子をまめに連

絡してきている今回の患者さんも過去消化器が弱く、少食かつ偏食であった。

五年前に腰痛で来院した時、すでに硬いお腹で治療をしたが、あのまま鍼で賦活

させていたらこの病気には至らなかったかとも思う。今回、患者は焦りから家族

への相談もなく自己判断で無暗な治療を重ねてしまったため、私も振り回されて

しまった。衰弱して冷えが強く栄養状態も悪い患者なので、退院後は脾胃を中心

に身体全体を少しずつ丈夫にできるよう治療していきたい。

 

実技

自分の課題をクリアーする為に、指導者に点検して頂きますが普段の工夫が問わ

れます。学生の方々は国家試験が終わり疲れが溜まっていたにも関わらず、一所

懸命取り組んでおられました。

 

文責  森  勝

 

 

 

| 例会 | 12:46 | - | -
2月東京月例会
2月18日 日曜日、月例会が行われました。






会場:千代田線根津駅近く、七倉神社境内の七倉会館です。

○静坐

いやしの道の月例会、静寂な空気漂う中、20分間の静坐から始まります。



○講話
「盗む・変化・統合」原田修観先生




昨年の合宿は、横田観風先生が参加して下さいました。
関西支部の石部先生を治療する技を皆で見せて下さった時のこと、、、
観風先生の治療を拝見できる滅多に無いチャンス!とばかりに、皆で前のめりに目を見開きました。
もちろん皆さん、その時の記憶ははっきり残っています。

ですが原田先生は…
果たしてどれだけの人が、合宿での観風先生の治療の進め方や鍼の技術、一挙手一投足、一つのこらず全て鮮明に記憶しているだろうか?と…投げかけられました。

「真剣に見ているつもり、だけでは技を盗む事は出来ない。
教えてくれる技、盗ませてくれる技、盗んだ技、それぞれ違う…」




若かりし頃の観風先生のご指導についてのお話が飛び出したり、原田先生から質問を投げかけられた山野先生からは、与えてもらう学びを自分のものにするのに不可欠なのは、その後の自身の努力次第…
と、お話が続きました。








模擬実技では、いろんな鍼の方法を拝見しながら、技術のポイントを教わりました。
散鍼は、チョンスーチョンスーチョンチョンスーと、リズミカルに。
「盗んだ技を統合する。
鍼先が自分の身体の延長であるよう、結びつくよう練習を重ねる。
そして、微調整していろんな手の内に変化させる。」




「常に疑問を持つこと。
目的意識をしっかり持つこと。」

さあ、一つでも多くの技を盗めるよう、受け身ではなく能動的に、合宿や各勉強会に挑みましょう。



○臨床発表
両側人工股関節全置換術後の冷えの症例          
牛尾宣子先生(指導教授:山野鵬観先生)

【はじめに】患者さんの診察の際、主訴をふまえ体を診ていくが、診察の技術の未熟さと知識の不足もあり、診察から診断し、治療に結び付けていくことが難しいと感じることが多い。今回の症例から、こうした方が良かったと思える点を振り返り、今後の診察の工夫としたいと思い症例に取り上げた。









【初診日】平成二九年二月二七日 【患者】七一歳女性、既婚。 【主訴】のぼせ、鼠径部から膝にかけてのピリピリした痛み。 【現病歴】平成十年頃より腰痛と膝の痛みがあった。ブロック注射などを受けていたが、痛みは取れず、先天的に股関節が悪いのが原因でしょうと、平成二十年右人工股関節置換の手術を受ける。その一年後に左の股関節も同様の手術を受け、それまでの痛みは改善された。股関節部のROMほぼ問題なし。歩行も普通であった。数年前より歩行時など鼠径部から膝にかけてピリピリした痛みを感じるようになり、現在は、リリカ2回/1日、セレコックス2回/1日内服。(痛みが酷くなるのが心配で、毎日痛み止めを内服)。腰と膝は整形外科的には問題がないと医師より話されている。 【既往歴】四十五歳高血圧、降圧剤内服中。五十歳軽い脳梗塞で点滴治療を受けるが後遺症などなし。その後、言葉のでにくさがあり受診、高脂血症の薬を処方される。胆石の為、経過観察中。六八歳良性発作性頭位めまい症。 【個人歴】旅行好き。普段から家にいるよりも外出し、喫茶店などで過ごすことが多い。 【問診事項】夜間痛はなし。上半身に汗をかきやすく、のぼせあり。顔が熱い。足とお腹に冷えを感じ、腰から下が酷く冷える。 睡眠・眠れないことが心配なので眠剤を服用。便・ビオフェルミンを内服し一日/一回。食欲・有。ぽっちゃり体型。のどは乾かない。 婦人科の疾患はこれまでない。 【軽快因子・増悪因子】痛みの増悪:同じ姿勢で坐っていること。 長時間の歩行。軽快:マッサージを受ける。 【脈状】右寸浮(強すぎず、弱すぎず)両尺が触れにくい。 【舌状】薄い苔、湿潤、歯痕なし。 【腹状】腹満あり。→後にこれが腹張満とご指摘いただいた。 【背候診】首から腰にかけて起立筋の張りが強い。志室辺りに硬結。 【その他】両股関節、膝に熱感なし。手術創から膝にかけて、触れると圧痛あり。下肢は温かい。頭に熱感あり。 【診断】股関節の手術の古血があり、歩きすぎると、毒がゆさぶられ、大腿外側、鼠径部から膝にかけて痛みが出てくる。大腿から下肢へ向かう気血の流れやリンパの流れが悪い。下焦が虚している為、上衝もあり、のぼせが起きている。 【治療方針・治療内容】下焦を補い、気血の巡りを良くし、鼠径部から膝にかけての痛みを取る。上衝しやすいと判断し、基本の型の逆順で治療。初回なので軽めの施術とする。寸三・一番使用。 頭部の熱を散鍼、首、肩のスジには軽めに単刺。背中のスジバリにも単刺。腰の志室あたりの硬結には深く刺入し響かせる。大腿に響く。腹部は、両大巨、関元、中脘に接触鍼で補う。右大腿、鼠径部から膝まで接触鍼。左も同様。両下肢に引き針。手に引き針。終了後のぼせはなくなったが、冷えている。真寒仮熱、誤治?ピリピリした痛みは、変わらず。 【経過】 ・第三診(四月二十日)主訴は肩こり(鎮痛剤の使用で、鼠径部から膝の痛みは、PS5/?)脈は浮き気味だが、腹部と下肢の冷えなどから陰証と判断。腹部を温める治療に変更する。 ・手に引き、腹部は、冷えのある関元に深く刺入し捻りながら温める。中脘、右側腹部、鼠径部の圧痛点を単刺、関元に台座灸。温めるそばから腹部に発汗あり。鼠径部から膝まで接触鍼。胆経ラインの圧痛点に単刺。足に引く。背部は、肩甲間部から腰まで単刺し、硬結を緩め、台座灸。大椎周りの盛り上がりと肩のスジを緩め、気を巡らす。 ・第四診(五月一六日)主訴は、腰と右鼠径部から膝までの痛み。 金沢への旅行で、内服薬だけでは痛みがとれず、ロコアテープを使用し、PS?から8となる。腰と右鼠径部から膝までの痛みを軽減し、腹部を温め、気血の巡りをよくする。 ・右手に引き、腹部は前回と同様。右大腿内側から内果まで接触鍼で気を巡らし、股関節外側の熱を散じ、外果まで単刺。侠渓に引き針。大腿内側に点灸。背部の張りに単刺。腰の硬結に対し、交しょ管でゆるめ、深く刺入し響かせる。その後台座灸。両崑崙に引き針。肩首を緩める。治療後、腰は楽になる。発汗あり、上は熱く、下は寒い。 【考察】初診では、自分が考えている状態と患者の状態が違い診断に迷った。陰証の診断が出来ず、真寒仮熱も分からず、誤治となってしまった。この様なときどうしたら良いのか。初診の腹診では、緊張がある事を考え、それが分かった段階でまず一本手に引き針をして、再度腹診しても良かったと思う。下肢や背部に触れても冷えを感じなかったが、患者の訴えは腰から下が酷く冷える、なので、便秘は無く、婦人科の疾患もない。血毒の熱よりも冷えのぼせと判断できたら良かった。そしてまずは、基本の型で治療に入るのが良かったと思える。 三診でやっと腹部の冷えと虚がわかり、陰証と判断することができた。先に温めることを試みたが、すぐ発汗し冷えてしまい、下肢まで温めることが出来なかった。これは下肢への気の滞りが強度であると思えるが、それは人工関節が入っており、その周りの循環がひどく悪いためだろうか。下肢にしっかり気を通すことが出来たら、温まり方も違い、お腹で発汗しなかったと思える。ただ主訴が肩こりなので、それを主に治療できたら良かったが、他をやりすぎたと、今は考えられる。 四診は、旅行したことで、循環不全がおこり、古血の毒性化が増大したためか、股関節部に邪熱が感じられた。これまで股関節部は冷えている事が多かったが、これは痛み止めを内服していたことによるものだろうか。山野先生が、「いやしの道」十五号に書かれているが、この方の痛みも始まりは腰痛からであった。訴えも腰と膝である。そう考えれば自ずと治療の方法が見えてくる。鼠径部の圧痛、大棗のスジバリを見つけ、それを緩めていれば、下肢への巡りも良くなったのではないかと思う。 症状がいろいろあると、情報が多くなり迷うが、治療の原則、優先順位を考え、治療できたらと思う。また活字では知っているつもりでも、実際の患者さんの状態と一致しないことは問題である。経験を積みながら、しっかり学びたいと思う。

《質疑応答より》
・腰が痛い、と一言で言えども、人によって様々な場所を言ってる事ある。
・主観か客観か、発表資料を記載する時は気をつける。
・本人の言葉だけを信用せず、見たり触ったりで、自分はどう感じるか。
・腰と膝が痛い時は、仙腸関節、鵞足、膝の裏側を必ず診る。
・陰証か陽証か。
・坐骨神経痛には心因性もある。





○実技稽古

入門・初伝・中伝に分かれて、指導して頂きます。
















○お知らせ
・4月から「初伝フォローアップ講座(仮)」が始まります。
日時:月例会の同日午前10時〜12時
対象者:初伝入門講座を修了した方。
テーマ:西洋医学的な事や、整形外科的な検査法等、いやしの道の治療法の中でどうやって使いこなしていくか。
詳細は、3月の月例会時に発表される予定です。


・来月、いやしの道18号が発刊されます。(予定価格は3000円〜3500円)
※横田観風先生の臨床録が、なんと100ページも含まれています!


