いやしの道協会ブログ

いやしの道協会の最新情報をお届けします。

※当ホームページ、ブログに掲載する画像・文章の無断転載、転用はご遠慮ください。
8月 関西支部研修会
8月12日日曜日、高槻市の芥川東部会館にて、関西支部研修会が行われました。


○自由稽古



○四部録基礎講座「経絡流中講義」石部先生



ポイントや皆の疑問、一人で読んでいたら気がつかない部分もにも焦点当て、考えられる場。
素直な疑問も言えて、自由に話し合えるのもありがたいです。
どんどん良い質問ができるように、自分だけでも読み込んでおかないと…です。

○講話 石部先生



邪道といわれる治療法に手を出した理由、、、
という少しドキッとするテーマでお話が始まりました。
石部先生がお勤めの仕事を辞められてから開業するまでの間、何もしていない時に観風先生からお呼びがかかり、観風堂で助手された時のこと。
見たことないような難病の方や、普通なら鍼灸では対応困難な病の患者さんに対しても、観風先生がされる治療の凄さに改めて驚愕し、先生を真似するのは難しすぎて無理!今世で成し遂げることは至難の業!そんなの出来ない、難しい…と石部先生は思われました。
そして、その後ご自身の行う治療に置鍼を試したり整体法を学んで取り入れたり、あらゆる自分のできる治療を考え、患者さんの為になる治療を模索され続けたそうです。

患者さんが、石部先生に求めるものは何なのだろうか…。 開業したての頃で時間に余裕もあり、一人の方にいろいろな治療法を試したり、じっくりゆっくり診られていた時、多くの患者さんが身体の不具合以外に、心にも闇を抱えていらっしゃる事に気付かれたそうです。

日々、患者さんの心の解き方や、その方々に応じた対応の仕方など、鍼灸の道具の使用有無によらず、いろんな珍しい方法を試され、石部先生の治療院では、患者さんのお気持ちに添う事を大切に考えられた治療をされているそうです。

また、タッピング手法を使った、患者さんと気を合わせるワークも行われました。
患者役はもちろん、施術役をしている時、何か大きなものに包まれているかの様な心地よい安堵感を感じました。

相手の身体を想い、安心に導くワークを終えて…
石部先生は、ご自身の治療スタイルを邪道と表現されましたが、それは観風先生が仰る「見えない一鍼」でもあり、まさに「いやしの道の鍼」なのではないのかな?と感じました。







○昼食





皆で囲む玄米粥、出来立てを頂けるのは最高の贅沢。
今日は小豆玄米粥に雑穀も入って香ばしい。
いつもご馳走さまです♪


○稽古・基本の型




○鍼道発秘講義 井上先生



「鍼灸における瞑眩について」
三章 こころの瞑眩

止まらない程の涙が出るのはどうしてか。
泣くとは、どのような感情か。
泣くとすっきりするが、何故なのか。

子供時代に大人から、そんな事で泣くなとか、男の子だから泣くなとか、ある程度誰もが言われた事があるだろう。

我慢や悲しみや憂いの気持ちを溜め込んでしまい、胸の内に滞りが生じてしまったものが、腹痛や動悸など身体の不具合になったり、溜め込んだ涙が身体に溜まり、下痢や嘔吐として体外に放出したり…。
心身はやはり一如である。

