いやしの道協会ブログ

いやしの道協会の最新情報をお届けします。

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7月 関西支部研修会

714(日)高槻市民会館和室にて関西支部研修会が行われました。

お隣の神社では、これから結婚式です。

腹診と背候診の対応       村田先生、井上先生

腹診のあと、背中との対応を学びます。

それが実際の治療時に力となっているのを感じます。

目の付け所と治療ポイント。鍼をして体の変化を見ます。

稽古を重ねるにつれて、相手の体質、鍼への感受性、普段の状態などが解ってきます。

入門講座実技と講義      玉水雲観先生

学生さん(1年生と2年生)。真っ新なひとに「いやしの道」をどう伝えるか、

静かな熱意の交感が行き交います。

傷寒論真髄        村田底観先生

307章 桃花湯の具体的な例

小便不利は津液の亡失によっておこる。下痢やまず、膿血便は桃花湯が主治。

西洋医学病名では、赤痢、痔、潰瘍性大腸炎、自己免疫疾患(関節リュウマチ、エリテマトーデス、儀薪尿病)など

鑑別1 ‖臘(しぶり腹) 便通やおならで楽になる。

    ⊂腸(嘔吐をともなう) おへそ回りの痛み。

鑑別2 慢性下痢  159章 赤石脂禹餘湯 下痢やまず(下焦)。虚がひどいわけではない(太陽病)。

           316章 真武湯 腹をあたためれば楽になる。虚寒水毒、四肢沈重(少陰病)

用い方 熱が下がってから用いる。(尾台榕堂) 熱のある場合は桃花湯証ではない。

308章 下痢膿血便への刺法

【黄帝内経明堂】  腹哀、太白、下巨虚  :熱を減らす、下腹の熱を引く鍼

【同】慢性下痢には 会陽、四満、復溜、中都(ゆるんでダダもれの時) 

309章 呉茱萸湯  吐利、手足厥冷、煩躁(死にそうなほどの) 

頭痛がある(頭重、めまい)、嘔(げっぷ、しゃっくり)、胸満(胸焼け、不眠)、煩躁、心下痞鞕(食欲不振、胃不調)、発作前(首、肩の凝り)

鑑別1 胸満3種(奥田鳳作)

仝礦ヨ弌\垢蠑紊る 枳実 窪んで詰まった 8朴 丸く張った感じ(ガス)

鑑別2 腹中の寒冷(水毒)上へゆけば吐、下へ行けば下痢

‥任メイン 呉茱萸湯 下痢がメイン 四逆湯  

 

東洋医学のとらえる病態が、西洋医学の違った病名の中に横断して見られるのは、病の診方が変わります。

他章と突き合わせて、胸満や腹証の違いを鑑別するのは、情報が整理されて解りやすいです。

 

基本の型(15分制限)・チェックシート     

時間を切って基本の型を通してすると、今の自分の状態と課題がはっきり解ります。

 

『方伎雑誌』   井上泰観先生

47  鼓脹の婦人の妊娠、出産の治療2例

 鼓脹(腹部が腫大して腹皮に青筋があらわれ四肢の腫れない病証)

‖膕牡丹皮湯では→大病人 当帰芍薬散と虎杖煎で→小便快利、腹脹軟和、経血順利

大承気湯、当帰芍薬散、真武湯 証に随い兼用 → 腫脹大いに減ず → 産後では著効なし

48  方用に熟すれば、当惑することなし

たとえ、方意の解りかねる方であっても、自由に活用できる。

49  若き日の、往診デビューの話

僻地に生まれたことで、かえって、未熟なときに経験をたくさん積むことができて幸いだった。

50  寸白(真田虫)の症について

51  破傷風について

52  発狂の陽症は滝水に当たるのがよい。

 

井上先生の講義はたんたんと進んでゆくので、後で一人で疑問に悩むこともあります。でもそれも含めて、自分の頭で考えるための講義だと言えます。

 

丹田呼吸と身体づくり

部屋の照明をおとして静かな時間を持ちます。

それをどう感じるかは人それぞれです。どうだったでしょうか。

相互治療の課題の発見

(腹診と基本の型)で見つけた課題にトライしつつ、新たな稽古相手の治療をします。

振返りの会

今日の研修会でのその人の新しい発見など、それぞれの胸の内を知ることができます。自分の中でそうした言葉への共鳴や反響、反芻もあります。濃密な1日でした。先生方、皆さんありがとうございます。

 

〔関西支部研修会〕毎月第二日曜日 8月のみ第三日曜日             

8月18日(日)、9月8日(日)、10月13日(日)、11月10日(日)、12月8日(日)です

 

〔東洋医学と養生の会〕 毎月第四日曜日に 会場:心耳庵(京都 上賀茂) 又は、栖賢寺で開催する予定です。 

7月28日(日)、8月24、25日(和歌山県色川 合宿)、9月22日(日)、10月27日(日)、11月24日、12月(休み)

 

文責:小倉

| ◇関西支部 | 14:25 | - | -
第11回いやしの道協会・合宿のご案内

 鍼灸による<日本的ないやしの道>を学ぶ

 創始者・横田観風による直接指導が受けられる数少ないチャンス、

   講座「<万病一風的治療>を手ほどきする」あり!

 

主催:いやしの道協会

日時:令和元年 9月15日(日)13時〜16日(月・祝)15時(1泊2日)

場所:茨城県つくば市「ホテル ニュー梅屋」

*秋葉原からつくばエクスプレスで約45分、「みどりの駅」より無料送迎バスあり。

 

【今年の眼目】

「<万病一風的治療>をてほどきする」横田観風

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「江戸期鍼灸からみた<いやしの道>」大浦慈観

「鍼道発秘の刺法」海野流観

「妊産婦との万病一風的治療を模索して」村田底観

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

‣座談会「死の臨床について」朽名宗観、三輪圓観、安田無観、海野流観、石井道観

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

‣実技指導  師範、准師範、正教授の指導者陣 ※少人数の指導体制。

 

参加費

 会 員 22,000円(会員学生 18,000円)

 非会員 27,000円

(本年前期「初伝・入門講座」の受講者は、会員料金にてご参加頂けます。)

*1泊3食・講習会費全て込み。(2日目の昼食代含む。)

*お支払いは、お振込のみになります。(当日払いは、ございません。)

*宿泊・お料理のご用意がある関係上、如何なる理由に関わらず

 1か月前よりキャンセル料が発生致しますので、予めご了承ください。

*持ち物:筆記用具・鍼(入浴用バスタオル・歯ブラシのご用意あります。)

