いやしの道協会ブログ

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6月杉山真伝流勉強会

◆◆◆シリーズ:田中知新流と杉山真伝流(26)◆◆◆

      講師:大浦慈観先生

今回のテーマ:「五蘊抄」南(疝気)、後楽術・散秘術

今回のテーマは、「疝気」です。

疝気は、今は使わなくなっている言葉ですが、「胆石疝痛発作」など激しい、

周期性の痛みとして残っています。疝気は、いろいろな意味があり、

名称も説も一定したものは無いようです。腹痛だけでなく、鼠径ヘルニア、

陰嚢ヘルニア、さらには梅毒によるリンパ節腫瘍なども含みます。

大浦先生の体験談として、寒い冬の夜、寝ていると突然の腹痛に

襲われたそうです。そのときは、小便も大便も出ず、下から寒さとともに

痛みが突き上がってきて、お腹が引きつり丸くなるしかなかったとのこと。

これも疝気の類いなのでしょう。

田中知新流での疝気の治法は、天枢・大横・関元・章門といった腹部を

中心としたもの。また三陰交・大敦・五枢といった下肢を中心としたものが

書かれています。疝気は、腹部の虚寒や引きつりをいかに改善していくのかが

主眼になります。大浦先生によると、大敦は、痛みを取りたいなら刺絡をして

みたり、温めたいなら点灸をするなど、狙いに合わせて工夫していたようです。

鼠径ヘルニアは、鍼灸院に来ることは少ないが、来ないわけでもないようでも

ないようです。では、われわれ鍼灸師は、どう考えながら施術をしていったら

よいのでしょうか。大浦先生からのアドバイスは、冷えて内臓下垂の状態に

なっていると考えて治療をしていけばよいとのこと。しっかりとお腹や

背部兪穴を補い、灸をすることで、内臓を温め元気づけることが大事だそうです。
「ただ鍼と灸をすればいいと考えたら治らないよ」と仰っていました。

『端座流当流鍼書』からは、「大便結し、古血、りん病、はしり痔」

「口かわき、胸の痛み」「水腫、脹満」「頓死に、高きところより降り

または馬にふまれ死したる人の生死が見らる鍼」について読解をすすめました。

杉山真伝流のデモンストレーションは、「二十五術」より後楽術・散秘術

を行いました。後楽術は、天人地の三段階ごとに刺入する方法を捻ったり、

雀啄、随鍼と変えていく術です。刺し方がいろいろと書いてありますが、

硬い筋層や中の状態によって、変えたものと思われます。
散秘術は、上・右斜め上・左斜め上に向かって刺鍼転向をして久しく捻り、

さらに下・右斜め下・左斜め下に刺鍼転向して抜き差しする術です。

やさしく捻る術と、固いものを突き崩す術を組み合わせています。

盲目の施術者が、一つの経穴を使って、いくつもの効果を出そうと。


次回は7月15日(土)です。

☆日程変更のお知らせ
8月・9月は、会場の都合で下記の通り、日程が変更となります。
8月26日(土)
9月23日(土)

(林 弘観)

| 杉山真伝流勉強会 | 00:51 | - | -
5月杉山真伝流勉強会

『杉山真伝流』勉強会 第139回 平成29年5月20日
              講師 大浦慈観先生
◆◆◆シリーズ:田中知新流と杉山真伝流(24)◆◆◆

今回のテーマ:「五蘊抄」南部(腰痛)、二十五術 風発術・骨明術


久ぶりの受講生の方々のために上記テーマを学んでいますが、
基本は杉山真伝流を理解しようとやっている。杉山流の前後の江戸期は
たくさんの流派が活躍していました。歴史的に知るだけでなく病証に
どんな穴を使って、我々の臨床にどう生かせているか見てきた。
現在田中知新流と杉山真伝流「「五蘊抄」東部が終わり南部をしています。
1690年以降には日本の鍼灸の核のようなものができ、使う鍼も太目の鍼の
刺入の工夫から管を使い痛みをなくし、穴を正しく抑え、管での手技も使い
細目の鍼に変わり治療スタイルも変わってきた。田中知新流は末端穴の
使い方を工夫していることが読める。手足の要穴を使って効果を出す工夫
をする。局所を避けているそれは使う鍼にもよる。