次回の月例会は、
3月18日 日曜日
14:00開始(受付は13:30〜)
七倉会館にて行なわれます。






(文責:田原)
| 例会 | 20:18 | - | -
1月 東京月例会

真冬の透き通った青空のもと 2018年はじめての東京月例会が 1月21日(日)根津 七倉会館に於いて おこなわれました。

 

1.静坐

身・息・心の調和のため 20分ほど 静かにすわりました。

 

2.講話

安田無観先生「私がいつも治療で目指しているところ 鍼の響きについて」
安田先生が日々の臨床で目指していらっしゃる理想の「鍼の響き」について 実演を交えてお話しいただきました。

 
「鍼の響きについては、以前にも『いやしの道機関誌』に執筆したので、是非読んで頂けると有り難い」  

『いやしの道機関誌』に掲載されてる内容  
・響きにはいろいろな強さがある
・響き方にはいろいろな種類がある
・「気が至る」とは  

「最近思っていることは、響きは波ですね、波動、なので波長があったり周波数があります」  

昔のラジオの様 周波数のダイアルを同調させることによって音が聞こえてくる様に 或るひとつのツボに鍼をしていくときも いくつか響く層や周波数がある ということをお話しいただきました。  

「ずどーんとくる響きは、患者の方も術者もわかるけれど、波長が小さいのか短いのか分からないが微細な響きというのは、患者の方にはわからないこともある。
私は、どんな響きも術者が感じ取れることが大事なのではないかなと思っている」  

或るツボに刺すと いろいろな段階の響き・反応がある中でも特に 今現在只今その状況で患者の方が一番欲している響き というものがあり、  

「そこにくると(痛いという意味では無く)ものすごく響きの度合いも強いし効き方も強く ”気持ちいい、あ−、気持ちいい” という響きが、このいくつか響く中であるはずで、それに同調させて響かせると一番効果的ではないかな、と、いまそういう風に思っている」  

日々の臨床で鍼を刺鍼している最中に 患者の方に ”ああその鍼が気持ちいい” と言ってもらいたい そういった野望をもちながら日々臨床に携わっていらっしゃるそうです。  
はじめての患者の方の場合は なかなかそううまくいかず難しいと思っている と仰っていました。  

「鍼の心地よさ、醍醐味を鍼灸師のひとたちもからだで知ってほしい」
と 時間の許すかぎり鍼をしていただきました。

 

 

 

響きとはなにか そのときいちばん心地良い響きの鍼を打つとはどういうことか 目指すところを持ち日々試行錯誤するということ 鍼の醍醐味を味わうことについて といったことを考える機会となりました。

 

 

「あー、緊張した」

 

 

3.臨床検討会

坂井敏恵先生「頭痛発作と神経症既往の体質改善」
主訴として頭痛発作があるモデル患者(同僚の鍼灸師)の方が 治療時は症状が治まっている状態であったため その時の愁訴と体質の改善として治療した症例を発表していただきました。

「痰症」「肝症」(『鍼道発秘講義』)とはどういうからだの状態なのか 体質改善を目的とした治療とは 等 考える機会となりました。

【患者】男性 42歳 身長167 体重56
【初診日】平成29年10月17日
【主訴】頭痛発作(初診日は頭痛なし。)
【初診時その他の症状】鼻づまり、鼻水(透明)、右股関節痛、右腰痛、排尿痛。
【現病歴】20歳前後から、眼の奥にガーンと電撃痛が来る頭痛発作が始まり、1〜2年に一度位の頻度で起こるようになる。発作時は右目から後頭部天柱の辺りまで膀胱経が痛み、身体が熱くなり、汗が出て、上の衣類を脱ぎたくなる。右目から涙が出て、右顔面に力が入って歪む。ひどいときは数時間動けない状態になる。一度発作がでると2週間から1か月ほど出たり消えたりして治まる。
9月上旬から10月上旬くらいの間に、何度か、頭痛発作が起こった。その後発作は治まっているが、軽い頭痛が時々起こる。
幼少期から鼻づまりと、膀胱から尿道にかけての痛みと違和感、排尿痛もあり、冷えると重くなる。泌尿器科では異常なしと診断される。
24歳頃、右腰痛と右股関節痛で腰椎椎間板ヘルニアと診断される。
現在は腰痛と股関節痛はそれほどでもないが、数日前にたくさん歩いて右股関節が痛くなった。
【既往歴】幼少時アトピー性皮膚炎でステロイド剤を塗布していた。ゼイゼイする喘息の気もあった。幼少時から時々不安になることがあったが、15歳受験前の正月から毎日、動悸・不眠・不安感・疲労感・頭痛などが出るようになる。病院で、デパス・アナフラニールを処方されるが、薬を飲むと余計に具合が悪くなるので止める。潔癖症やパニック症のような時もあり、数年後違う病院で強迫神経症と診断される。手荒れを治す為に行った病院で、神経症状の治療に移行し柴胡清肝湯を処方され(後に燈心草、竜眼肉が加味される)、3年程通うがあまり改善されない。28歳頃、入江式鍼灸治療を受けてから身体が良くなってきて(匂いが感じられるようになった等)、その後、冷え取り健康法(靴下の重ね履き、半身浴、飲食の改善、自分本位の考え方をやめる等)をやるようになり、ぐんと身体と神経症状が快方へ向かい、現在神経性は安定している。
【診察所見】脈診/左の方が少し強い、少し硬さあり、尺弱い、やや数。舌診/胖大、舌苔:やや黄色、舌下静脈怒張あり。胸腹部/季肋部の張り(盛り上がり)あり。両腹直筋拘攣。小腹不仁。胸骨脇、季肋部に圧痛あり。右肋間に細絡あり。背腰部/肩甲間部細いスジバリ(圧痛有り)。足部:冷えている。両母趾・示趾間と踵内側にびらんあり(水疱が出来て破けるようなかんじになることがある)。頭部/右天柱辺りにスジバリ(圧痛有り)。

問診他/大便:毎日あり(ゆるめ粘着性がある便)、日に数回の時もある。小便:排尿痛は気になるほどではないがある。睡眠:問題ない(お休みの日など長いときは10時間くらい、短いときもあるが気にしていない)。食事:朝、昼抜くこともある。飲酒:3、4年前くらいから少し増えたが、毎日飲まないように気をつけている(主に常温の日本酒、2合程度)。食事を朝昼抜いた時に酒量が増えてしまう。お酒が続いたり、精神的にイライラしたり怒ったりすると頭痛がでやすい。頭痛が出る前や後に頭痛が出る所と関係する膀胱経や肝経の、足の方に痒みなどが出やすい。半身浴などで身体が温まった時などに軽い頭痛が出る時もある。