 

お申し込み方法

 メールにて、下記内容をご連絡頂き、こちらからの確認メールを受け取られたのちに、参加費をお振込み下さい。

 3日以上たってもメール返信の無い場合は、届いていない可能性がございますので、

 お手数ですが、再送頂くかお電話にてご一報願います。

  ―蚕蝓´∋疚勝´性別 ➃携帯番号(緊急連絡用)コ慇犬両豺腓漏惺嗣勝鍼灸師の場合は、経験年数

  α畤欧魎望(部屋割の際、なるべく配慮します) Ч圓送迎バス利用 要・不要*「みどりの駅」になります。

  本年前期「初伝・入門講座」の受講者はその旨をお申し出ください。

 

お問い合わせ・申し込み先      

 メールアドレス:iyashinogashuku@gmail.com

 ※電 話:090-6103-2822 坂井

 メールにてお申し込み頂いた後、折り返し振込口座等ご連絡いたします。送信後1週間以上たっても返事が無い場合は、

 メールが届いて無い、あるいはこちらからの返信が迷惑メールboxに振り分けられている可能性がありますので、

 改めてご一報下さい。

 

◆お申込期限:7月31日(振込期限:8月16日)

 *入金後のご返金は致しかねますので、予めご了承下さい。

 

【会場】「ホテル ニュー梅屋」アクセス】

HP参照:http://hotel-umeya.jp/access

住  所:茨城県つくば市谷田部5650−1  ☎029-838-0311

電  車:つくばエクスプレス「みどりの駅」より送迎バスで10分。

  車 :常磐道谷田部ICより車で5分。

     圏央道つくば中央ICより車で5分。

     駐車場は無料です(50台)

 

☆宿泊・研修等に関するご質問は、いやしの道協会(前記の「お問い合わせ先・申し込み先」)にご連絡ください。

 

文責:合宿担当 牛尾

| ◇合宿研修会 | 22:23 | - | -
6月 東京接心会

6月22日土曜日17時半から、駒込の勝林寺さんにて東京接心会が行われました。

 

 

○実技

チェックシートの其々の課題も指導していただきます。

実技の時間に、住職の息子さんからみんなに、かわいい絵のプレゼントがありました!

色んな虫の絵が多かったですが、ほっこりするいい絵です。

 

○講義

お茶とお菓子で一息ついてから、朽名先生による講義です。

ー女性と漢方ー(資料:いやしの道機関誌第6号より)

4月の講義では陽病の冷え性の漢方の解説がありました。

その続きで、陰病の冷え性の漢方、逆子の治療、不妊症の鍼灸治療の意義等についての講義がありました。

また8月には、つわりについて等に続きます。

 

○坐禅

本堂に移動して坐ります。

 

最後に白隠禅師坐禅和讃を唱えて終わりました。

足がしびれつつ、、お疲れ様でした!

今日も良い時間でした。

 

次回の東京接心会は、7月27日土曜日、17時半からになります。

初めての方もどうぞご参加ください。

 

(文責:坂井)

 

 

 

| 東京接心 | 16:52 | - | -
6月 杉山真伝流勉強会

『杉山真伝流』勉強会 第163回 令和元年6月15日(土)

           講師 大浦慈観先生

◆◆◆シリーズ:『杉山流三部書』から(23)◆◆◆

今回のテーマ:「撰鍼三要集」(序文)、環隄術

前書き

「療治大概書」を編纂後「類経図翼」に強い感銘を受けた杉山和一は自らの序文と跋文

を加えて、「撰鍼三要集」を著した。1682928日、杉山流鍼治学問所が正式開校

すると、「療治大概書」と「撰鍼三要集」の2冊がテキストとして暗誦された。

大浦先生の説明を加えさせていただくことで、幅広く知っていただきたい。

「撰鍼三要集」(序文)