(鉄鍼か銀鍼5番以上と想像する)(杉山和一は3番か5番)と察する。
実は「五蘊抄」は穴のみである。それをどんな使い方で効かすか考えること。
要するに深読みが大事であるとの大浦先生の説明ですが、実際大浦先生の
臨床経験も参考に、たくさんの臨床の治験例の深読みで楽しい講義が
続いている。私は臨床家ですので大変感謝です。

今月は腰痛の五パターンです。1腰辺腫痛(腰の辺が腫れて痛いので慢性
ではなくぎっくり腰だろう)使用穴は、崑崙、委中、通里、章門の四穴あり、
大浦先生は崑崙が好み。大浦先生がX先生から聞いたという、上の方の
痛みに末端穴、腰の方だったら委中。頸と手首、足首は関連する。
頭痛は井穴の末端を用い、末端には末端という方法論。末端穴2穴で
治すのは難しい。腫れて痛んでいるので委中は血を採っている可能性がある。
通里は痛みを止めるためか・手に引き落ち着かせるためだろ精神的な緩和に
。章門、腰痛の人は腹直筋が棒状に突っ張っている。これを緩めないと
腰痛も取れない。先生は章門より大巨を使って腹直筋を緩めることが多い
ようです。鍼の太目、長めの時は章門からの方が良いかもとのこと。


2腰痛して腹鳴る。太溪(腎経)、太衝(肝経)、三陰交(脾経)、
大腸兪、胃兪灸30壮、神闕灸100壮。ガスと冷えが原因。田中知新はお腹を
改善し腎肝脾経どちらでもいいが下腹冷えは腎経、お腹全体には脾経、
脇腹が痛いは肝経。腰痛と腹痛と同時のことがある。便秘の場合は便秘を
解消しないと腰痛が止まない。腰痛のひとは腹痛を起こしている人多い。
冷えでも便秘でもお腹が張っているときは足の経は冷え切って血は巡って
いない。「気が臓腑に逆している」と和一は言っている。
臓腑と経絡間の気血が留守状態で経として末端まで行っていない。

そこで足の要穴からまずは患部に通じさせて引く。
大腸兪、胃兪30壮、神闕に灸100壮、お腹と連動してくる。
3腰痛して甚だしく、小便渋り、并びに婦人の腰痛にも尤も妙。胞膏。
婦人の腰痛やこしけや産後の腰痛、男性は尿路結石、前立腺肥大あって
小便が渋り腰痛。
先生は次髎穴の細い穴の刺入が得意で良く使う様です。胞膏穴は股関節に
向かいきょろきょろした硬い筋を横刺か斜刺するが骨盤内の冷えやあるいは
瘀血を解消する。 
4老人の腰痛  命門(灸3壮)腎兪(20壮)。
老人の腰痛は下腹部が虚し冷えていることから起こるので、針で腰の強張り
を緩めるだけでなく、灸を中心にして下腹部をあたため深いところの筋層を
緩めることが大事。
主は腎兪。老人は腎機能が弱ってきていので、夜に横になってから尿がたまり
夜何度もトイレに行く。


(市川友理)

 

| 杉山真伝流勉強会 | 20:20 | - | -
5月杉山真伝流勉強会

杉山和一記念館落成一周年記念

「管鍼法発祥の地、江の島バスツアー」のご案内

◆案内と解説:大浦慈観

◆日 時:6月18日(日曜日)

◆集 合:JR両国駅国技館出口「ちゃんこ霧島」前、朝7時45分。

◆出 発:8時、時間厳守(KM交通バス)。

◆内 容:杉山検校墓参、辺津宮にて祈祷、福石・中津宮・奥津宮の

各史跡を見学、岩本楼にて昼食。

◆参加費:10,000円。(定員:48名。)

◆申込み:大浦慈観(☎:028-321-7893

メール:robounokusa@mbk.ocn.ne.jp )

     鹿濱秋信 (☎:090-2458-3532 )

主催:公益財団法人 杉山検校遺徳顕彰会

 

杉山和一の墓

 

  弁財天石像         

| 杉山真伝流勉強会 | 02:04 | - | -
4月杉山真伝流勉強会

『杉山真伝流』勉強会 第138回 平成29415

              講師 大浦慈観先生

◆◆◆シリーズ:田中知新流と杉山真伝流(24)◆◆◆

 

今回のテーマ:「五蘊抄」南部(霍乱)、早瀉術・遠竜術

新しく参加者も増えたので、田中知新流を通じて鍼灸を

どう学んでいくのか講義がありました。

田中知新流の流儀書には、病症と使用する経穴名しか書かれていません

そのため、ただ読んでいるだけではつまらなく、勉強にならない。

では、どう読んでいくのか?