本文の、「理性など及びもなく、いのちそのままが泣いている…」観風先生の体験談を読み、各人思い出す自己体験を話し合いました。





○今日の漢方 「清暑益気湯」


清暑益気湯=夏まけ:虚弱な人かわ夏にやせ衰えて体がだるくなったり、下痢したり、四肢が煩熱する。
いい香り…さて一口…苦いっ!
そんな感じでした。



○丹田呼吸とからだづくり


○稽古・治療と課題の発見
実践の治療と思って、稽古します。

○振り返りの会

今日一日に学び、気づいたことを一言づつ。




9月のいやしの道全体の合宿がある為お休みの予定でしたが、日時未定ながら開催することになりました。
決定しだい書き加えます。
暫くお待ちくださいませ。

(文責 : 田原)
| ◇関西支部 | 19:57 | - | -
8月湘南研修会

少し慣れてきたものの・・今年は暑さの夏休みはないのかしら?と
思うほど酷暑が続いています。
台風一過後のカンカン照りの本日、平塚にて湘南研修会が開催されました。


調和息から気を練ってエアー鍼へ〜湘南研のいつものルーティーン。
今日は学校が夏休みということでFさんが遊びに来てくれました。


今日の実技のモデルはFさん、首肩の凝りが主訴。
治療者はMさんです。
写真をご覧ください。あちこちから、いろいろ注意されています。
総稽古のようですね。





治療すべきポイントは?核心は海野先生と、石井先生は一致。
触診や刺鍼のテクニックや経験からくる素早い判断は流石としか
言いようがないです。
こういう場面を間近でたくさん見られる事が、各々の臨床力を高めます。
湘南研は少人数で実技時間も多いので、思いっきり実技、稽古したい
方に向いています。

あとは組になって稽古。


木村珠雄先生による「切脈一葦」の解説。

 

意訳
陽病で脈が大、浮、数、滑で、病が未だに癒える兆候なくして
沈、しょく、弱、遅、微と為る者は、精気が脱するの候である。
陽病で脈が大、数、動、滑で、病が将に癒えようとしていて、
沈、しょく、弱、微と為る者は、邪気が除かれるの候である。
陰病で脈が沈、しょく、弱、遅、微で、病が未だに癒えようとする
兆候なくして、大、浮、数、動、滑と為る者は、邪気が進む兆候である。
陰病で脈が沈、しょく、弱、遅、微で、病が将に癒えようとしていて、
大、浮、数、動、滑と為る者は、精気が回復する兆候である。
これまた陰病に陽脈をあらわし陽病に陰脈をあらわす者の例を以て
論ずるべからず。これらは皆な脈証の時を以て論ずる者である。
是れを活眼を開いて文字を活用して読むという。若し徒りに文字を
守って、位と變と時との差別のある事を知らない時は、必ず掌を返す
が如きの誤りあり。読者は深く心を用いるべし。

陽病時の陰脈、陰病時の陽脈の時は上記のような傾向になるという。
めずらしく分かりやすい内容でした。

 

 

 

海野流観先生による「傷寒論真髄」の講義。



387章「吐利止、而身痛不休者、当消息和解其外、宜桂枝湯小和之。」
吐利止みて、身痛休まざる者は、まさに消息してその外を和解すべし。
宜しく桂枝湯にて小しく之を和すべし。
※消息とは、「事情をくみ取る」という意味とのこと。

桂枝湯の正証は
「太陽病、頭痛、発熱、汗出、悪風者、桂枝湯主之。」
下腹部に力なく腹直筋拘攣、頭頂部・肩背部に熱感、
皮膚はうっすらと湿り気のある諸症状に処方。

前回、五苓散と理中丸の講義だったがそれと合わせて読む。
まず、霍乱に対して五苓散(表位に熱、腹に水毒、口渇、
小便不利)を飲ませたら、吐利は止んだが身痛が残った。

簡単そうで、細かくみると疑問点が出てくるそうで。
「而身痛不休者」とあるが、どこに痛みがでるのか?
桂枝湯の薬味をみると、桂枝、芍薬、生姜、甘草、大棗。
このうち生姜を除く四つが痛みを主治する
もともとの体質、沈静化した水毒からの痛みなのか?
桂枝の皮膚表面の痛みなのか?

この他にも水毒に関わる様々な話(朮が効く日本人の体質、痰飲、
細胞への水分の取り込みに関与するアクアポリンなど)で理解を深めました。

次回は388章へ進みます。

 

毎月第二木曜、13時30分より平塚市民会館・和室にて

開催しております。詳しくは海野先生まで!