【診断】やや胸脇苦満と胸などに瘀血、水毒体質、下焦の虚があり、情動の変化や飲酒などで、鎮静化している毒が熱を持ったり動揺すると上衝して頭痛として現れる。
【治療方針】下焦の虚を補い、上衝を起こしにくくし、胸や腹、後頭部の筋を緩め気血の流れをよくして、瘀血、水毒を減らしていく。
【治療経過】(寸6・3番鍼使用)(頭痛発作が治まっていたため、一度を除き、基本の型で治療)
・第1診(10月17日)
右手心包経・大腸経に引き、下腹に補法。季肋部の圧痛、スジバリ、腹直筋を緩めるように刺鍼。肩甲骨間のスジバリ、左腰部の硬結、左右仙骨脇、右臀部圧痛に刺鍼。右股関節に響きお腹も動く。右天柱辺りのスジバリに刺鍼。左足太衝に引き鍼。治療後胸の辺りに痒みが出た。
・第2診(10月20日)
温かい飲み物や炭酸水を飲むと右咽頭から鼻腔の粘膜に強く感じる。頭痛が出るときにはそういう感じが多いとのこと。鼻づまりはあるが、通っていて、昨日今日は頭痛も出ていない。右下腹に水毒あり。虚していた公孫に灸と、瘀血体質の改善に両足中封に灸を加えた。最後に左後谿に引き鍼。
・第3診(10月27日)
昨日家族の引っ越しがあり疲れている。昨日は右腰に痛みと頭痛が少し出た(治療時には頭痛なし)。鼻はつまっている。脈:右寸浮、右関やや緊、やや数。腹:臍の上下に水毒あり。治療後鼻づまりが通ってきた。
・第4診(11月7日)
3日前から鼻水・鼻づまりが多くなった(寒い所で研修会があった為)。右腰に時々チクッと鋭い痛みが出る。脈:やや沈関尺強い。腹:右下腹と左季肋部にガス。左少腹に水毒。側腹奥に筋張り。
・第5診(11月17日)
1週間前に風邪を引き、関節痛がでたが、すぐによくなったとのこと。鼻水は黄色、数日鼻づまりが強い。軽い咳が少し出る。下腹に灸を加える。
・第6診(11月24日)
どろどろした鼻が出て透明になった。つまり感はあるが鼻で呼吸できる。邪熱は感じなかったが、胸の瘀血を減らしていくのによいかと思って右季肋部の細絡から刺絡を加えたが、出ない。背部の右肝兪辺りを刺絡すると少し出血するが、あまり効果的な感じではなかった。
・第7診(11月28日)
右天柱辺りから刺絡を加える。両築賓に灸。横臥位で頸部の右側の硬結と左側の横突起が出っぱっているところに刺鍼。両築賓の灸は上の方へ響いたとのこと。翌日、身体のだるさと疲れと眠気が出て一日半くらい続いたのと、左耳奥に耳管の開閉音のような、パコパコするような感じが出た。
【考察】頭痛発作は、西洋医学的には群発頭痛といわれるものになるのかと思う。
鍼道発秘講義の痰症・肝症・頭痛・眼目の病を参照にした。
今回頭痛発作時に治療をしていないが、発作が現れる時は、肝症の状態のようになっているのではないか。長く神経症があって、肝気鬱結しやすい体質があり、気の鬱滞がひどくなったところで、怒りの感情等で情動が揺さぶられると、上逆し激しい頭痛発作として現れる。
頭痛発作時には肝症と頭痛と眼目の病のような治療を行い、平常時には主に痰症のような、水毒を取り、肝症の体質となる胸の気の鬱滞をとり、頭痛の出る鼻腔の奥の辺りの流れを良くして、鼻づまりや鼻水が普段なくなってくると頭痛発作も改善してくるのではないか。
第7診後の身体の反応は、築賓の灸や頚部の鍼などで身体の中が動いたが、最後に引き鍼をしたものの、うまく引けていなかったのかと思う。
神経症は起こらなくなっているが漢方処方当時、柴胡清肝湯があまり効かなかったのは、今よりもっと冷えていて、水毒・冷えに対する生薬が含まれていなかったからではないかとも思う。
本人は、坐禅・瞑想をして、心がけをよくし、精神的に落ち着いていると身体の調子もよいとのこと。又、長い距離を歩いたりストレッチなどして身体を変えようとしているので、鍼灸治療も併用しておこなっていくと助けになると思う。

 

 

*指導者の先生方、会場から(一部)*
・寒熱が正確に分からなかったため腹診図に記載しなかったということだが、邪や寒熱が分からない場合は、圧痛の程度が指標になることがある
・頭痛があるひとは首肩こりがある場合が多い
・頭痛発作が起きる季節やきっかけはどうか
・頭痛発作とパニック症等の神経症状に関係があるか
(坂井先生の見立て:頭痛発作は肝経ラインに出ていて季肋部(肝)等の毒が上に上がってでる。パニック症等の神経症状は、胸の辺りのつまりからきている。)
・毒の処に邪が入って毒が騒いでいる状態が肝症、痰症はまだ騒ぎが強くない感じである
・もともと胸の詰まりがある痰症体質の方は、背部の肩甲間部に冷えっぽいスジがある場合が多いので、このスジを少し長めに撚鍼等を行い緩めると、気持ち良い響きを患者の方に感じてもらいやすい
・点滴をしている方の場合、痰症の治療が参考になることがある
・おなかのどこかに一直線のスジがあるかもしれない、それが上部下部に出ている症状と関係している可能性がある
・『鍼道発秘講義』の「痰症」「肝症」はとても大事な項目である
・毒が暴れていない状態、第0段階では、そもそもからだの状態が動きにくい
・体質改善の治療は、立てた仮説を検証するためには、長い期間での経過観察が必要なので、今後も治療の継続が望ましい

 

4.実技稽古

指導者・中伝者・初伝者の組に分かれ 実技の稽古をおこないました。

 

 

来月は 2月18日(日)14:00〜 開催されます。

 

(文責 小池)

| 例会 | 23:00 | - | -
12月東京月例会

 

 寒さも厳しさを増してきた師走の第三日曜日、

 東京、根津の七倉会館にて月例会が開催されました。

 

 ●静座

 

 

 

 ●講話

 

 本日は山野鵬観先生による講話です。

 

 

 

 実技中心の講義

 

 

本日の講義は実技中心で行われました。

「いやしの道」では鍼をする姿勢を大切にしますが、「ゆったりと構えるにはどうしたら良いか?」

その構えの問題について一助となるようにと、山野先生がご指導下さりました。

 

まずは模範実技にて。

二人組でモデルが腹這い(パピーポジションという。アザラシやオットセイの子供の意だそう。)になります。

(写真を参照に)

肩甲骨の動きを出す(ほぐす)ために左右の肩を交互に動かす。かなり広範囲に動くことがわかるはず。

 

 次に四つん這いになり、胸を落として肩甲骨を

寄せる。肘の向きを変えてお尻の方を向かせる。腰も肩に寄ってくる。術者は肩の動きにテンションをかけたりする。

さらに応用で術者はモデルの胸椎七番に触れて肩甲骨間部が高くなるように促す。胸椎の軽いズレなら修復することも可能とのこと。

 

この後、鍼の刺鍼の構え(両腕と胸で円を作る、中指を意識)をする。やりにくい人は肩凝りがある。

 

実際に二人組になって鍼を置いてみる。気が至った感覚を覚えていくと良い。

上腕、前腕には余り力は入っておらず、肩甲骨の所で浮いて止まっている感じにする。自由に手首を動かせるように。

 

具体的なエクササイズもあり大変分かりやすい講義だったと思います。あとは各自、鍛錬あるのみです。

 

 

 

●臨床発表

 

 

「坐位・前屈での刺鍼が奏功した足の痛み・痺れについて」

中川由紀先生による発表です。

患者は以前より体調管理とうつ症状予防のために通われていた40歳女性。

一週間前に映画に行き坐り心地の良くない椅子にて鑑賞し、二日前より急に左足に痛みと痺れが出現。歩行時に左足に

荷重できないほど。また臥位の横向き、くの字の姿勢で増悪。痛みは足の何処とは言いにくく凡そ膝から足関節外側および

後面とのこと。

診察所見は眠剤を使用することもあるが現在はよく眠れている。

<脈状>やや緊、左尺沈が強い。遅数は平。

<舌状>青味強く先端やや紅、歯痕あり湿潤。全体に白い苔。

<月経>順調。生理痛なし。

<腹状>ガスでパンパンに張る。季肋部は湿って軽い押圧でも嫌がる。上腹部、臍両側に冷え。両天枢周囲に硬結。右回盲部に邪熱と硬結。気海付近に少し虚状あり。

 

 検査所見は、訴えのある個所には圧痛なし。SLR80度にて痛みあり。パトリックテスト、床より40センチで止まる。右は問題なし。左側屈、右回旋にて左側に痛みあり。L2L3間、L5S1間の腰椎棘間に圧痛。左腰部に緊張と邪熱。左腸骨稜に沿ったところと関元兪、小腸兪に硬結と圧痛あり。

診断は悪い姿勢で長時間座ったことにより腰部、仙腸関節部が凝って硬くなり、腹部の水毒により気血の巡りが悪くなったことから坐骨神経の走行上に生じた。

治療方針は先急後緩にて、左側の痛みと痺れの治療を行う。腰部、仙腸関節部の後に腹中の状態を整えることにより気血を巡らせ水毒を軽減させる。

治療内容は脚気衝心予防のため心包経へ引き針後、背中、腰部、仙腸関節部の散鍼、切皮程度の刺鍼、左関元兪、小腸兪の

単刺。崑崙に引き鍼。季肋部、右回盲部を散じ両天枢、気海に灸。胆経・侠谿に引き針。SLR、パトリックテストの

改善はあるが、左側に痛み残る。座位にて深い前傾姿勢となってもらうと三焦兪、腎兪に硬結があり、硬いスジに当てるように刺鍼と雀啄。この後、テスト正常、痛みが消失し、普通に歩ける。

二診、初診以降痛み痺れはなく快調だったが、頚肩部の不快感が強くなった。これら慢性症状の治療を行ったが、念のため座位での左患部の治療も行ったとのこと。以後、左足の症状は再発せず。

 

考察 海野先生の真似をして坐位にてポイントを探すことは、今回のように坐骨神経痛のデルマトームと離れた治療部位を見つけるのに有用であった。治療直後に症状が改善していることから、腹状に対する治療は不要だったか?治療後に頚肩部の不快感が増大してしまい、予防のために頚肩部を緩め手によく引くなどが必要だった。

 

先生方のコメント

  • 引き鍼を三回やっているがなぜか?→腰の治療した後は崑崙と言うように一つづつ処理した。
  • 三焦兪の刺鍼で中川先生は何をしようとしたのか?→足の方に気血を巡らすイメージ。
  • カイロの先生が診れば一目瞭然だが仙腸関節障害と反射痛(三焦兪辺り)が出ている。とても上手に治療している。
  • 考察にて初診の腹部の水毒の治療は必要なかったのでは?と言っているが必要。
  • 腰痛は、浅い部位が障害されている時は腰部、深い部位が障害されている時は足などに出る。坐位にて深い前傾姿勢を取らせることで深い悪い部位を表層に出しやすくする。触診でポイントを探しやすくなり、深鍼で下まで響かせる。仙腸関節椎間関節 腸骨稜のトリガーポイントなどで治しやすいが、治りにくい場合はそれより上に出ていることがある。三焦兪の辺りは筋膜が癒着しているかもしれない。
  • 中殿筋、環跳なども目の付け所。
  • 腹の大棗のスジに刺鍼して膝を立てて腰をひねることで水毒へのアプローチをする。
  • 脚気衝心とあるが、これは足に邪毒がある場合であり、今回の症例は当てはまらない。

 

 

●全体稽古

 

 入会者が増えて恐ろしく手狭になってきました。暖房いらずの室内の様子。

 

●おまけ

 

例会終了後、今年も盛大に忘年会が開かれました!