それは、書かれている経穴を使って動向かを出すのかを考えることが大事。

ただ、そこに鍼を置くだけでは効果が出ない。そこに書かれている病症は、

どんな身体の状態なのか、どんなアプローチの仕方があるのかを考えてみよう。

今回のテーマ「霍乱」には、さらに「湿霍乱」と「乾霍乱」に分けられている。

「湿霍乱」は、いわゆる「霍乱」と同じもので、嘔吐して下痢をするもの。

もともと腹中に寒があり、生もの、冷たいもの、腐ったものを食べたり飲んだり

して起こる。今で言うコレラや細菌性胃腸炎に見られる。「乾霍乱」は、

吐きたいのに吐けず、下痢をしそうなのに下痢をしない状態をさす。

どちらの病状の方が重たいのだろう。身体は不都合なものは排除しようと、

吐いたり、下したりする。吐けない、下せない状態は、病原菌が身体に

入ってきても出せない、かなりの虚証とみることができる。

こうした際は、灸をしたりして出す力をつけてから瀉法を行うなど、

2段構えの方法も考える必要が出てくる。

こうした身体の中で何が起きているのかを考えることができれば

霍乱以外の病症であっても、応用が利くようになる。

 

『端座流当流鍼書』からは、「脚気、頭痛、血の道、虫食い歯」

「諸病振るいつきたるに用ゆる鍼」「頭痛に用ゆる鍼」

について読解をすすめました。

杉山真伝流のデモンストレーションは、

「二十五術」より早瀉術・遠竜術を行いました。

早瀉術は、いわゆる速刺速抜の術。熱に対する瀉法として

用いられることが多いですが、真伝流では難産や産後の帯下など

婦人科の病症において、合谷を補って、三陰交に早瀉術を用いていました。

臨床応用として、早瀉術の名はよく見られます。

遠竜術は、三本の針を並べて立て、それぞれに術を施していきます。

こちらは臨床応用としては1例しか文献に見られません。

臨床では、あまり用いられなかったものなのかも知れません。

次回は520()です。

林弘観

| 杉山真伝流勉強会 | 07:57 | - | -
3月杉山真伝流勉強会

杉山真伝流』勉強会 第137回 平成29318

              講師 大浦慈観先生

◆◆◆シリーズ:田中知新流と杉山真伝流(23)◆◆◆

今回のテーマ:「五蘊抄」南(五淋)了鍼術・漣漏術

このころの淋病は性病だけでなくたくさんの病症の総称です。

それを理解するために、まずは五淋について学びました。

五淋とは石淋・気淋・膏淋・労淋・熱淋のことを指します。

漢方用語大辞典から文章を紹介していただきましたが、よくイメージがわきません。

そこで、大浦先生がさらにわかりやすく解説をしていただきました。
病症の軽い順から、気淋とは神経性のもの・機能失調。石淋とは、結石。

血淋とは、結石や尿路感染、癌を含む血尿をともなうもの。膏淋は、

膿が出たりする感染症。労淋とは、病気が進み、慢性腎不全のような状態に

陥っていること、と解説をしていただきました。この方が、イメージしやすいですね。

病症のイメージができるかどうかで、治療方針が変わるので、ここはとても大事です。

各病症をみても、下腹の経穴と、下肢、背中と使っている経穴は似ています。

けれども、身体の中で何が起きているのかを把握することで、どの経穴に、

どんな意味で鍼をするのかが変わってきます。膀胱炎のように、もともと冷えが

原因のものは、邪熱を抜いた後には補う鍼をしたり、灸をする必要があります。
田中知新流に合わせて引き合いに出した、『杉山真伝流』中之巻第三より

血淋の治験例が、とてもおもしろい内容になっています。

血淋による痛みのため、気を失った患者に気付けの鍼をし、痛みを緩和・寛解させて

いく様子が書かれています。お手元に大浦先生の書いた『杉山真伝流 臨床指南』

をお持ちの方は、一読してみて下さい。
『端座流当流鍼書』の解読では、「針脈之事」「むねのわるき時の針」「痔のはり」

を読んでいきました。あまり初診では言ってきませんが、患者さんと信頼関係が

できると、痔の相談を受けることがあります。痔の施術には、骨盤の鬱血を

とるためにどうするのか、またお腹の施術をしっかりと行って、