私は愚か者ではありますが、鍼を志してから大部の日数が過ぎました。自分は物の見方

が狭かったが、京都の入江先生のお弟子さんの末席で入江豊明先生の内経の講義の、

このようにしなさい、あのようにしなさいという命を聞くことができた。入江先生は軒岐

(黄帝軒岐と医聖岐伯)二人の医学問答形式で編纂された「黄帝内経」これを大元として

講義をしていた。常に学ぶべきものは内経だと。鍼法においていろいろとなえる人が多い

が、大事なことは補寫要穴にすぎない。日本人は、臨床の大切なことを単純化して要点を

役立つように核心的なところを単純化して教えようとする。もう少しいうと、虚実を分別

し補寫を用い五兪穴を大事なものとする。要穴(募穴や絡穴や郄穴・・)を主として勉強

せよ。また余力あるときは、経穴をそらんじよ。ここにおいて鍼の道おわる。

臨機応変その場や情勢の変化に応じて物事をうまく処理する。医とは意を尽くすことだ。

私は入江先生の幽玄で奥深い言葉を慕い書を作る。その大意(大まかなことを)を述べ

ました。これが「撰鍼三要集」であり、書いた理由は門人初学者の為に発した。すべての

物事に対しその働きの円熟している立派な人にとっては余計なことであろうが。

後漢の和帝の時(89105年)の太医丞に任官した、郭玉という医者が残した医は意なり

(医術は患者さんのために心を尽くし治すものだ)ととなえた。円機の士必ずもって贅

(ぜい)となさん。円機の士とはすべての物事に対し、その働きの円熟している人のこと

を言い、郭玉さんは師匠が程高(ていこう)と更なる師匠涪翁(ふうおう)仙人のような人

がいて、鍼術と、脈診を継ぎ貧富の差無く治療をして効果を上げ和帝にも高く評価された。

涪翁(ふうおう)さんは世間に出ることを嫌い村の人の治療はするが官僚になることを嫌い

仙人の様な生活をしていた。程高さんは涪翁さんを慕い師弟関係にあった。郭玉さんは程高

さんと師弟関係をとった。郭玉さんは自分の欲の意はなかったが当時の帝に認められ師匠の

ような生き方とは違い官僚になったが、貧乏人が来ると上手く治せるのに貴族が来て治そう

とすると上手くいかない。「ばてい」という王様が変だと思い自分の家来を貧しそうな恰好

で治療に行かせるとある程度うまくいったが質問された。医術は患者さんの為に心を尽くし

治すものだ。このように治療したいと思っても威張った人も、治療しても養生をしない人も

私にお金をけちり、辛い時だけ来て言うとうりに治そうしない人も、私が一生懸命でも心の

通じないと人は治せない。と皇帝に言い、「医は意なり」といった。

題に曰く、内経の宝命全形論の^綮佞凌世髻弊鎖澄砲魄堕蠅気擦襦 ⊃箸鰺椶

(養生の大切さを知る。)4訴薬毒薬を知り(毒をもって毒を制す)は漢方だ。

トリカブトや石や水銀やなども微量使い病邪を出すこともある。毒薬の真理を知ることが

大事だ。い悗鸚个了箸なを知るべき(鍼の使い分け)ヂ∞イ侶豕い鯲匹診察できなく

てはいけない。五つの法則をともに知って上手に使い分けする。

私が思うに黄帝と岐伯の問答霊枢の玉版篇の、岐伯さんが鍼についていっていることは

重要なことだ。鍼は生きている人を殺すこともあるし死人を蘇みかえらすことはできない。

怖いものだ。これに対してそのようにならないようにしよう。確かにそうですよ。

岐伯よく生きている人を殺し死んだ人を生き返せないですよ。皇帝言うに之を聞くことは

不人(不仁)なりと。それ医は仁術というがそうではないではないか。

願がわくはその鍼道を聞き、人に対して鍼をするときは人を殺したりしないようにしたい。

使い方を聞きたい。岐伯いうに皇帝の言うことは明道なり。(素晴らしい)必ずそうなる

でしょう。刀剣で人を殺すこともできるし、刀にも殺人刀、活人刀があり

酒も飲めば酔うし、お酒にも薬になる酒と毒になる酒もある。そういうものなので物の道

には慎重に使い方を極めなさい。だから内経は奥深いか。

これに対して誤解してしまった話です。

唐医家の王(おうとう)さん「外台秘要方」40巻を編纂した人(編纂者であり鍼医で

はない。)宝命論にいうところを持ち出し、王さんは深意を失い、鍼治療に強い不信を

いだいており鍼を取らなかった。「鍼法は古来、奥深いもので、今の人には理解できず、

・・もし鍼法をそのまま収録すれば生命を脅かすこともあろうから、灸法だけを採用擦る」

鍼治療にかかわる記述のほとんどを削除するか灸治療に改変した。和一先生はそれを間違

いですよといっている。「外台秘要方」はたくさん読まれていたので唐時代は灸ばかりで

あった。遣唐使は唐の時代であったので弘法大師も灸であった。元や明の時代竇漢卿

(とうかんけい)さんが盛んに鍼の学校を造り鍼師を育成した。室町まで民間でも灸法で

戦国時代後半になり、軍医が「気つけ鍼」馬医と軍事面から鍼の復活がしてきた。

江戸時代に鍼灸が盛んになるが(王さん)がそんなことをいったので、鍼を取らなく

なった。どうしてそれが道理のあることなのか!と反論している。

独り危険は鍼だけではない。全て灸でも漢方薬でも使い方をまちがえれば人を害する同じ

ことだ。内経に鍼のみ人を殺すというは、実に深意があってそのようにいっているのだ。

宝命論に言っているのは鍼をするときは、身の危険もあることなので、深い滝つぼを

歩く時のように慎重に、また手に虎を握るがごとく大胆さと慎重さが必要となる。

神は衆物に営む(心の中に雑念をいれるな。)(生きるか死ぬかの心持ちで治療せよ。)

王冰さん唐の時代宝応年間(762763)に太僕冷に任ぜられた。当時行われていた

「素問」8巻が不備であるとして、先師家蔵の「秘本」を加え、2479編に再編纂し

自ら注釈をほどこした。また、当時「九巻」と呼ばれていた古典医書を初めて「霊枢」

の名で呼んだ。素問は1から9巻であるが、実は8巻だったが1巻王氷の叔父さんの

持っていた運気論がそれにあたるのではないかと9巻」目に付け加えられた。江戸時代、

あれは本物でないと批判された。天空の動きと人体の相関関係にあるが天の運気とつなげて

いるのは前漢終わり頃や後漢の初めころの時代に運気論のようなものはなかった。後世の

哲学からみちびきだしたものなのと認識している。王冰を改ざんしたと批判しても、王冰が

編纂して今日我々はお陰様で学ばせてもらっている。霊枢という言葉も彼のお蔭であり

古い昔は、九巻また鍼経といわれていた。王冰さんの宝命全形論の注釈していたところの

技の巧なひとのやることなので妄りにこれを使ってはならない。王冰さんの工功なのだ

医統(古今医統という書名)(明代の医家、徐春甫が1556年に編纂。に曰く扁鵲曰く 

疾が腠理にあるときは螱炳なり。(火で温めた金属や石で温補して治す)疾血脈にある

ときは鍼石で治す。疾が胃や腸にあるときは酒につけた薬酒。鍼灸薬を兼ね備えて

医療は成り立つ。続きは次回です。

              

実技は21術最後の環提術 (巡らすし安らかにする術)中に力がつくと、

目的部位まで1寸5分入れるよく捻る、

円鍼のような感じもあるが中まで入れて浅い層へ。

次回は7月20日です。

(市川友理)

| 杉山真伝流勉強会 | 21:23 | - | -
6月 東洋医学と養生の会

6/23(日)上賀茂にある心耳庵にて東洋医学と養生の会が行われました。

夏至も過ぎたのに、まだ梅雨入りしない関西の晴れの間です。

 

 

経絡流注講義 玉水先生

 

一般の人が来られる前に鍼灸師の希望者が集まり四部録基礎講座。

この日は『経絡流注講義』の序文をやりました。

時代とともに発展進化していった流注。

そもそも経絡とは、というお話でした。

 

 

貝原益軒 楽訓 村田先生

 

初めての一般参加もいらっしゃったので、まずは自己紹介から。

その後、貝原益軒の楽訓を輪読と解説。

 

今日は「自然の景色を愛でる楽しみ」

以下は概略です。

 

四季の移ろいや山水月花の美しさを楽しむ心を持ちましょう。

それはお金があってもなくても楽しめることです。

自然の営みに感動する楽しみには制限はありません。

それは外のものに対する欲ではなく、自分の心の中にある楽しみです。

お金があり欲のままに過ごしても、その時は良くても後々苦しくなります。

例えば豪華な食べ物を欲しいままに食べ、その時は心地よくなっても

やがてはそれが元で病になり、自分の苦しみとなります。

山水月花を楽しむのは、一日中楽しんでも他人を苦しめることも

自分の身を損なうこともありません。

天地自然の営みは心を養うもので、貧富の差に関係なく楽しめることです。

 