芸の披露あり、治療あり、プレゼント交換あり、なんでもありの楽しいひと時となりました。

載せられない写真が多数(;^_^A(笑)

 

 

 本日、講義担当の山野先生が故郷にお帰りになるとのことで、

 記念品の贈呈となりました。そのうちネット販売されるかも(笑)

 PTでもある山野先生は、私たちとは、また違った着眼点でいやしの道協会を盛り上げて下さりました。

 長らくご指導いただき、本当に感謝ばかりです。

 

 さてさて、皆さま、どんな一年でしたでしょうか?

 来年も有意義な一年となりますよう精進してまいりましょう。

 では、よいお年を!

 

 (文責・伊藤)

| 例会 | 00:05 | - | -
11月東京月例会

晴天の11月19日(日)、根津の七倉会館にて月例会が行われました。

 

 

1.静坐
坐禅、正座で丹田に気を充実させていきます。雑念を追いかけてはいけません。
一度坐ったら、顔がかゆかろうが、足が痛かろうが決して動いてはいけません。

 

 

2.講話  石井 道観先生「3た療法の勧め」

 

 

3た療法とは、「(治療を)やった、効いた、治った」または「(治療を)やった、治った、良かった」という治療のことで、そんな治療は再現性がないのでだめですよ…という意味で使われている言葉です。
しかし、東洋医学と西洋医学、両方の目を以て、患者さんの状態をイメージし、そのイメージを持って行う「3た療法」をするのであれば、再現性もあって、良い治療ができるのではないか、と石井先生はおっしゃいます。

 

 

●いやしの道協会では患者さんを治療するときに、何を観るのか…
・患者さんの病が、表裏、寒熱、虚実、陰陽 それぞれどちらにあてはまるのか
・邪毒がどこにあるのか、病位はどこか(三陰三陽のどこか、病の六段階のどこか)

それにプラスして
・気血の状態、経絡、経筋、五臓六腑の状態

さらに、
・西洋医学的内臓、神経、筋肉、筋膜、リンパなど

 

それら全部を合わせて患者さんの身体をイメージします。

 

敏感な人(術者)は患者さんに触って、すぐどこに邪や毒があるとわかるが、僕(石井先生)のように敏感じゃない人でも一生懸命勉強して知識を増やしていけば、学で補っていくことが十分にできるので、心配しなくても大丈夫です。とのこと!

 

●治療の原則
患者さんを観てイメージを持った後は治療を行うわけですが、それには以下の3つの原則があります。
先急後緩、先表後裏、先補後瀉

 

●治療後の変化
何回か治療して患者さんの状態が変わらない場合、どうするかという問題があります。

・不変→イメージが間違っていたのではないかと考え、イメージからやり直す。
又は、西洋医学的に重篤な疾患が隠れているのではないかと考えられる場合は、専門医に紹介する

・改善はするが数日で症状が戻る→原因を考える、日常生活の問題、体質など
→それらの改善の指導をする

 

●西洋医学と東洋医学の融合
西洋医学と東洋医学を融合させながら患者さんを観るということを臨床で行っている石井先生が、その一端を症例で紹介してくださいました。

 

☆耳管開放症の患者☆
以前も同様の患者さんがいたが、治癒までに半年程かかり、治療の手応えがなかった。
今回は西洋医学的な考えも取り入れて治療し、手応えのある治療ができ、再現性があるのではとも思う。
耳管開放症に対しては、西洋医学的にあまり有効な治療方法がないらしく、診断を受けても困っている患者さんは沢山いるので鍼灸治療の出番だと思う。

 

<診断>
疲れで全身虚状
→常時ストレスがあり持続的に交感神経興奮
→血流低下、筋緊張上昇(特に上半身)
→口蓋翼状筋(耳管を開く筋肉)緊張
→耳管開放
→発症

 

<治療方針>
上半身の交感神経緊張を緩める。
三叉神経下顎枝の緊張を緩める。

 

<治療>
三焦経に引き鍼、
翳風の辺りの生きたツボに二か所刺鍼、
腹(気海、冷えの部位)に刺鍼、
第一胸椎から第七胸椎の脇(膀胱経)の生きたツボ四か所に鍼と灸、
頸から肩への散鍼、
腎経にツナミ鍼

 

<この症例について石井先生のコメント>
東洋医学だけだと僕(石井先生)の場合はイメージを持ちにくく、西洋医学的な要素があるほうが納得できる。
治療においては「自分なりに納得できるか」が大事だと思う。
納得できて、腑に落ちて治療ができると良い結果につながり、腑に落ちない治療だとあまり良い結果につながらない。
東洋的な視点と西洋的な視点を5対5にするのか、7対3にするのか、9対1にするのか…それは各々一人ずつ自分の形があるのだと思う。それぞれ自分なりのウエイトの置き方を持って納得してやっていって欲しい。

 

ちなみに、石井先生は、西洋医学と東洋医学の融合というテーマで過去2回機関誌に書かれておりますが、次は、四部録を西洋医学的な要素を取り入れ解釈し、それを文章を起こしたいと思っていらっしゃるそうです。
しかし、去年から今年にかけ本を30〜40冊読んだり、少し書きだしたりしているものの、なかなかまとまらず、筆が進まないので、もう少し時間がかかると思うとのことです。


3・症例検討会 森 勝先生「初めての本格的な咳の治療」

 


【患者】五十代前半 女性 百六十cm位 小太り。
【初診日】平成29年1月18日
【主訴】咳・声が出し辛い。
【現病歴】平成28年12月25日頃から、鼻水が出始め、正月から咳が出て来た。現在は話し始めると咳が出て声が出し辛く、喉がガサガサしている。痰は出ない。耳鼻科で診察を受け、抗生物質とステロイドを処方され服用したが改善されなかった。
【現症】項背の凝り感、胸焼け(飲酒をすると酷くなる、逆流性食道炎かどうかは不明)、右眼の痛み(原因不明、時々起る)、乳腺炎(乳腺に水が溜まる、主に左側。)、肝臓に水疱が出来る(恐らく肝嚢胞の事)、下腿のむくみ(下腿全体が張っていて押しても指の痕が残らない、実証)。
【診察所見】脈診/右尺中が沈んでおり、強く太い。舌診/診察したが記録もれ。腹診/腹満が著しく、側腹部と回盲部の硬結が非常に目立つ、側腹部は右の方が硬い。心下部や臍周辺も硬さが有る。側腹部・回盲部・臍周辺に圧痛が有る。その他/喉の周辺・項や背部は熱が有り、指頭で圧迫するとすぐに充血する。肩甲間部のスジバリは著しい。細絡は無い。足趾・足背が冷たい。問診/食欲は普通で酒や美味い物を好む。喫煙はしない。小便・大便は特に問題なし。睡眠は入眠し辛く途中目覚めやすい。閉経はしておらず、生理時の出血量が多い。
【診断】主として心下部や腹部に水毒が充満し、身体の機能が低下している所へ邪に入られ、表位や胸中に熱を持ち水毒が上迫し長く咳が続いていると考えた。(実際には陽証であるが、誤って陰証と認識した)
【治療方針】水毒が体外に排出される様に圧痛や硬結の有る所に鍼を施し腹部を補い温め、表位や胸中の熱を取り咳を軽減する。
【経過】
第一診 左右の手に引き、腹部の圧痛や硬結に刺入し、腹部を補い温め咽周辺や項背の熱を取る様に治療(二診と同様の施術)。
第二診 二日間程は咳の調子が良かったが、まだ咳が大分出る。声が出し辛く聞き取りにくかったがそれは改善している。右尺の沈んで強い脈は感じなくなっている。脈は左右の寸が弱く右の関が浮いていて強い、左尺が沈んでいる。左右の心包経に引き、腹部を補い温め、喉周辺項背の熱を取り、左下肢の腎経に引き鍼を施す。治療後患者から「胸焼けが取れたかもしれない。」と言われる。
第三診 咳が減って、声が出し易い。二十三日以降両方の下腿、特に右側が凄く痒くなった(主に腹部の邪毒が少し動いて現れたと推測)。
第四診 下腿がまだ痒い、右の陰経に掻いた跡が残っている。腹部の状態は変化していない。脈は右の関尺が強く、左右の尺が共に沈んでる。今日はいつもより項背の凝りを強く感じる、特に左側。そう言えば眼の痛みは無くなっている(邪熱が軽減したと判断)。
第六診 日本橋にある呼吸器科の専門医に診察を受け、気管支喘息と言う診断だった。二週間分の西洋薬の処方を受け、服用している。少し咳が治まった様だがまだ咳が出て喉がイガイガする。まだ項背の凝りを感じる、また下腿が痒くなった。急にはたと思い当たり、刺絡を加えて見る事にした。璇璣(圧痛)・胸椎五番棘突起下(圧痛・皮膚を撫でると発赤する)・心兪・右商陽からの刺絡を加えた。「呼吸が楽になりました。」と言う。
第七診 咳の変化は無い。また同じ呼吸器科を受診し、違う薬を処方されてそれを服用したからなのか、今朝から声がかすれている。そう言えば昨年の終わりから感じていた胸焼けは無くなった。
第八診 咳は大分良くなった。肩こり、便秘では無いが便通が普段より良い。脈は平脈に近い。腹部の硬さが少し減少。
第九診 漢方専門医に診察を受けたくなったので受診した。基本的な説明は筆者と同じで、「あなたのお腹は非常に張っていて硬い。これは長い間に造られた物です。治すには時間がかかるので、気長にやりましょう。」と言われた。麦門冬湯・柴朴湯・十全大補湯を処方された、全てエキス剤である。
第十診 咳は大分良くなっている。「漢方のエキス剤の効果が出ている感じはしない。」「自然に良くなった感じがする。」と本人が言う。脈は良い状態であるが、腹部の状態は余り変化が無く、下腿のむくみも変化が無い。璇璣の刺絡をすると「呼吸が楽になる。」と言う。(治療終了)