門脈へ行く血行の改善が大事なんだと、大浦先生からアドバイスがありました。

今回の杉山真伝流のデモンストレーションは、「二十五術」から、了鍼術・漣漏術です。
了鍼術は、「随鍼術」のように呼吸に合わせて行う補法の針。デモでお腹を

貸していただいた聴講生の方によると、鍼の後、おなかが温かく感じられたそうです。
漣漏術は、交ショ管術のように管を用いて、鍼の周囲を振動させ、

得気を促したり、拘攣を緩める術です。

今回の講座には、遠くはカナダや広島からの受講生がいらっしゃいました。
会の後の食事会でも、大いに情報交換で盛り上がったようですよ。

次回は4月15日(土)です。

(林弘観)

平成29年3月19日杉山真伝流基本となる18術の臨床応用

杉山和一記念館開設記念学術講習会

診断から治療への一連の重要事項として脈診、舌診、腹診で何を

把握するか?を受講者に考え答えてもらい、実際にお互いに確認し

体全体の病態把握をする練習をし、また治療効果を出すための手技

雀啄術、両行術、熱行術、髄鍼術、爻ショ管術を実践しました。

分かりやすく良かったと好評でした。(市川友理)

 

 

| 杉山真伝流勉強会 | 23:54 | - | -
2月杉山真伝流勉強会

『杉山真伝流』勉強会 第136回 平成29218

              講師 大浦慈観先生

◆◆◆シリーズ:田中知新流と杉山真伝流(22)◆◆◆

今回のテーマ:「五蘊抄」南(瀉痢・手足麻木)、亨竜術・遠通術

まずは、大浦先生から今で言う「下痢」の病症について解説がありました。

下痢は、泄瀉や痢疾として記載されていますが、病態が異なっています。

泄瀉は、脾腎陽虚のような状態と考えてよい。水様性のものが多く、

身体が虚弱であったり、冷えている状態のことと考えられます。

痢疾は、細菌やウイルスによるものであると考えてよい。さらに下血が

混じれば赤痢、混じらなければ白痢と呼ばれていました。

この病態を頭に入れて、読んでいくことになります。

「久息痢甚だ渋り痛を作す」には、気海・天枢

(甚だしき則は、右二穴に灸すること可なり)とあり、とあります。

「久息痢」とは「休息痢」とも書き、『漢方用語大辞典』では

「下痢をしばしば発し、また止まり、これがしばらく癒えないものをいう」

とあります。「瀉利」には、注があり「初発に刺すこと無用」とあります。

これは先に述べた痢疾の状態で、細菌・ウイルスは下痢を止めようとせず、

まず腸内から排出させてから止めることを目的としていたようです。

これは現代も同じです。大浦先生の体験では、鍼による刺激よりも、

こうしたときは灸の方がよく効くとの

ことでした。白痢には大腸兪、赤痢には小腸兪となっています。

これは五臓の表裏関係を表している。大腸は肺だから白。

小腸は心だから赤なのだろうとのこと。

ちょっと安易な気もしますが、どうでしょう?「麻木」や「痺」について、

田中知新流では上肢の症状なら上肢、下肢の症状なら下肢の配穴となっている。

上肢なら頚椎も忘れずに施術をすること、またシビレには鍼よりも灸がよく効く、

瘀血がからむときは指先より刺絡もよいと解説がありました。今回は、

お灸について考えさせられる回となりました。

『端座流当流鍼書』は「寸白の鍼」「こわり腹の鍼」の読解を行いました。

寸白とは、寄生虫のこと。当時は薬方だけでなく、鍼も用いていたようです。

真伝流のデモンストレーションでは、「二十五術」より亨竜術と遠通術を行いました。

亨竜術とは、雀啄と交ショ管を合わせた手技です。ここでいう竜とは、

深く潜んだ気をたとえています。江ノ島には竜が住むとされていて、

江ノ島で管鍼術を得たとする杉山検校に関わる術式には竜を用いる術名が

他にも見られます。遠通術は、上下の二穴に鍼をし、両手で捻る術です。

捻る向きを上下で合わすのか、反対に向けるのかコツがあります

経絡の上下に気を通すには単刺よりも早く、強く通るのが印象的でした。

次回は318()28期の開講となります。

5回前納をされる方は、お忘れなく。(林 弘観)