 

確かに、、、

景色をみてキレイだなあと思うのはタダです。

キレイな景色をみて踊り出したくなるような歓びを感じる人になれたら

毎日が感動の連続です。

都会の中で暮らしていて自然が感じられないという人も、

せめて空を見上げてキレイだなあと思えるような余裕を持ちたいですね。

何せ今の世の中は、心にゆとりを持つのが難しいです。

欲は限りなく、それに反比例するように余裕がなくなっているような

息苦しさを感じることがあります。

 

さて、お勉強の後は体を動かす時間です。

今日は真向法の体操です。(玉水先生による指導)

 

 

まずは足首を回してから、順番にストレッチを。

呼吸と合わせて体をじっくり伸ばしていきます。

 

体が固い!イタタタ、、、という人も

無理せず気持ちよく自分の呼吸を意識しながら。

 

 

ヨガのひねりのポーズも取り入れて

まんべんなく体をほぐしていきます。

 

最後はゴロンと横になり。

体の力を抜いていきます。

全身リラックスで気持ちいいー!

眠ってしまいそうです。

 

そして、体がほぐれた後は治療の時間。

 

 

一般参加者の人に受けていただきます。

鍼灸師同士もお互いに治療します。

 

最後は円座で今日のふりかえりの時間。

 

体の感覚を信じるということ。

感覚に気づくということ。

それぞれの気づきがありました。

 

参加者の皆様、ありがとうございました。

次回の養生の会は7/28(日)の予定です。

 

(文責:竹ノ上)

| 東洋医学と養生の会 | 09:27 | - | -
6月 東京月例会

6月16日、梅雨とは言えカラリとさわやかな暑さの中、根津の七倉会館にて東京月例会が行われました。

1.静坐

 身息心の調和。息を整えて静かに坐ります。

 

2.講話  堀雅観先生
 「短時間で最大効果をだすための工夫(二)〜学術道、それぞれの重要性〜」について

 

今回の堀先生の講話は、三年前に同じテーマでお話下さったもの(詳細は機関誌17号を参照)の続編です。
前回のお話から三年を経て、「最近はこういうことを考え、行じている」というところをお話下さいました。

・短時間治療の意義
  治療は「最大効果を出す」ことが目標となるが、経験的に、長時間やればやるほど効果が出たということはなく、余計なことをしないことの方が大事だと感じていた。
  今現在、平均20分で治療を行っていて、その為の工夫を皆さんにシェアしようという意図で今回の講話を行って下さいました。

・治療方針の工夫
  初伝→中伝→指導者とそれぞれの段階で、四部録、機関誌を読み込んでいくにつれ、理解が深まっていき、観風先生がよくおっしゃる「悪いところを治療すればいいんだ」とはこういうことかと腑に落ちたそうです。

・手の内の工夫
  診断、治療全てのベースとなる「気」を感得することがやはり重要である。治療をするのは生きたツボだけ。

・心の工夫
  「これで良いのか?」と迷いながらの治療では、良い治療は実現できない。
  治療者が安心の状態にあるとそれだけで患者は癒される。不安も安心もその波動は伝わる。

 

 

・インドでの治療経験
2019/1/31〜2/11にインドに行かれた際の治療経験をお話くださいました。
詳しくは堀先生のFacebookのインド旅行記をご参照ください。
(https://www.facebook.com/hori.masafumi.5)


いやしの道の教えを学んで「なるほど!その通りだ!」と思っても、いざ実際やってみようと思うとできない…ということについて、堀先生がどの様に考え、一つ一つ探求されてきたかということの一端をお聞きすることができて、こうやって自分自身で学び掴んでいくものなのだと大変勉強になりました。

 

 

3.臨床検討会  池内毘観先生
 「顔面神経麻痺の一症例」

 

 

顔面神経麻痺の患者さんを発症初期から集中的に治療する機会に恵まれた。
この患者さんは、毒と感じるところが沢山あり、どこに手を付けてよいか迷う方であった。
今までは悪そうなところをなんとなく全部治療してしまうということがあったが、最近は段階的に計画的に治療するということを課題にしていて、今必要な最小限の治療をすることを心掛けている。

【患者】六五歳 男性  身長一五九僉‖僚渡燦洵圈
【初診日】二〇一九年四月三日
【主訴】右目瞬きができない。口からものがこぼれる。右口角周辺のしびれ
【その他の症状】肩こり 右目の乾き 頭皮の張り感 
【現病歴】二〇一九年三月一七日。朝、歯磨きをする時に、口から水がしたたり落ち、さらに翌日の朝、鏡を見ると、顔の右側が歪んでいる事に気がつく。三月二〇日病院を受診。そのまま入院。顔面神経麻痺と診断され(中枢性及びハント症候群の可能性は否定)二週間入院。入院中は、ステロイドによる治療を三クール行うが変化なし(四〇点検査法:初診時四点退院時六点)。退院した翌日の四月三日。鍼灸治療を希望して当院を受診。二〇一八年一一月、職場解雇の話があり、二〇一九年一月解雇が決定し心身ともにストレスを抱えている。二〇一九年一月右上の歯を二本下の歯を一本抜歯し、その後、化膿が治まらないため、歯茎の処置を三ヶ月間継続中であったが、顔面神経麻痺が発症したため、一度歯の治療を中断。その他、顔面神経麻痺が起る二週間前、右の耳の中でゴリゴリするような音があったとのこと。

【既往歴】レックリングハウゼン病(今まで腫瘍を四〇〇個以上切除) 二〇〇九年胆石の手術(後、二〇一八年の盲腸手術時に器具の置き忘れが発覚。)
二〇一八年一二月盲腸の手術。 

【服用薬】ビタミン剤 血流をよくする薬(薬の名前は不明)

【緩解因子】よく寝れた後は顔がスッキリする

【増悪因子】精神的ストレス(持病、容姿のためか被害者意識がやや強い。)