 

(文責・伊藤)
 

| ◇湘南研修会 | 13:26 | - | -
7杉山真伝流勉強会

『杉山真伝流』勉強会 第153回 平成30年7月21

              講師 大浦慈観先生

◆◆◆シリーズ:『杉山流三部書』から(12 )◆◆◆

今回のテーマ:『療治大概書』(下血・脱肛・遺尿)

『十四管術』より(随肉管術・弟管術)

現在学んでいる「療治大概書」は杉山和一検校が京都在住の折

「砭寿軒」よりこの書を譲られ江戸に戻り鍼灸教育の塾を開く

にあたりテキストとするため病名や穴名を漢字に変えて編纂

し直したものです。31期も引き続き「療治大概書」を学びます。

下血

’喨悗了、先に多く鮮血を下血することを近血と言い、直腸

や肛門に近い部位で大腸の熱毒により、多くは痔疾や直腸の病変

である排便の後に暗黒色の下血することを遠血という。臓毒の

下血とありますので上部消化器官の出血にみられる。気海・脾兪・

百会・腎兪・関元 の穴を使用。氷を使い冷える形でアルコール

を飲んでいると痔になってしまう。お酒を飲まない人でも腸を

冷やすと同様である。肝臓には負荷がかかり胃腸は冷えお腹の

血液は冷たく腸はだらり下がり本来静脈血は門脈に集まり肝臓

を通過して心臓に戻っていくのですが、力ない腸は下にたれ

門脈血は圧力なく上に行かない。肝臓は酷使され硬くなり心臓

に戻りにくく、肛門の方に冷たい悪い血液がたまってしまう。

肛門の周りの組織も新陳代謝されていなく亀裂や瘀血の為、

痔やいぼ痔などになりやすい。鍼灸と共に生活習慣を正すこと

が大切である。治療は気海や関元に補法でまたお灸も加え

お腹中内部の血流をよくする。脾兪や腎兪は補法として内臓に

気が通うりお腹中に響くようにする。会場の臨床家の先生より

女性の下血を問うと百会は産後下血が続くとき冷えやお腹の

状態で刺絡よりお灸に効果がある。お灸の壮数は小さめから

灸を通うし患者さんが気持ち良いというまでするとのことで

3、5、7のイメージで多壮となるとのこと。

内臓下垂している場合百会は内臓を引き上げる作用がある。

杉山真伝流「中之巻代三」には百会より三陵鍼で少し多く血を

出せばたちどころに下血は止むとある。胃のように上部からの

出血の治療は「三要集」に曰くと紹介されている中脘に円鍼、

気海に内温(基本の18術の13に温鍼術)とあるように鍼を

巡らせながら胃に近いところまで円鍼する。補法であるが回し

ながら入れて行って胃に近つくに従い邪熱が出てくるので瀉法

的に邪気を回しながら抜く。また温鍼は精気が穀気を留めて

(補法なので気血を集めておいて)邪気独り出るの意。抜く際

の押手の前、後ろ、左右と押して引き退く。

脱肛・下血の時と同じ冷えからで直腸あるいは直腸粘膜が

肛門外に脱出する病証。虚弱な小児や老人にみられる。内臓下垂

の人。大浦先生の患者さんの脱肛のいろいろの程度の病証を聞き

ました。完全に締まりがなくなってしまうと難しい場合もあると

感じました。懸枢(督脈)説明の時、胆経の懸鍾と勘違いされ

ましたので理解できない申しましたが懸枢(督脈)ですので

納得ですね。・中脘・百会を使用。杉山真伝流「中之巻第二」

では百会、気海、大腸兪、小腸兪、長強(痛く刺すに佳)は強く

響くように。灸法でとる穴は大体お腹中側の「上脘穴」あたりに

15壮。背中側の「命門穴」に灸30壮。命門穴の使い方はお臍の

神闕とセットで使うことが多い。虚弱体質改善である。

遺尿 小便が知らないうちにもれる。寝小便のこと。下焦の元気

が不足して腎と膀胱虚して冷えることによる。腎気、下焦の気

が実すると治る。気海、関元、腎兪、神闕 大敦、水分、命門。

大浦先生が面白いと気がつかれた/緤―気海のペアで下焦の冷え

てさばけない水分の吸収を良くして浮腫みや水毒をさばくために

使っている。⊃戦蹐般震腓離撻△濃箸辰討い襦F眤ゝ弱の人に。

4惴機戎孅舛離撻◆腎気の不足下焦の元気の不足といっている

ので腎気を補う意味で使ではたくさんの補法が使用されている。

入江流からきている8度の補の説明がありました。

 