杉山真伝流勉強会28期

【開催日】3月18日(土)PM:5:00〜8:00

【会場】 東京都・七倉会館2階 (台東区池之端2-5-47七倉神社境内)

     地下鉄千代田線・根津駅南口下車、徒歩2分

     JR上野駅・公園口下車、徒歩15分

【内容】 講義:杉山真伝流中之巻と田中知新流、実技:真伝流「鍼法96術」。

【連絡先】大浦慈観

TEL:028-621-7893

E-mail:robounokusa@mbk.ocn.ne.jp

◆杉山和一記念館開設記念学術講習会

【開催日】3月19日(日)PM1:00〜4:00

【会場】 東京都・杉山和一記念館 1階多目的室(墨田区千歳1-8-2江島杉山神社境内)

【内容】 第6回講習会。大浦慈観:講義と実技「杉山真伝流 基本となる18術の解説

【受講料】一般4000円、学生2000円、顕彰会会員3000円

【連絡先】(公財)杉山検校遺徳顕彰会 TEL: 03-5337-7866(桜雲会・甲賀)

| 杉山真伝流勉強会 | 00:01 | - | -
1月杉山真伝流勉強会

『杉山真伝流』勉強会 第135回 平成29121

              講師 大浦慈観先生

◆◆◆シリーズ:田中知新流と杉山真伝流(21)◆◆◆

 

今回のテーマ:「五蘊抄」南部⓽ (黄疸、便閉結)、勇賀術、両光術

今日の『五蘊抄』は、『田中知新流 鍼灸秘伝』の条文「傷食して心中不安怫欝し、

腹張・眩暈・小便渋る者」に対し、「脾兪・内庭・三里」とあり、その解説から

スタートしました。この条文から考えられる身体の状態を考えてみましょう

お腹には、食滞やガス膨満があり、そこから上逆して、胸中にて心中不安怫欝

頭にて眩暈を起こしているようです。腸の機能低下から、水分吸収ができなくなり

尿量低下もおきていると考えると分かりやすい。

 大浦先生が同じ患者を施術とすると、上衝している邪気を手に引いて、

停滞しているお腹の機能をを調えていくために関元あたりの経穴と、

臍周りの経穴を用いる。その後、三里といった脚の経穴を使って、

さらにお腹を元気づける。田中知新流との選穴の違いは、使う道具の違いも

ありそうだと解説がありました。当時は、太い鉄の鍼でしたので、

刺激量なども考慮して読まなければなりませんね。

 さて黄疸ですが、『漢方用語大辞典』によると、「身体、目、小便が黄色となるのが

三大徴候である。病因は脾胃に湿邪が内鬱し、胃腸が失調し、胆汁が外のあふれて起こる」

とあります。それに対し、田中知新流も、『田中知新流 鍼灸秘伝』の条文を見ると

「中脘・梁門」となっています。『鍼針抜垂伍行三術秘要集』の黄疸の条文には

「皆、湿と熱とのわざなり。其の中に症に虚実あり。食物消せず、欝蒸して発る」

と説明しています。

 黄疸は、西洋医学的に考えても、身体の状態としてはかなり病状が進んだ状態です。

はたして「中脘・梁門」だけで効果が出せるのか疑問が残ります。 

 最後の条文は、「大小便閉結して普通」です。大便閉結だけなら、よく見かける病症だが、

小便まで出ないのは普通ではありません。身体の中で、何が起きているのか

考えることが大事です。腹中に熱がこもり、それを冷やすために水分が集まってしまい、

小便として出て行かない状態だと解説がありました。この条文に対して『鍼灸五蘊抄』では

「中脘(灸300壮)・百会・三里・五枢」とあります。中脘に灸300壮にも

目が引かれますが、大浦先生が注目したのは百会です。「小便不通」の条文にも

「石門・天枢・中脘・百会・三里」とあり、百会をよく用いていることが分かります。

痔疾に百会は有名ですが、百会は腹中に

働きかける効果があるのかも知れません。

『端座流当流鍼書』の読解では、「おこりの鍼」「しゃくりの鍼」

                              「はらはり こしのいたみのはり」

「二十五術」より「勇賀術」(天地人三段階に於温鍼+細指 )胃腸の虚寒に。

        「両光術」(二段階刺入で熱行術)気を集め冷えた拘攣・硬結に。

(林弘観)