【診察所見】脈診 寸は浮取 関上は中取 尺中は沈取でそれぞれ最も強く触れる。全体的に脈は右が強く触れ右寸口が最も強い。舌診 質:紅舌 瘀血(舌体赤みの中に、暗さが有り、舌下静脈やや怒張)歯根あり。舌苔:白苔
腹診:胸部表面はさほど熱を感じないが、しばらく手を置いていると徐々に熱感を感じることから、深部に熱があると判断。腹部は、全体的にポッチャリとしており、最終には冷えを感じる。心下には冷えと少し膨らみを感じ、盲腸の手術跡周辺は固くその少し上にモワモワとした邪を感じる。臍の両側深くに抵抗がある。
睡眠:平均六時間。不思議な夢をよく見る。(盲腸の手術をしてからは大分減った)時々熟睡感なし。 
二便:大便:一日一回バナナ状(入院していた二週間は便秘気味であった) 小便:夜間尿一回

 

 

【診断と治療方針】
 職場解雇のストレスや長期的な歯の治療といった出来事が邪を迎え入れる環境を作り、邪が内攻、顔面神経に到達し主訴を引き起こしたと考えた(第三段階)。その他、胸部の沈静化していた毒に同じく、ストレスや、歯の治療を機に邪が届き「内から外へ」新たな邪が発せられている可能性も念頭に置きながら、まずは表位の邪毒に対して治療を行う。

【治療経過】
《初診・二〇一九年四月三日》右手の合谷に少し時間をかけて引く、右顔面部周辺に散針。項と肩胛間部の筋に単刺。以後四診まで同じ治療を続ける。
《第二診四月五日》第一診後、「『目の開きが少し良くなったね』と妻に言われた!」との報告をうける。治療直後肩が少し重い気がしたが翌日には逆に軽くなっていたのを実感。
《第三診四月八日》第二診帰宅後、帰宅すると右目から涙がポロポロと流れた。以前より、よく眠れる。よく眠れた次の日は顔がスッキリしていて調子がよい。
《第五診四月一三日》まぶたが閉じやすくなり、目が以前のように乾かなくなった。飲食、うがい時に口からものがこぼれる事もほとんどなくなる。盲腸の手術痕周辺がここ二日、引き攣れる。対症療法的に今までの治療に手術痕周辺の温灸を加える。
《第八診四月二〇日》第五診目に盲腸の手術痕を温灸であたためる治療をおこなったところ、その後引き攣れるようなことは無くなる。予防的に八診まで腹部の温灸を継続。主訴はその間大きな変化なし。
《第九診四月二二日》八診目以降あまり調子が良くない。口角も以前のように重さを感じる。(ハローワークに行くなど、離職後の手続きが大変だった。)脈を診ると、右の寸口の左右差が整っている。
第八診まで表位の邪を意識した中心としていたが、これより胸部の邪に目を向ける。

【所見】脈診寸口左右差整い、浮取より、中取沈取でしっかり触れる。関上は中取・沈取 尺中は沈取でそれぞれ良く触れる。左右差はあまりなし。腹診:この頃から臍の下に帯状に発疹があらわれるが、主訴との因果関係の有無は見いだせず。

【治療方針】 胸腹部で観察できた毒の内、胸の邪熱をさばく事を中心に行う。胸椎の三番〜七番の骨際に生きたツボを見つけやや深めに刺し邪熱を引っかけるように引っ張る。後に右手の陽経に邪の逃げ道を作るイメージで気を引く。腹部の発疹に浅く単刺、右の痞根に深く刺して、左足に津波鍼。

《第一一診四月二七日》前日の二六日に病院で四〇点検査を受けたところ、二六点。(退院時六点。)胸部の熱感やや減少。腹部の発疹も薄くなる。今までおデコの皮膚はサランラップ
で覆ったように、ツッパリていたが、この頃より、皺がうっ
すらと作れるようになる。
《第十四診五月七日》臍下の発疹は消失。熱感は有り。
《第一七診五月一八日》まだ、顔の表情に左右差はあるが、おでこにしっかりと皺かできるようになり、再就職活動も再開するようになる。

【考察】今回の症例では、治療初期では外から内攻した表位の邪を中心に治療を進め、途中胸部の邪毒に対する治療に切り替える事で引き続き症状の変化を観察することができた。このことから、本症例の主訴は、外邪の内攻による第三段階と内部から発せられた、邪毒の二つが同時に関与していた事が示唆された。

 

 

4.実技稽古
初伝同士、中伝同士の組となって、実技の稽古を行いました。

 

5.連絡事項

合宿のお知らせ
・2019年9月15日(日)13時 〜 9月16日(月)15時
・茨城県つくば市「ホテル ニュー梅屋」
・今年の目玉
 ☆横田観風先生による指導があります。
 ☆以下の講義があります。
  ・大浦慈観先生「江戸期鍼灸からみた<いやしの道>」
  ・海野流観先生「鍼道発秘の刺法」
  ・村田底観先生「妊産婦との万病一風論を模索して」
 ☆実技の時間もたっぷりあります。

※詳しくはブログ<合宿のご案内>をご参照ください。

 

(文責:中川)
 

| ◇東京月例会 | 22:49 | - | -
6月 初伝フォローアップ講座

昨日の雨から一転、日差しが痛いくらいになった16日、初伝フォローアップ講座が行われました。

 

 

根津神社の紫陽花が綺麗です

 

1、静座

 

心身を整えるために5分程坐ります。

午前中はそれほど暑くもなく、風の音もとても心地よかったです。

堀先生も一時間ほど坐っていたかったと仰っていましたが、とても気持ちの良い時間でした。

 

2、傷寒論真髄素読

 

 

いやしの道の根幹である傷寒論真髄の素読。

本日は27章、『桂枝二越婢一湯』です。

 

理解するためには、傷寒論ではなく『金匱要略』の中の越婢湯や、傷寒論でももう少し先でやる大青竜湯の知識が必要だったり。

 

勉強あるのみです

 

3、指導者講義

 

今月も堀雅観先生による、『万病一風的治療に活かす西洋医学講座』です。

 

まずは、軽く先月のおさらいから。

 

 

次いで、筋肉のテストを学んでゆきます。

 

 

学んだ後はペアになり、実践です❗

 

 

最後に仙腸関節の刺し方を学びますが、その際のポイントとしては、仙腸関節の邪気に鍼が当たった時に、不調時の痛みと同じ様な響きが再現されるか?ということでした。

 

今月も盛りだくさんな内容で、とても勉強になりました。

 

次回の初伝フォローアップ講座は7月21日の10:00〜になります。

 

暑くなることが予想されますが、来月もよろしくお願いします❗

 

(文責:松本)

| 初伝フォローアップ講座 | 12:41 | - | -
6月 関西支部 研修会
6月9日日曜日、高槻芸術会館にて関西支部研修会が行われました。




○自己紹介

今日は初参加の方がお二人来て下さいましたので、一言づつ自己紹介。




○実技・腹診

(腹診背診を詳しく)