【考察】
本症例は、大塚敬節先生主講の、『金匱要略講話』「痰飲・咳嗽の病の脈証、并に治」に記載されている、「胸に水毒が有ると咳が出る。腹部に水毒が有ると喘が出る。心下部に水毒が有ると呼吸が促迫する。水毒の病は温薬をもって和すべし。」等の情報を参考にした。
初診時に診断名を聴取せず、経過中に気管支喘息が明らかになったが西洋医学的な理解を深めようとせず、処方された西洋薬・漢方薬についても考察しなかった。問診でしっかり聴取し、経過途中に新たな情報が加わった場合でも考察を怠らない様に注意したい。
身体の状態をイメージする際に、水毒と胸の熱の事だけに注目して、腹満の状態を実満なのか、虚満なのかを余り考慮せずに治療を続けていたが、手技は虚満に対するものを施していた。本症例は今考えると実満であり、虚実、陰証陽証等を明確にイメージせずに治療に当たってしまった。第六診以降は刺絡治療を加えたが、胸やけが消失し、咳も改善され脈状が平脈に近くなった事は、胸中の熱が軽減し変化が起きたと考えられる。腹部の状態に余り変化が見られなかったので、胸中の熱が主訴と関連が深いと考えた。刺絡治療の効果を実感できた良い機会であったが、刺絡治療を行った理由が明確でないので刺絡治療の理解を深めたい。

 

 

【質疑応答】
・咳の主体は「水毒」と考えたのですか、「胸の熱」と考えたのですか?
→治療当初は「水毒」と思ったが、今となっては「胸の熱」と思います。

 

・今思う患者さんの状態のイメージはどのようなものですか?
→表位、外位に熱があるという状態だと思います。

 

・右側が凄く痒くなったということに関して、毒が動いたのか?邪だけが動いたのか?瞑眩なのか?誤治なのか?
→毒が動いたのだと思います。
→毒が動いたのであれば腹状が変わっているはず。その辺はもっと慎重に診ていく必要がある。

 

・麦門冬湯・柴朴湯・十全大補湯という漢方はどういう意図で出されたもので、患者さんの状態と一致していたと思いますか?
→麦門冬湯は虚証を帯びた少陽病で乾性の咳、柴朴湯は少陽病で湿性の咳、十全大補湯は太陰病虚証に対する薬方。同時に飲むように出されており、十全大補湯は不要かと思います。

 

その他にも沢山質疑が出て、大変盛り上がった症例発表となりました。


4・実技稽古
今月は中伝、初伝 混合組での稽古です。
基本の型をしっかり身に着けたい方には、午前中に「フォローアップ講座」もあります。

 

 

5・連絡事項

 


・中伝になられた堀 麻里さんに初伝終了認定証が授与されました。
おめでとうございます!

 

・来月は月例会の後、忘年会を行います。

参加をご希望の方でお申込みがまだの方は、お早目に幹事の小池さんまでメールをお願いします。

小池さんアドレス: masaco22☆gmail.com  (☆を@に変えてください)

また、幹事さん達の今年の目玉企画として「プレゼント交換」がありますので、500円相当のお品をお忘れなくご持参ください。

 

(文責:中川)

 

| 例会 | 16:45 | - | -
10月 東京月例会
東京月例会会場の七倉会館は、根津駅近く七倉稲荷神社境内にあります。
今朝から冷たい雨降る中、熱く鍼を学ぶ日曜午後です。


1 . 静坐




照明を落とし静かに坐っていると、雨粒の音が聞こえてきます。
呼吸に意識を向けていると、小さな音も聞こえなくなり、意識が内に向いてきて、次第に無に…

2 . 講話 三輪圓観先生



「精神疾患を診る」


先月行われた合宿座談会の議題でもあった「うつ」について、災害プロジェクトで医療関係者(医者・看護師・薬剤師・等々)との意見交換からも感じられた、鍼灸師だからこそ出来る患者との向き合い方、在り方、治療の方法を、摂食障害症例を基にお話頂きました。

うつ病の資料より…
・うつ病に伴う身体症状の頻度
・うつ病の症状を呈する身体疾患
・うつ治療のための心理教育


患者さんとの会話での注意点、心掛けていること…
・言葉の選び方
・やってはいけないこと
・適応障害とうつ病の分岐点
・薬に対する捉え方
・BMI数値について
・うつ病の基礎知識
・主訴・現病歴・既往歴など、話したがらない事を知るための工夫。
・眠っている時見た夢の話を媒体にする理由。
・過去の話より未来の話をする理由。
・どうなりたいの?と尋ねる理由。
・川合隼雄氏の言葉より「人は皆病んでいる」の話。
・横田観風先生が言われた「タラよりタイを食べよう」の話。
・臨床心理学の外在化(丸の中の点)という病気の見方について…
(患者さん自身と病気を同一化せず、客観視するお話と、合宿で観風先生が話して下さった「病気をみるんじゃなくて、身体の寒熱虚実をみて治療したら良いんじゃない」のお言葉が重なり、理解が深まりました。)

※参考
いやしの道の機関誌11号「陽証のうつ、陰症のうつ」三輪圓観先生
「生活習慣病としてのうつ病」井原 裕 著(弘文堂)

三輪先生が災害プロジェクトの活動に至るには11年前に経験された学生時代のご友人の壮絶な死がきっかけとしてあったそうです。
この事が、治療家として活動の方向やどう在りたいか、心の持ち方を決めるきっかけとなったそうです。
その方のお母様と、命日である昨日10月14日にお話されたことを聞かせて下さいました。
これからもずっと原動力として、三輪先生の中に生き続けられるのだろうと思いました。

3 . 症例検討 木村克彦先生


「帯状疱疹(三叉神経第一枝)による視力低下」
ご自身が患われた事で体験できた、観風先生や石井先生の治療を受けられて感じたこと、ご自身と大きく違うと感じられた事について、発表して下さいました。

【患者】四三歳 男性 身長一七四 体重六五 鍼灸・マッサージ師 カイロプラクター
【主訴】右目の視力低下
【現病歴】帯状疱疹。平成二九年七月六日左頭頂後方頭痛。八日頃鼻右眼回り疱疹。右上下瞼腫れ。一三日右耳耳鳴り。右耳上方痛み。

・視力
七月一四日視力低下スタート。一五〜一六日視力低下ピーク※角膜にウィルスが浸入し炎症を起こした為ぼやけて見えないとのこと。一八日眼圧上昇、視力一.〇。二〇日視力〇.八。三一日温泉入浴中に遠位見えていることに気付く(意識すると)。八月一日カイロプラクティックを受けた後、遠位が自然に見え始める。一〇日近見視力〇.五。二四日見視力〇.九。九月一四日近見視力〇.四。炎症反応なし眼科治療終了。

【既往歴】幼少期 水泡瘡・オタフク風邪、平成一〇年マラリア(デング熱)、回虫。平成一五年アメーバ赤痢、皮膚リュシュマニア。平成二九熱四月二九日交通事故、むち打ち】右頚下部)。

【診察所見】
・脈 右より左大きく、やや沈
・腹診 左季肋部に邪、右奥硬い ・頭部 右眼回りと右側頭部に邪

【診断】
ヘルペスウィルスおよび損傷部位から出された邪の影響による。
【治療方針】
(自分)眼周辺の邪をさばく。

【経過】
初診 平成二九年八月九日(石井先生)引き鍼・散鍼・刺絡、翌日目ヤニ、視力上昇。

一三日(自分)散鍼、翌日目ヤニ。
一五日(自分)散鍼+腹、翌朝変化なし。
一七日(自分)散鍼、翌朝目ヤニ。
二〇日(自分)散鍼、翌朝変化なし。
二三日(石井先生)引き鍼・散鍼・刺楽・腹・遠位鍼。
二九日(自分)散鍼、変化なし。
九月三日(横田先生)「患部から邪を遠くに引き、患部から邪を抜く」引き鍼、散鍼、刺鍼多、頚、遠位鍼右側頭部、二、三日後右足から膿。数日後朝軽い喉痛。
※横田観風先生の治療詳細は、来年三月に発行される機関誌十八号「鍼禅の世界あれこれ(三)臨床篇」に詳しく掲載されます。