次回は2月18日(土)です。

『杉山真伝流』勉強会のお知らせ

H29年3月18日(土曜日)より第28期開講

問い合わせ:大浦慈観先生 :028-621-7893 (PM9時までにお願いします)

              E-mail:robounokusa@mbk.con.ne.jp

 

◆日時:毎月第3土曜日。PM:5:00〜8:00

◆場所:(上野)七倉会館2階(台東区池之端2−5−47 七倉神社境内)

    地下鉄千代田・根津駅南口下車、徒歩2分。

    JR上野駅・公園口下車→徒歩15分。

◆会費:3000円(但し5回前納の場合は10000円)

◆主催:日本古医道研究所、主催:いやしの道協会

| 杉山真伝流勉強会 | 21:53 | - | -
12月杉山真伝流勉強会

『杉山真伝流』勉強会 第134回 平成281217()

              講師 大浦慈観先生

◆◆◆シリーズ:田中知新流と杉山真伝流(20)◆◆◆

今回のテーマ:「五蘊抄」南─弊刎棔盆気術・開気術

『積聚』。つまり、お腹にある塊のことです。似た言葉に痃癖があります

日本では、「げんぺき」から音が似ていることにより「けんぺき」、

さらに「肩ぺき」になり、転じて肩こりとしての意味も持つようになりました。

また、お腹の中の塊が、肩こりの元となっている原因にもなっていると考えて

いたようで、田中知新流でも、「痃癖(但し、腹に痞え有り肩痛むなり)」

となっていることからもわかります。田中知新流は、かなり高度な技術を持っており、

痃癖には臨泣・三里・陽陵泉を用いていました。つまり下肢の経穴だけで、

お腹に塊のある肩の痛みをとっていたのでしょう。

私たちも、下肢だけの経穴だけ施術しなければならないのでしょうか?

我々は、どう積聚や痃癖といった病症に施術していったらいいのでしょう。

『杉山真伝流中之巻』に、そのヒントがありました。中之巻では、痃癖は

「元気の虚+飲食の停滞+寒(瘀血)」と説明しています。つまり、

ただ鍼で塊をつつくだけでは変化が出せないので、お腹の虚を補うように鍼をし、

灸を行い、飲食の停滞や瘀血を流すことを主眼に施術をすればいいということです。

そのために、お腹や脚、背中の兪穴を上手に用いていきましょう。

端座流当流鍼書では、「こわり腹のはり」「むねの疵針」

「てんとつの立てようのこと」「てんかん」「夜なきの針」の読解を行いました。

「夜なきの針」は、「てのたかたかゆびのはらのぎりぎりに少しづつ両にたつるなり」

とありあます。「たかたかゆび」とは、他より高い指なので、中指のことを指すようです。

うちの子は8ヵ月になり、時々、夜中にぐずりますが、中指を針しようとすると

嫁さんに怒られそうなので、試すのはやめておこうと思いました。

杉山真伝流のデモンストレーションは、潯気術と開気術を行いました。

潯気術は、円心術を行った後、竜頭を叩いて振るわせるもので、「外瀉内補」を

目的としていました。記録を見ると、主に腹部に行っていたようです。

開気術は、目的の深さに対して、3段階に分けて術を行うもので、

各々の深さで細指術を施して調えていきながら進み、同じく細指術を施しながら

順々に退いていく術です。刺入していく段階では、あまり響きを感じませんが、

目的の深さから退いていくときの方が、より響きを感じるのが面白い術となっています。

大浦先生の説明では、深くの邪を表層へ浮かせてくる効果があるとしています。

 

(林弘観)