端座流の読み下しと「十四管術」より随肉管術・弟管術

 

次回は8月18日です。

(市川友理)

   重要なお知らせ

   9月の真伝流の勉強会は

   第4土曜日9月22日に

 

 

| 杉山真伝流勉強会 | 02:50 | - | -
7月東洋医学と養生の会
7月22日(日)京都の禅寺、栖賢寺にて東洋医学と養生の会が開かれました

栖賢寺さんのホームページです↓

https://www.seikenji.org/









○和尚様のお話

・気の流れについて。
・坐禅について。


お庭の整備をされた時の事例から、地面も川も人の身体も同じ自然であること、明らかに全てのものに気が流れているのだと実感できる、興味深いお話。
また、坐禅については、心がスーッと楽になるお話を、わかりやすい表現でお示し下さいました。



○坐禅(和尚様のご指導のもと、観音堂にて)
15分を二回。
先程のお話を基に、自由な気持ちで坐らせて頂くと頭に浮かんだのは、あの有名なフレーズ。「これでいいのだ〜」




○作務

美しい苔を踏まないように、無心に草引き。
日除け対策万全に…。
しかし不思議と暑さはあまり感じないのでした。


○養生について(村田底観先生)

貝原益軒養生訓より、現代生活における休息を考える。
・消極的休息より積極的休息
・お腹をいかに休ませるか
・心の休養
・睡眠の前後に自立神経を整える

人が生きる環境は、それぞれ違います。 仕事や食べ物や暮らし方も時代と共に変化します。
しかし、大事な事や人を思いやる気持ちの大切さは、昔も今も変わりません。
養生訓から感じた、色々なものが言葉になって出てきました。
これがまた、心の浄化→心の休養につながりそうです。





○気功(玉水雲観先生)
極暑の気候が続いています。無理せず屋根の内でゆったりとスワイショウ。
気を動かすのが分かりにくい方にも、丁寧に指導して下さいますので、だんだん全体の気が穏やかに柔らかくなっていきます。 身体の中に幾度も上下に気を流します。 あぁ気持ちいい〜
大きく膨らませた気は、しっかり丹田に納めます。
治療の前に、自身の身体に気を充実させます。





○鍼灸治療
指導を受けながら質問も出来て、実践形式で治療ができます。心強いです。




○振り返り
それぞれ、学びや感想を言葉に表します。 今日の養生訓の時間には、思い出すことや素直に感じたいろいろな想いを、いつもよりも沢山語らいました。「良い気の溢れる素晴らしい環境がそうさせてくれたのかも…」との言葉に、納得でした。




来月は8月26日(日)京都上賀茂の心耳庵にて開催予定です。
皆さまご参加くださいませ。
(本日参加メンバーは、鍼灸師6名、学生さん2名、一般の方1名でした。)

(文責:田原)

| 東洋医学と養生の会 | 14:24 | - | -
7月 福岡の勉強会

7月 福岡の勉強会

 

今月は東京からお客さんがあり閑話休題。

座学はお休みで、実技中心の内容でした。

 

---(今日の内容とメモ)-------------------

1、静座法

頓悟と漸悟について。

臥⇒坐⇒立へと修法が変遷してきたことが意味する所について。


2、経絡流注と腹診図

腹診図も経絡図も、WEBで画像を見ることができます。しかし、臨床での引き出しを増やすのには、実際に体験しておくことに勝る者はありません。

今日は四肢を動かしたり、身体の角度を変えることでも反応の取りやすさが変わること。意外な場所との繋がりを感じることを通じて学んでもらいました。


3、補瀉と補瀉法について

補瀉法について、迎隨、呼吸、手指、日時による補寫など、歴史的には様々な観点から述べられてきました。中には時代的な制約からなのか、実際的とは呼べないような手法も混在しており、我々が真によりどころとすべきところはなんなのか。そういった疑問に対する談話の時間を設けました。

 