一〇日刺絡(圧痛部位 二か所)出血少 、変化なし。
一三日 (石井先生)引き鍼、腹、眼、後頭部、遠位鍼、近位視力上昇 右足から膿。※邪の反応が少なくなっているとのこと。
一八日(自分)刺絡(触覚過敏部位眼四か所)出血多、朝かすみ低下。
二三日 刺絡(触覚過敏部位眼二か所、鼻四か所)出血多、朝かすみ低下。

【考察】今回ヘルペスウィルスとダメージをうけた組織が毒性化増大し邪の影響によって症状が引き起こされた。
初期の視力低下は、角膜にウィルスが浸入して炎症が起きたとのこと。後半やなゆなかすみは、眼科にて炎症反応がないと言われた後も起こっていたことから角膜より毛様体筋機能低下や水晶体の弾力性の低下が考えられる。翌朝改善するこっが多かったことから、ロドプシン再合成が活性化された可能性もある。
散鍼や刺絡にて邪をさばくことにより、正気がめぐり本来持っている働き(身体にとって不都合なものを排除しようとすること)が機能し始めた。毒の排出部位として、目ヤニ・側頭部の膿・足の膿・などがあった。今回は自己治療の観察では、散鍼より刺絡の方が効果的であった。
抗ウイルス薬ではウィルスを叩くことはできず、繁殖を抑えるのみ(今回は抗ウイルス薬を服用し始めてから瞼の腫れが顕著に引き始めたため効果は実感できた)。その間に自己治癒力でウィルスを叩く。早い時期に鍼を始めていれば治療が早まったのでは。また、治療後(特に横田先生、石井先生後)一時的に安定するが生活の乱れに伴い再び状態が下向いた。この二点から西洋薬、鍼灸、養生の組み合わせが必要であることを実感した。
以上


〈石井先生より〉
どの様な疾患であれ、感じた邪や毒をだけを基準にして治療するのではなく、大事なのは患者さんの脈・舌・腹・などをよくみて、今ある症状と身体の状態がどうなっているかをみて、それをしっかりイメージすること。
そして、イメージした事に従って診断し、方針を決めて治療をすることが大切、との事でした。

今回患者側の立場になってみて気付かれたこと、普段の治療側立場でしている言動を振り返って反省されたことが沢山あったことなど、木村先生が率直に感じたことを聞かせて頂けて、とても勉強になりました。




4 . 実技稽古
この時間は、各々課題として抱える問題点や疑問を指導者先生にみて頂けるありがたい稽古の場です。
明日からの治療へ役立てます。

基本の型の習得は、、、
月例会当日の午前10:00から行われている「フォローアップ講座」への参加がおすすめです。
基本は勿論、テキストだけでは読み取れない詳細な鍼を持つ指の使い方や秘伝を、安田無観先生より直々ご指導頂けます。


○次回月例会も第二日曜日です。
11月19日日曜日14:00〜18:00まで七倉会館にて行われます。
奮ってご参加下さいませ。
(文責:田原)
| 例会 | 23:25 | - | -
8月 東京月例会

鬱陶しい天気が続く東京ですが、皆様に御集り頂き有り難う

御座います。

 

静坐

 

 

筆者は平素から、坐禅・瞑想を行っておりますが、何か東洋

的な坐法を行なっていると、心・身体の改善、触診能力の向

上、毒の排出を助ける等の効果が有ると実感しています。

 

講話     前之園 空観 先生

 

「ちょっと、何人か前に出て来て下さい。」

「ここに二つ湯呑を用意しました。片方が若干温度が低いの

実際に触ってどちらの方が低いか感じてみて下さい。」

男1「どれどれ、う〜ん。微妙だ・・。」

男2「いや〜分り辛いですね。」

男性3人が、右の茶碗の方が温度が低い、女性1人が左を選

びました。(まさに陰陽)

 

答えは・・・・・。どっちも同じ温度!!!

 

「この様に触診で温度を確かめ様とする時に身体に力を入れ

て確認する人はいませんよね?まずそれを知って頂きたかっ

たのです。」

 

目指すべき理想の型 半跏坐での治療姿勢

 

「まず腰を立てて半跏坐になってみる。次に背筋を思い切り

伸ばし、グッと方も後ろに引き、胸郭を開き息を吸い込む。

そうしたら息をフッと吐いたと同時に上半身を脱力して、気

を落として丹田に瞬時に込めるんだ。そしてその姿勢を保っ

たまま少し前傾すれば完成だ。上手く行くと下腹部の膨らみ

が、大腿部にのせた足の踵が当たって感じるから分かる。」

 

いやしの道の治療姿勢の基本ですが、すぐにこれを実現する

事は難しいですね。

そこで前之園先生は、入門以来様々な工夫をされて良い治療

姿勢に成る様に工夫されたそうです。人はそれぞれ体格や性

格が違うので、工夫の仕方が違いますが努力していれば最終

的には皆良い治療姿勢が取れる様になると言う事です。

 

前之園先生はいつも良く考えて、工夫されてます。見習いた

いと思います。

 

症例報告     乙重 潭先生

本日は態々東京へ広島から若手のホープ乙重先生が発表にお

いで下さいました。

 

今回の症例は先生の奥様の変化を良く観察された症例です。

 

是動すると出現する極度の慢性疲労     乙重潭観

【はじめに】所生病的是動病の治験例。妻を観察し、治療や見え

ざる一鍼で症状が変わっていくのが示唆に富んでいると思ったの

で報告したい。

【初診日】便宜的に二〇一六年二月一七日時点を初診とする。

【患者】二四歳、女性(色黒。身長一四七僉体重四三圈

【主訴】体がだるくて動けない。

【現病歴】[初診]二〇一五年四月二六日時主訴は肩凝り・腰痛

で数回来院。[初診時診察所見]全身ガチガチ(脈診)沈微細。

寸は全く触れず。(舌診)紫舌、無苔。(腹診)胸脇に軽度の邪

熱と冷え。下腹部に熱と水毒(冷えも少し混じっている)。全体

的にガスと水毒で皮膚表面が緊張。

臨時採用として小学校教諭をし、忙しく、残業や家に持ち帰って

仕事をした。同年五月〜二〇一六年一月、精神的に不安定になり

、死にたいと口にする様に。心療内科で適応障害の診断。相談の

みで鍼灸治療は無し。5月、休職。7月退職。一一月よりパン屋

に就職。二〇一六年二月〜一緒に住み毎日治療。

『寛解時と憎悪時が主に排卵日付近〜月経終わりの周期で以下の

ように繰り返される。

《憎悪時》三週間以上/月。だるさ、面赤、頭重、イライラ、食

欲増進(甘い物等を食べて太る)、不眠(寝付きが悪い、眠り浅

い)、呼吸浅(呼気少、ゼイゼイ)。喧嘩など精神的な動揺でパ

ニック状態になり歯を噛み締め手足及び指の関節を屈曲して開け

ない。血圧九○/六○付近。

《寛解時》四日〜一週間/月。頚肩背腰強張り。ダイエットで食

事制限・運動も可能。座位にて足が痺れやすい。血圧一○○/六

五付近。血液検査異常無し。』月経周期(二八〜三〇日)便秘四

〜一〇日、常に汗がかけない。

【増悪因子】夫婦喧嘩。ストレス。便秘。低気圧。

【診察所見】二〇一六年二月所見。《脈診》沈微細《舌診》舌尖

紅、紫舌、舌下静脈怒張、無苔、歯痕《腹診》○増悪時:腹直筋

拘攣。ガス。上腹部悸、左脇下に激しい邪熱を中心に胸腹、頭部

に及ぶ、頭項背部は邪熱と水毒でパンパンに張る。○寛解時:頭

部軽い邪熱、左上腹部、脇下は硬く、心下の振水音。下腹部湿熱。

肩甲間部赤い発疹(痒み無し)。

【診断】発汗する力も弱く、便秘症やストレスで、左脇下及び胸

中が詰まっていたものが過労・過食で毒性化増大した。月経やス

トレスなどで毒が動揺し動けなくなったり、精神的に不安定にな

る。

【治療方針】胸脇部〜上腹部の邪毒を緩め排出し、背部の緊張を

緩めて発汗させる。響きに鈍感。(鍼)一寸02番で切皮が困難

なほど痛みを感じやすい。鍼だけで対応出来ないのでネットなど

で手に入る漢方を使う。

 

【考察】邪毒は劣悪でほっておくと重篤な疾患になっていたと思

う。脈の弱さは、冷えはないが熱厥の様なものだろう。虚が根底

にあり排出力が弱いので攻めるだけでは排出されなかった。汗や

涙、鼻水、便により毒を排出した。四逆散で刺鍼が出来る様にな

ったが、鍼灸で起こせる方法が課題。結婚していなければ、治療

が継続していなかっただろう。色々と試行錯誤したが、空中鍼を

やり出してから、他の患者さんへの治療効果は上がったので、効

果はあったと思う。四逆散以降もっと毒を揺さぶれば早く治った

かもしれない。いい子で育って、きっちりした目標を立てるが、

実際とのギャップに苦しんでいた。一緒に住んで以降、反抗期の

親子喧嘩のつもりで、言い返してくるまで喧嘩をした。泣くと胸

郭の膨張と熱がスッキリするのだが、最初はグシャッという感じ

で気持ちが折れ、泣くと何日も引きずっていたが、胸の詰りを吐

き出す様に怒鳴り返せる様になる。次第に気持ちを切り替えられ

る様に。身体が柔らかくなるに従って、目標もゆるやかになる。

 

乙重先生有り難う御座いました。

 

実技

 

 

 

最近は入門講座の方が多くなり、活気が溢れております!