次回平成29年1月21日 (第3土曜日)

| 杉山真伝流勉強会 | 04:47 | - | -
11月杉山真伝流勉強会

WFASオプショナルツアー 「温故知新」日本鍼灸発展の歴史を知る

11月7日、世界鍼灸学会連合学術大会 東京・つくば のオプショナルツアーが行われ

墨田区千歳の江島杉山神社境内の杉山和一記念館において

「日本鍼灸の歴史および腹診実技」と題し、大浦慈観先生が午前・午後の2回

講演をされました。画像で日本鍼灸の歴史および杉山和一の業績を説明した後、

「毒」と「邪気」を目標とした腹診と鍼灸治療について、

世界各国より来日された先生方に説明されました。

また会場より実際腰痛になってしまった人や、便秘になってしまった人に

実技が披露されました。

このたびはすべて英語での説明でした。

いやしの道協会会員の長谷川洋介さんが翻訳に協力され、オーストラリアから

日本の鍼灸を学び、現在東洋鍼灸専門学校で医療英語講師のリネット先生が、

大変説得力ある説明をしてくださいました。

正確に堂々と通訳された寺崎先生、在校生で過去英語でのお仕事をされていた

西尾佳子さんの翻訳と接待、世界を旅しながら鍼灸をする卒業生の菊地さんと

友人のオーストラリアのベンジャミンさん等たくさんの皆様の協力で大盛況でした。

また5日、6日のつくば会場ではアメリカより鈴木ヘェザーさん、

ブラジルからは小渡ご夫妻がお弟子さんと一緒に来日しました。

いやしの道協会からは三輪正敬先生が

P147「災害時に鍼灸マッサージのできること」

と題しで発表されました。

(市川友理)

| 杉山真伝流勉強会 | 00:29 | - | -
11月杉山真伝流勉強会

『杉山真伝流』勉強会 第133回 平成281119 ()

              講師 大浦慈観先生

◆◆◆シリーズ:田中知新流と杉山真伝流(19)◆◆◆

今回のテーマ:「五蘊抄」南 (胸痛の病)、気えん術・陽膆術

今回は、胸の痛みがテーマとなっていますが、その病症として挙げられて

いるものは様々です。使われた経穴からうかがわれることは、胸中の

炎症または気鬱と、腹部の水滞、胃炎など炎症から起きてきた症状だと

考えていたようであること。

また、田中知新流は、局所の経穴はあまり用いず、手足の経穴を重視

しながら治療を行っていた様子です。

先生の用意していただいた資料『内科学』第9版 朝倉書店刊でも、

胸痛や胸部圧迫感は、/澗ー栖気領彎仮評として重要であるが、

⊃澗^奮阿任盒珊估發梁臚位、肺動脈、気管、胸膜、縦隔、食道、

横隔膜、6珊亞阿琉濬銃鷸慊押∝溝 胆嚢、・・・()などの以上も、

その原因となる」とあります。

田中知新流は、消化器系を問題として起こってきた胸痛を得意とした

流派だったのでしょう。膈噎や呑酸などの治法は、背中の治法を用いる

部分が大きく異なるものの、杉山真伝流中之巻にも影響を与えていることが

分かりました。

端座流当流鍼書の読解では、「たつかうの鍼(脱肛の鍼)」

「大小便のつうぜざる時の鍼」「ちうぶのふるいの時の鍼

(中風の振るいの時の鍼」「としにの鍼(閉じ児?の鍼)」を読みました。

閉じ児?の鍼は、当時は、鍼で堕胎も行っていたのが示唆され、

現在の鍼灸師とは違う姿が見て取れます。自分だったら、やりたくない仕事ですね。

杉山真伝流のデモンストレーションとして、気えん術と陽そ術が行われました。

気えん術は、3方向に乱鍼術、雀啄術、気行術を刺鍼転向しながら行う術で、

冷えが強く痛みが大きい部位など、広い面積を緩める術として用いられていました。

刺激量が大きいので、患者さんの状態を見ながら行わないと行けません。

陽そ術は、3段階に分けて刺入し、各段階の深さごとに、捻鍼を行う術です。

捻ることで、気を集め、温めながら刺入していくことで、虚寒の部位を

補うために行われていたようです。

モデルの方の話では、「こちらは、気えん術と違って、心地良く暖まってくる」とのこと。

最後は、皆で術の練習や、それぞれの課題を練習しました。

(林弘観)

次回は12月17日(第3土曜日)です。

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