○実技・入門講座

(基本の型を稽古)



○初伝終了試験

筆記試験が行われました。





○実技・基本の型

(基本の型に忠実に)





○実技・治療と課題の発見

(とにかく治す事を考える)







○研修内容についての話し合い

(議題) ・腹診だけの実技稽古について
・基本の型の実技稽古について
・治療と課題発見の実技稽古について
・傷寒論真髄の講義について
・方伎雑誌の講義について
・いやしの道しるべ入門講座について
・丹田呼吸と身体づくりについて

今思うこと、困っていることなど意見を出しあい話し合う機会を頂きました。
最初の緊張感は直ぐに和らぎ、正直な意見が言える空気になり、ざっくばらんな話し合いの場となりました。
当日初参加のお二方も新鮮な意見や感想を出してくださいました。

それぞれ何の為の勉強なのか、何を身に付ける為に実技の時間を分けてタイムテーブルが組まれているのか、改めて一つ一つのスケジュールに対する理解も深まりました。

○講義・「方伎雑誌」井上先生



「四三〜四六」
現代では信じがたい、10代に満たない婚姻形態や、寿命も今より短い時代においての還暦以降の懐妊など、不思議に思える事例がたくさん出てきた。
書かれた時代でも驚いたからこそ、話題に取り上げて記したのだろうが…
時代変われば常識は変わる。その上人の身体は十人十色。目の前の人の身体を、自分のちっぽけな常識だけで考えず、あらゆる不思議はおこりえるのだと思って、起こっている事実に対応することが大切。

西洋医学から見た腎臓について、あくまで水(小便)の通り道であり、精に関係するて考えるのは間違いであると、東洋医学批判について触れている。
また、腎虚に使われる八味丸は、吉益東洞先生は利水の剤であるといわれていたと、補腎に使うは誤りだと言われていたそう。それは薬方は補うものではなく、攻めるものだという考えからだそうだか…
時代により、立場により、見え方は変わり、考えかた方も変わる。

○講義・いやしの道しるべ

質問など活気よく言葉が飛び交って、盛り上がっていました。




○振り返りの会

今日一日学んだこて、感じたこと気づいたことを皆一言づつ。


来月は、7月14日日曜日 10:00〜
場所は同じく高槻芸術会館にて行われます。奮ってご参加くださいませ。



(文責:田原)
| ◇関西支部 | 11:09 | - | -
5月杉山真伝流勉強会

『杉山真伝流』勉強会 第163回 令和元年5月18日(土)

           講師 大浦慈観先生

◆◆◆シリーズ:『杉山流三部書』から(22)◆◆◆

今回のテーマ:『療治大概書』(基礎概念 房蟒僂蓮気饆術・気傟術

現在学んでいる「療治大概書」は杉山和一検校が京都在住の折「砭寿軒」より

この書を譲られ江戸に戻り鍼灸教育の塾を開くにあたりテキストとするため

病名や穴名を漢字に変えて編纂し直したものです。

・五臓六腑の事・(肝・心・脾・肺・腎)(胆・胃・小腸・大腸・三焦・膀胱)

・五行の事・・(木・火・土・金・水)

・五臓主りの事・・(五臓・五行・五腑・五竅・五主・五支)

・陰陽の事・・天は陽(太陽)―地は陰(月) 明るいと処は陽―暗い処は陰

       男は陽―女は陰     気(気体)は陽―血(液体)は陰

       五臓は陰―六腑は陽   首は陽―足は陰

       背は陽―腹は陰     左は陽―右は陰

       手の甲は陽―掌は陰   

・栄衛の事  栄は脈中を行きー衛は脈外を行く 栄は血―衛は気なり

・七情の事  喜・怒・憂・思・悲・驚・恐・なり。

 

・六淫の事   風・寒・暑・湿・燥・火なり

・春夏秋冬の病

 冬・寒気に強く中れば春必ず温病(傷寒)を病む。ウイルス感染、細菌

   中風(神経症状)

 春・風に中れば夏必ず飧泄す。(腹の下ること)

 夏・暑気に中れば、秋に必ず痎瘧す。(おこり)

 秋・湿に中れば、冬必ず欬嗽を病む(スバフキのこと、(咳をする)

―これらは皆、外より入る病なり。

会場内会話

骨と腎臓・・ビタミンDは腎臓で活性化する従って腎が弱るとDが活性化しない

ためカルシュウムを吸収できないため、丈夫な骨が出来ない。

 

腎の髪  はげ男性上気して熱で焼けてなくなる。男性ホルモン優位だと毛根が

委縮して髪が生えない。毛根は女性ホルモンが維持している。女性も更年期以降

抜け毛に悩むひとが多くなるが、それは女性ホルモンの弱いことによる。

今回で療治之大概は終了です。次回より「選鍼三要集」に入ります。

次回6月15日 第三土曜日

(市川友理)

| 杉山真伝流勉強会 | 08:08 | - | -
5月 東京月例会

5月19日、さわやかな心地の良い日となりました。

根津の七倉会館にて東京月例会が行われました。

 

1.静坐

 身息心の調和。息を整えて静かに坐ります。

 

2.講話  朽名宗観先生

 「愛」の経験としてのイニシエーションについて

 

昨年の講話ではアメリカインディアンのビジョンクエストについてのお話がありました。

アメリカインディアンのスー族では、16歳くらいになると山の中へ入っていって、宗教の行の原型的な経験をしてそこで何らかのビジョンを得て、それがその人を支えていくような、一生大事にするようなメッセージをもらう機会になるという。

特に強烈なビジョンを得た人が医者になり、普通の人は一回ビジョンクエストを行えばよいが、医者となったメディシンマンと呼ばれる人は、常に新たなエネルギーを得なければいけないので、一生ビジョンクエストを続けなければならないというお話しでした。

今回の講話はそこから続くお話しです。

 

・病としてのイニシエーション

イニシエーションは通過儀礼と翻訳されるが、創造的なビジョンを得るとか、価値あるものを得るプロセス。

そのひとつに病があり、病もビジョンクエストになる。

心理学者のユングはフロイトと考えの違いから決別した後に、人も離れていって、孤独になり、幻覚を見るなどの統合失調症に近いような精神的に不安定な状態に陥ります。

自分が病気になって、そこから脱出していく過程で、夢をとおして無意識とかかわっていくことで色々な経験をして、危機的状況から脱けだし、そのことがのちのユング心理学のベースになっていきます。