一生懸命稽古をしていると額に汗、腋に汗、心に汗!!

をかいております。^_^;

 

初伝修了試験が行われ、堀 麻里さんが合格されました!

おめでとうございます!

 

来月の例会は合宿の為に御休みです。

 

文責 森

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 例会 | 13:34 | - | -
7月 東京月例会

蒸し暑さも一入の三連休の中日 7月16日(日)根津 七倉会館に於いて 東京月例会が行われました。

 

1.静坐

身・息・心の調和を目指し、10分ほど、静かに座りました。

 

2.講話

堀雅観先生「私の手の内」
いやしの道の基本手技である、単刺、引き鍼、散鍼、に関する堀先生なりの手の内の工夫について、実演を交えながら発表していただきました。

 初伝者には、型を習得した先に在る課題として
 中伝者には、各人の工夫のプロセスの或る一例として
 指導者には、技術を共有するための表現方法の或る一例として
 お話し下さいました。

 

堀先生は、この講話のために準備をされていたところ、伝えたいことが抑えられなくなったそうで、静坐の時間を短縮して、熱い講話が始まりました。

*臨床に必要な技能*
診察する能力・・・基本の型で身につける

診断する能力・・・『傷寒論真髄』を通して、からだの中をイメージすることを学び、身につける。
治療方針を立てる能力・・・『いやしの道機関誌』第17号(堀先生ご寄稿文)を参照。
治療方針を立てて実行する能力・・・今回お話しいただいた、手の内。

・単刺(管鍼法)の手の内
1)立管、2)弾入、3)抜管、4)刺入、5)補瀉、6)残心の6つの手順に分解し、それぞれ解説していただきました。

立管での手の内では、生きたツボの真上に鍼先を置くことができるようにするため、自作の箱を使った稽古方法(*1)を、
刺入での手の内では、的当ての稽古方法(*2)をご紹介いただきました。
堀先生がマッサージ屋さんでアルバイトをされていた頃、空き時間にはこの的当ての練習をずっとおこなっていたそうです。

(*1:ディスポーザブル鍼の箱に1ミリ弱の穴をキリで開け(「S」印の下にかすかに見える穴)、目視せず手の感覚だけで穴を探り鍼をその穴の上に置くとすとんと鍼が穴に落ちる装置)

(*2:鍼管を硬結と見立て、タオルでくるくると巻き、タオルの上から硬結(鍼管)に当たるように刺入する)

・引き鍼の手の内
1)気の同調について、2)引き鍼における弾入について、3)補法の引き鍼のイメージについて、4)瀉法の引き鍼のイメージについて、引き鍼の実演(*3)やチベットのシンギングボウル(ラマ教の法具)の実演を交えて、解説していただきました。

(*3:中伝の方がモデルとなり(症状:くしゃみ。かぜっぽい)、術者、患者、それぞれが感じていることを実況中継)

・散鍼の手の内
1)散鍼のタイプを決める諸要素について、2)代表的な散鍼について(両手単式斜刺瀉法散鍼、両手連式斜刺散鍼、両手連式直刺散鍼、片手散鍼)、3)稽古において(散鍼のタイプを言語化した意義について)、散鍼の実演を交えて、解説していただきました。

・手の内より重要なもの
術者の施術時の身体(腰を立てる、上虚下実、等)の重要性、そして、知識や技術のみでは無く、道(人間性、等)が重要で有り、愛に基づきポジティブな気持ちでその人をいやしたいと思って治療をしているのか、ということが、治療効果にダイレクトに影響する、といったことをお話しいただきました。

自分の中に恐れ(経営上の不安、治療効果が出るかどうかという不安、等)をもって治療していると、あまり良い気が通らない上に、悪い気を注入することにすらなるのではないか、という言葉が、印象に残りました。

具体的にイメージすることの重要性、工夫(探求)すること、鍼という道具が持っている特性(鍼先に気を集める機能)を活かすこと、学術(知識、技術)も身体も意識(道)もそれぞれが重要で有り必要だということ、全てを身につけることにより最終的には無意識の内に事をなせるようになること、といったことを考える機会となりました。

 

「・・・みないでやれる感覚がだんだん養われていくので脳の中の空間認識能力を使っているなあと思いました。手の内というのも、頭の中で感じた情報と手を動かすというものと、そこから手がキャッチする情報を頭の中で統合しながらやっているので、手の内というのは脳の中でつくられるものだなと最近は思っています。・・カッコイイ台詞だなと、言ってやろうと思って。」

 

 

3.臨床検討会

伊藤里香先生「喘息と体質改善の治療」
当初の主訴である腰痛の治療から、喘息、胃弱等の背景があったため、体質改善の治療に移行し、瞑眩のような症状を経つつ、もともとあったからだの不調が改善に向かっている症例を発表していただきました。

からだの見方、喘息や体質改善の治療、復調する際に起こる可能性が高い瞑眩について 等、考える機会となりました。

【患者】女性 39歳 やせ型(160cm 43kg)
【主訴】喘息
当初、運動中に右腰が激しく痛くなり、来院(第5診目で治癒)。
第2診目、腰痛の他、咳の発作がひどかったため、急遽喘息の治療を開始する。
子供の頃から咳喘息の傾向あったが20歳半ばから喘息気味に。2年前から顕著に増悪。発作がひどい時には吸入薬使用。
【その他】肩凝り/眠り浅く多夢/幼少時より顔に皮膚症状(乾燥による皮膚の荒れ等)が出やすい/腰痛(二十代より時折あり)/胃重/食欲不振(ストレス過多により食べられなくなる)/花粉症による鼻中渇き、目の痒み(ここ2年で症状が強く出るように)/月経前後に頭痛、便秘、倦怠感(高校生の頃から鎮痛剤が手放せない)/冷え症(左足が冷える)/朝方トイレに行きたくて目が覚める/7年前から体重5kg減少/去年、脂漏性湿疹(鼻周囲にでき桔梗石膏湯で治癒)になる/肝臓の検査値(ALP(GPT))が2年に1度は要観察になる(原因不明)/慢性胃炎/7年前ご主人の転勤で中部地方から関東地方に移住、4年ほど前から派遣社員として仕事をはじめるが、多忙のため去年夏に胃炎となり、さらにやせた
【診察】脈診:浮 細弱遅および緊 右>左 右関強め/舌診:紅舌 舌尖紅 舌下静脈怒張あり 乾燥/腹診:図参照(*)

(*左上から:腹診図、背診図、通常時のイメージ図、瞑眩発作時のイメージ図)


【診断】ここ数年は過労が続き咳のため夜も眠れず食欲も低下してだんだんやせて太れなくなり虚弱になっていった。喘息は幼少時より、その傾向がある為、胸に邪毒が存在し、過労、ストレス、天候、風邪などの要因により発作となる(所生病的是動病)。腰痛は元々体が硬い上に、休養、栄養不足により筋肉が硬直傾向なところに強めの運動を行ったところ痛めたと思われる。
【治療方針】#喘息→頸肩および胸部の邪気をさばき、季肋部や腹部の気を巡らせ、水滞や瘀血を除去し体質を壮健にし肺内の邪毒を排出させる。#腰痛→局所の熱感をさばき硬結を緩める。
【治療及び経過】加療 週1回/鍼 2番寸3使用/基本、先急後緩にて対処。
※以下、喘息治療の記載に重きを置く
・初診(平成29年2月6日)
腰痛を主体に治療。腎兪辺りの硬結、立ち上がりや前傾姿勢で痛む。腰部圧痛点の単刺、腹部の凝りに刺鍼、頸肩部の熱を散じ最後に痛い姿勢をしてもらいながら運動鍼。施術終了後のペインスケール10→5。
・第2診(2月10日)
腰痛がまだ残るものの咳の発作がひどく急遽喘息治療をする。手足によく引いて頸肩部の熱を瀉し、胸部散鍼、腹部を補う(天枢、中かん、水分)、季肋圧痛点を瀉す、伏臥位にて頸肩、上背部を瀉す(肺兪、頸リンパ腫脹部位、天柱周囲)、膈兪・脾兪補うように。最後に側臥位にて右痞根辺りを単刺。左足臨泣に引く。(これ以降、前述の治療をベースに継続)灸の指導、施灸開始(現在まで、毎日継続中)。4診までほぼ同様に。
・第7診(3月14日)
喘息発作が楽になってきている。便秘、食欲不振の訴え(胃の六つ灸、足三里など施術を追加)。鼻の周りに肌荒れが出始めたため、桔梗石膏湯の服用を再開。
・第11診(4月11日)
3月いっぱいで仕事を退職。治療に専念することに。天気や気圧の関係で喘息発作がひどく休めた感じがしなかったそう。食べられるようになってきているが、体重の増減なし。上背部の細絡より刺絡を開始。
・第12診(4月18日)
生理1週間前、易疲労、頭痛、胃重、花粉症(目の痒み、鼻の渇き)がひどく、咳の発作もあって薬を使用したとのこと。胃の動きを良くするため、左痞根に深く刺鍼している最中、気持ち悪さを訴えて胃液を吐いた。このあと胃重が消失。→ここからは後日談。翌日、胃痛がして38度の熱がでた。病院にてエコー検査をしたが慢性胃炎の診断にて輸液をされる。2日ほど具合が悪かったが生理がきてスッキリしたとのこと。
・第13診(4月25日)
咳き込みが減って眠れるようになってきた。胃の働きを補うように治療。刺絡は1回お休み。
・第14診(5月1日)
食欲増進し、食後の違和感も消失。生理前後に頭痛あり。
・第17診(5月23日)
喘息が楽になったとのこと。食欲も安定している。咳発作より目の痒みなど花粉症状がつらい。生理時の鎮痛剤の使用が減ってきたが寝込むほどのだるさなどの訴えがある。
・第19診(6月6日)
口唇ヘルペスが出た(調子が悪いと必発)。喘息発作がまったく出なかったそう。頸肩部の邪熱が再び出てきた。
・第22診(6月26日)
明日よりパートで仕事を再開。食べられるが食欲なく胃痛、胃重がある。生理は楽になってきているが怠さと眠気が強いとのこと。
【考察】頻発する身体の痛みに対応しつつ、まずは虚弱体質の原因となった喘息と胃弱の治療を中心に施術を開始した。喘息は5月上旬には症状の軽減がみられ現在ではまったく発作がない時もある。食欲は退職した4月始めより出てきたが消化能力が追い付かず胃重になり、第12診で瞑眩様症状が出てから消化機能が安定した。38度の発熱にて胸中の邪毒が、季肋下の水毒が嘔吐にて排出されたと推測した。瞑眩様症状から胃痛が出て月経開始と共に消失したことが月経前症候群ではないかとの指摘もあるが通常時は片頭痛や腹痛がみられており、月経前で気がざわつき始めていたところ痞根の深鍼にて奥の筋張りが緩み気が動揺し、過食(久しぶりにゴボウや玄米等繊維質のものを食べ始めた)で弱っていた胃に症状が出たとイメージした。最近は再び頸肩部の「蒸し蒸しするような」熱気が感じられるようになり、鎮痛剤の服用は減ったが月経に伴う片頭痛、生理前後の疲労感などの訴えがある。また胃腸の調子が良いものの体重増加までには至っていない。喘息は症状が長期にわたり完治が難しい病であるが発作の誘因を除去しながら、やや心気的傾向のある患者を支え、今後も変化を観察していきたい。

*指導者の先生方、会場から(一部)*
・喘息の治療方法の例
 肺経の井穴刺絡や、肩甲間部に細絡があれば細絡刺絡
 腹部(とくに季肋部)をしっかり緩める
 腹部への施灸(沢田流五柱)
・喘息の場合、太陽病か少陽病かの見分けがひとつのポイントになる
 (伊藤先生は、本ケースは少陽病でベースに虚状ありと見立てた)
・参考図書
 『いやしの道機関誌』第15号
 (横田観風先生:鍼灸師のための『傷寒論』を学ぶ会講義録(小青竜湯))
 (安田無観先生:瞑眩についての覚書)
 『鍼道発秘講義』痰証の章
 『いやしの道しるべ』11p

 

4.実技稽古

指導者・中伝者・初伝者の組に分かれて 各々、実技の稽古をおこないました。

 

来月は 8月20日(日)14:00〜 開催されます。

 

【連絡事項】
2017年合宿研修会(日程:9/17-18)の申込は、7月31日(月)まで受け付けております。
お問い合わせ・お申し込み連絡先
中川由紀 yucci.hari.kyu☆gmail.com
*メールアドレスの☆を@に変えて送信して下さい。

 

(文責 小池)

 

| 例会 | 23:00 | - | -
6月東京月例会

 


静座


当会、恒例静座の時間。
治療者としての心身を作っていきます。

カラ梅雨かと思いきや、最近
やっと梅雨らしくなってきましたね。
静座中にも激しい雨が、、、。

 

 

 

講話 担当 海野流観先生



「愛着障害が関連すると思われる難症」
今回の発表は海野先生が21年に亘って診られてきた「多愁訴」
の患者さんに「愛着障害」が関係しているのではないかと考え
接し方など試行錯誤していくうちに、患者の(症状)核心に
近づけたとの報告です。
海野先生がまだ治療家として駆け出しの頃より診ているとのことで、
なんとカルテ数24枚、治療総回数675回とのこと!
初診時53歳、現在74歳の患者女性とのやり取りには
何か凄まじさを感じるほどです。
この患者さん、「心気症、頻繁なDr.ショッピング、治療効果が長続きしない
薬を変えても一週間ともたない、プライドが高く人を信じない、頻繁に電話で
問い合わせをする割に指示を守らず医者に匙を投げられる等々」があり、
とても難しい方だそう。
初診時は頸肩凝りでしたが、肋間神経痛、吐き気、目眩、心身症、
梅核気、うつ病、他たくさん!と訴えは様々で写真にあるようにA3用紙二枚半に
びっしりと治療、経過と患者女性の身辺状況が書かれています。
昨年の合宿パネルディスカッション(愛着障害)がきっかけで
患者が愛着障害ではないかと気づき、患者が高校の頃からよく吐いていた
ことを知り確信を得たそう。
海野先生が、そのことを意識して加療を続けた結果、
患者本人も自分の精神状態、食行動、体の症状を少しづつ理解し、
改善に向かっているとの事。
海野先生が、この患者さんと接する上で心がけていることは

  • 話をきく
  • 寄り添う、いつでも対応、できる範囲で
  • 肌のふれあい
  • 指示を出す
  • 胸の邪気を散じる
  • 意識を外へ向けさせる
  • 安易な事は言わない
  • 死の話をタブーにしない
  • 治療者や他の患者も同じような人がいっぱいいることを

言い続ける
だそうです。
このような神経症状のある患者さんには鍼道発秘の「肝症」
もしくは「茯苓杏仁甘草湯」(いやしの道八号を参照に)を
イメージして施術すると良いとのことです。
先生曰く、気質、薬の副作用、ストレスにさらされる環境、
ちゃんとした治療をうけれない不安感、以上の条件が揃うと治療が難しい。
患者が21年継続通院できているのは海野先生のところのみだそう。
聴衆からは「海野先生だから続いてる」との声が。
最後に、ふだん穏やかな海野先生が
「患者さんとの終わりのない戦い」といっておられたのが
印象的でした。

 

 

 

臨床発表 担当 石井道観先生

 

 

石井先生が予め宿題を二例出され、

各々がどのように身体をイメージして

治療方針を立てて実際に治療をするかを

参加者に問いかけて、最後に答え合わせをするという

今までにない形で臨床発表をされました。

 

例題は二題とも実際に石井先生が担当された患者さんで

両者とも三回で治療が完結されたとのこと。

 

まずは初級編。

女性 67歳 

主訴:左肩関節痛

以前より左肩に弱い痛みと少し可動域制限が

あったが違和感がある程度。今朝、目が覚めると発熱、寒気がして

同時に左肩関節に激痛、動かすこともできない。

所見:脈浮 舌淡紅よりやや紅 薄白苔

38度 悪寒 喉の痛み 吐気、目眩

 

石井先生が初診時の状況を読み上げて、

参加者にイメージ図を描かせたり、実際にどんな治療を施すか、

各々に質問していきます。

実際の患者さんは太陽病、少陽病とか最適な治療方針

(先急後緩、先表後裏)を打ち出さなければ

なりません。

この方は嘔気や眩暈はあっても病期からみても石井先生は

「太陽病」の症状と診断し治療を行ったとのことです。

 

次は中級編。

男性 52歳 (初診H29.4.4

主訴:左脇腹の痛み

3/24朝左脇腹痛があったが昼過ぎには消失。

以降痛みの発現、消退を繰り返す。

強い痛みのため、睡眠中に目が覚めることもあった。

(内科で精査、異常なし)

そこで整体に通い4、5回/日あった痛みが起床時と就寝時に

減り、痛みの強さも半減。しかし症状が治まらない。

現在無職。運動習慣なし。3か月で体重4kg増加。

所見・その他:痛みの持続時間は30分から1時間、動作時痛なし。

身体を反らすと楽な気がする。求職中にてストレスあり。

食欲あり 便通正常 睡眠とれてる

脈・もともと早め 中脈だがやや弱い

舌・やや暗黄苔

腹部全体に膨満、鼓音あり

図には胸に邪(ざわざわ)、季肋部に硬さ(熱無し)、

左腹部(腹直筋脇)に拘攣と寒、背側にも同様に拘攣。

 

初級編と同じく今度は中伝履修者に診断、治療方針、

治療法を問います。

 

動作時痛がないの運動器疾患は除外。

ポイントになるのは一定の時間のみ痛みがある。

腹部の拘攣が冷えで引きつれているのみならず、

ガスの存在があり、冷えてガスが膨張すると

引き攣れが伸ばされ痛みを生じる。

(ガス:いやしの道10号など参考に)

なので引き攣れているところを緩め、あたためるのが治療方針。

実際の治療は左神門、水毒辺り鍼と灸、左帯脈、左痞根、左内庭

にて最後の津波鍼。翌日のペインスケール102。三回目には

ほとんど消失。

 

初学者は患者のあらゆる情報を収集してそれら全てに対応しがちに

なってしまいますが、まずは患者のニーズを知って何に重きをおくか

取捨選択をする必要があることがよくわかったのではないでしょうか?

そして、なぜその判断に至ったかという高度な指導者の先生方の

討論も大変参考になりました。

 

 

 

実技時間

 

最近は入門者が増え大所帯になってきました。

スペースを確保するが大変です!
皆さん、真剣です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


7月も第三日曜、根津・七倉会館にて開催予定です。
みなさま、ふるってご参加ください。

(文責・伊藤)

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