朽名先生ご自身は、ユングほどの経験ではないけれど、あることをきっかけにパニック障害的な状態になったことがあり、うつの患者さんの気持ちがわかるそうです。どーっと気持ちが落ちてこのままだとうつになってしまうと感じた時のお話しをしてくださいました。

そのときに、じっと坐っていられるかどうかわからないが坐ってみようと30分の線香を立てて坐ってみたそうです。そうしたら30分坐ることができて、少し落ち着いてきたので、60分の線香を立てて坐ってみると、暫くしてある言葉がふっと浮かんできて、その言葉を吐く息に合わせて繰り返しずーっと心の中で唱えていると、ある時点で180度気持ちが転換して、バクバクしていた心臓がおさまり、暗雲が晴れて、60分坐ることができ、前の状態に戻ることなくその後も過ごせたそうです。

どっと落ち込んでいったことで夢中になって坐禅に取り組んだときにもらったその言葉は、今でも大事な言葉となっているそうです。

釈迦が悟りを開いた瞑想法が入出息念定で、静かに呼吸を見つめるというものです。

入出息念定を追体験していくのが坐禅です。

パニックになったから坐禅をと思ってやってもスッとうまくいくものではなく、普段からそういう練習をしていくのが大事になります。

鍼灸師には、はらと鍼をつなぐことが必要だといっていますが、何がつないでいるかというと呼吸でつないでいます。

先月の観風先生の講話で息の大切さをお話されていましたが、やはり実感としてわかるまでやらないといけないと思いました。

 

・小説:宮沢賢治「セロ弾きのゴーシュ」より。

仲間の楽手の中で一番演奏が下手で、いつでも楽長にいじめられていたゴーシュが、夜中に夢中でセロを弾いている時に、動物たちがやってきて、動物たちとの関わりから無意識の世界を開いて見事な演奏をするまでに変わっていく。楽長からの愛の経験としてのイニシエーションを体験する。

・小説:稲垣足穂「懐かしの七月」より。

稲生武太夫が大人になる前の十六歳で体験した怪奇現象の話。気丈なゆえに30日間に渡って怪奇現象を体験することになる。もののけの親玉の山ン本五郎左衛門からの愛の経験としてのイニシエーション。

・芦原英俊のビジョンクエスト。「木曽氏家禄」の記述より。

芦原英俊が江嶋弁天(弁才天、技芸の神さま)へ詣で岩窟で夜を明かし行を行った際に、天女より扇(奥義)を賜り呑みこむという夢を見る。その年に幽玄法眼より鍼術の免許皆伝の証を授かったことなど、、

様々な例から解説していただききました。

 

 

3.臨床検討会  養母忠観先生

 「よくめまいに陥る患者の治療」

九州支部の養母先生にお越しいただき発表して頂きました。

【はじめに】 よくめまいに陥る患者の治療。治療を進めるうちにさらなる増悪因子に気付き、そちらについてケアをするようにしてから効果が上がったので報告する。

【初診日】 平成三〇年一〇月二二日

【患者】 六七歳 女性 一五五僉仝淹有圈ー臧

【主訴】 回転性めまい。

【現病歴】 二〇代のころからめまいを患うことが多かった。九月に入って、忙しい日が続き、肩、背中が凝ったので、一〇月一五日ある整骨院で、治療を受けたところ、背骨をゆらす手技を受けた。家に帰ってから、めまいがして、吐き気がした。ぐるぐる天井が回っていた。何とか家事をこなし終え、寝込んでしまった。耳鳴り、難聴はなかった。一六日、調子が悪くて一日中寝ていた。まだ少し天井は回っていた。一七日、何となくふわふわしていた。自動車を運転して、買い物に行ったが、大変だった。一八日、少しずつ回復してきたが、やっぱり運転は大変だった。だんだん治まってきたが、まだ調子が悪い。

【個人歴】 父親が肉牛の牧場、精肉の販売店を経営していた。小さいころからその手伝いをしていた。結婚して、実家を出てからも折に触れ、手伝いに呼ばれた。母親が亡くなってから、父親、兄から手伝いに呼ばれることがより多くなり、父親が糖尿病、緑内障を患ってからは、自宅から父親の家まで通いで、病院の送り迎えをしていた。父親がデイサービスに行くようになり、その支度をした。その頃ひどいめまいがして、近所のクリニックでトラベルミンの注射を受けていた。平成二九年四月に父親が亡くなってからも来客対応、家の片付けなど忙しく動いていた。平成三〇年四月に一周忌があり、それが済んでようやく一息ついた。「こんなにのんびり過ごすのは、人生で初めて。」とのこと。

【既往歴】 扁桃摘出(中学生)、糖尿病(Hba1c七.〇)

【憎悪因子】 低気圧、寒暖差、疲労、寝不足によりめまいが発生とのこと。

【診察所見】 〈問診事項〉 便通三日に一回くらい。出ない日が続くとイライラする。出ても硬くて、小さい傾向にある。食欲は、めまいでなければ、普通にある。食事内容は味付けが濃く、肉が多い。水分、よく摂る。飲酒、喫煙はなし。入浴時間は短い。布団には二一時〜二二時に入る。その状態でテレビを見て、いつの間にか寝ている。考え事をして、眠れないことも多い。眠っても夜中に目が覚めて、そのまま眠れないこともある。起きるのは五時三〇分ごろ。足が冷えて、冬は靴下を履いて寝る。冷え性。声ははっきりした声。急かされているように喋る。物事を頼まれることが多く、「自分がやらねば。」と、それを引き受け、やってしまう性格。

〈脈状〉 両寸浮、右関中、左関、両尺沈。細 数(いつも心拍数が多く、九〇〜一〇〇、すぐ一二〇になる)。血圧は降圧剤を飲んで一三〇/八〇くらい。 

〈舌状〉 舌体:やや淡で少し厚い 舌苔:白苔が表面を覆っているが、中央やや前方苔が無く、紅い 

〈腹状など〉 顔におできがいくつかある。胸に熱、腹部にガスがある。下腹部に水毒を感じる。 

〈頚肩背腰など〉 頭部、頚、肩、上背部に熱がある。頚、肩、肩甲骨内縁に凝り。脊際胸椎第二番から一二番までスジ。足が冷たい。

〈服用薬〉 メリスロン、セファドール(めまい)、グラクティブ、ボグリボース、メトグルコ(血糖値)、レザルタス(降圧剤)

【診断】 \里ら食事に肉が多く、それが排出されれば問題ないが、家事等することが多く常に疲労、ストレスを感じているため、排出されず、食毒として存在し、さらに水毒もあり、ガスが発生し、蓄積されていた。△泙寝隼や頼まれごとが多く、それらをきっちりやる性格で、「自分ばかり」とイライラすることが多く、便秘がちという点でもイライラしており、頭部、頚、肩、上背部、胸に熱が溜まっていた。さらにいままでずっと気を張っていたせいか、肩や上背部が凝っており、気血のめぐりがわるい。

身体を揺さぶられたことにより、.スや熱が動き、頭を衝いてめまいが発生したものと考える。5し譴里瓩阿蠅里錣襪気盻長したものと考える。

【治療方針】お通じをよくし、/毒と水毒を取り除くことによりガスを減らし、熱を散じ、5し譴里瓩阿蠅鯲匹する。

【治療内容】 一寸三分二番鍼使用。基本の型であたる。前腕の心包経、三焦経に引く。胸の熱を散鍼で取る。敏感なため腹部全体に散鍼で刺激し、下腹部の水毒のある箇所に刺鍼する。下肢の脾経、胃経に引く。脊際のスジバリに刺鍼し、熱を取り、そして緩め、上背部、肩、頚、頭部に散鍼で熱を取る。膏肓、魄戸、肩井、天柱に軽く刺鍼。手に引く。

【経過】第二診(一一月五日) 前回、終わった後夕方、右肩が重くなった。次の日の午前中までそうだった。(ガスや熱が右肩を衝いたか。)この一週間めまいで寝込むことはなかった。本日、お通じが三日ぶりにあった。

第三診(一一月一九日) 一一月八日めまいがした。朝食後めまいがして、寝た。目を開けると天井が回っていた。吐き気も少しあった。九日、次男が帰省した。一二日まで滞在。帰省中の世話をなんとかやりきった。一五日くらいから頚の付け根、背中の凝りが重くなった。一八日、二一時布団に入ったが、いろいろ考えてしまい、眠ることができず、四時くらいに寝たが、五時に起きた。次男は家庭の問題を抱えていて、その件でやってきた。本日、お通じ二日ぶりにあった。最近、二日に一回ペース。

第四診(一一月二六日) 先週、何度か夜中二時、三時に目が覚めて、眠れないことがあった。いろいろと考えてしまう。めまいは、あまりない。あまり外出せず。買物に行くと肩が重くなる。

第五診(一二月三日) 一一月二八日、二九日めまいがして、一日中寝ていた。吐き気はなかった。二八日、主人の忘れものを届けるにあたり、自動車が使えず、歩きで行ったところ、遅いとなじられ、自宅に戻った後、めまいがして、当日、翌日寝ていた。普段歩かない距離を速足で歩いたため左膝の裏が痛むと言うので、いつもの治療に加えて、左膝裏の反応点(委陽のあたり)にも鍼を刺し、足の膀胱経に引く。

 増悪因子は低気圧、寒暖差、疲労、寝不足だけではなく、他者(主に家族)への怒りがあった。一一月二八日は、怒りにより熱が発生し、もとから存在した熱と併せて、熱が動いて頭を衝いて、めまいが発生したか。少し話しを向けると、父親、兄、夫、子供とその家族、近所の人への愚痴が際限なく出てくる。以降、極力話すようにしてもらう。

第六診(一二月一〇日) 左膝裏の痛み、前回よりは減ってきた。いまは左ふくらはぎが痛む。階段の上り下りがきつい。めまいは減っている。

第七診(一二月一七日) いまも左ふくらはぎが痛む。一一日行楽に出かけ、歩いた。八千歩。その日は、めまいはなく、ぐっすり寝た。めまいは減っている。お通じ二日に一回ペース。

第一〇診(一月一四日) めまいは減った。お通じは二日に一回ペースで問題はない。左ふくらはぎもいまは、痛くない。

以後、全身の調整で治療を続けている。寒暖差や天気の変化、疲労、寝不足、他者への怒りでめまいが起こることはあるがしばらくすれば治まる程度のものであり、寝込むことはない。

【考察】 食毒、水毒により発生したガスが蓄積されている。性格的なものにより、イライラすることが多く、また、便秘体質という点でもイライラしており、熱が溜まっている。さらに、いままで気が張っていたせいか、肩、上背部が凝っており、気血のめぐりが悪い。初診時は、これらを取り除けば解消されると考えていた。三診、五診を経て、「怒り」も増悪因子と気付き、極力愚痴を聞いて吐き出してもらうようにしてから、より成果が出るようになったと思う。初診時では症状に気を取られ、家族の昔話しをしている時の「怒り」までは、気付かなかった。治療していくうちにいろいろ話しをしてくれて、気付いた。初診時に気付いていたら、少しずつ話しをしてもらい、身体的なアプローチと合わせて、成果がより早く出たのかもしれない。

 

〈質疑応答や先生方のコメントから

怒りはどのように身体症状として現れていたのか。治療を経過していく上での身体の変化によっても考察することができる。

・おできができているのは噴火口のようなもので首から上に熱がある現われといえる。おできがなくなっていれば、熱がとれているということの一つの目安にもなる。

・めまいがある人は、頚の横、胆経、三焦経がつっぱっていてめまいになりやすい。筋の付着部の完骨に熱や圧痛がでていると、治療ポイントになる。

・めまいがある患者には、持って生まれた水毒体質を減らすこと。めまいに悪い習慣を減らす(横になってテレビを見るなど)こと。今出ている症状に対して一番悪いところを探して治療することが必要。

・頚椎症など、頸の筋肉がこちこちだと、深部感覚と知覚から入ってくる情報とにずれが生じて、それによってめまいがおこることがある。

・めまいには水毒を考え、リンパ液の異常や耳石がついてのめまいには、耳の辺りの翳風、聴会などへのアプローチするなど、身体の異常として出ているところを探す。

等々、色々な目の付け所があり勉強になります。

 

 

4.実技稽古

初伝同士、中伝同士の組みになり稽古しました。

 

 

5.連絡事項

海保さんが初伝終了試験に合格し、中伝へ進むことになりました。

おめでとうございます!!

 

来月は、6月16日(日)、14時からです。

梅雨の時期となりますが、みなさま体調を崩されずにまたお会いしましょう。

 

(文責:坂井)

 

 

 

| ◇東京月例会 | 02:23 | - | -
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