4、精神疾患について

現在のあはき法下では、精神疾患について学ぶカリキュラムはなく、国試でも問われぬという現状にあります。よって、精神疾患関する知識がまったく足りていないと思って良いと思います。うつ病が多いとはいうものの、うつ病にも色々タイプがあります。うつ病じゃないのに、診断を受けている人もいます。発達障害、注意欠陥障害と診断を受けている場合もあります。うつになるには、背景に生きづらさがあり、その生きづらさは幼児期からすでに始まっている場合もあります。その生きづらさがどこから来るのか。人の成長段階において、どのような影響を及ぼすのか―。

 

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文責:河原燈観

| ◇福岡の勉強会 | 22:13 | - | -
7月 東京月例会

1.静坐
坐禅、正座で呼吸、姿勢、心を整えます。

 

2.講話  海野 流観先生
「鍼道発秘における表裏・深浅」

 

いやしの道の治療では、四部録(『万病一風論の提唱』『鍼道発秘』『傷寒論真髄』『経絡流注講義』)を基本として病を見ていきます。
海野先生は湘南研で講義を始めて18年になるそうですが、皆と勉強していくうちに、四部録それぞれが関連して、同じことを違う側面から表現しているところがあるとわかってきたそうです。
又、それは、各本の各章一つずつも同様で、『鍼道発秘』も42の治療法が書いてあるが、共通した考えがあるのだそうです。
以前、観風先生に「それぞれの文章の裏に書いてある、共通したところを読み取らなければ意味がない」と言われた時にはその意味がわからなかったが、経験を積んでいくうちに少しずつ全体像がわかってきたので、今日はそれについてお話したい。とのことで本日の講義が始まりました。

 

・『鍼道発秘』の眼目は「万病一邪」である。
では、邪の場所、動き、性質、如何に取り去るかについて、わかっていない人は治療はできないのか?
自分は「邪」がまだわかってないから良い治療ができないのでは…という不安を抱えた状態では、患者さんも不安になるし、治療効果も落ちてしまうことになります。
ある程度の治療はポイント、概要、大まかな法則が分かっていればできるので、どの段階にいる人も(ある程度)安心して治療をして欲しい。「鍼灸治療とは寒熱虚実のコントロールである」

 

・寒熱虚実のコントロールの柱となる刺法

1章【放心】(虚実に対する刺法)
放心の身体の状態は、下焦が虚して、気が上に上ってしまって、胸と表位に邪が実してしまい、その邪が頭の方に行き、突然精神状態がおかしくなってしまう、というもの。
治療は、胸と表位の邪を瀉し、下焦の虚を補う、ということ。1章には補瀉の一番シンプルな治療法が書かれている。


4章【大熱】(熱に対する刺法)
即刺則抜で早く多く刺す。術を施すエリアは後ろ。


5章【大寒】(寒に対する刺法)
深く久しく留める。肩背のこわばる所のスジバリに当てる。その後手足にビリビリくるほど強く引く。

 


海野先生は、四部録の他に『鍼灸真髄』(沢田流)や『名家灸選』(江戸後期の灸法の専門書)を読み、それらとも共通するところ、法則のようなものがあるのではないか…と考えてきたそうです。
そして、親試実験を繰り返していくうちに、だんだん、見えてきたそうです!
それは、「体のエリアによって、また、深さによって、作用が逆になる」ということ。

 

背中の場合は、深くやると温まり、浅くやると熱をとる。手足は、強く、深めにやると温まり、浅く引くと熱をとる。
・背中を深く、おなかを浅く、手足を深く→あたためる、機能を高める
・背中を浅く、おなかを深く、手足を浅く→熱・痛みをとる

 

☆とどめる、あたためる、機能を高めるという治療が必要な症状
下痢、嘔吐、不妊症

 

☆熱や痛みをとり去る、排出するという治療が必要な症状
便秘、難産

 

・自律神経作用
自律神経の調整という観点からも、エリアによって作用が逆になるということを実感している。

例えば井穴への引き針→人差し指と薬指で作用が逆
薬指の井穴に引き針→目がトロンと閉じてしまう
人差し指の井穴に引き針→目がパッチリ開く
同じような操作をしても、作用が逆となる。

 

・お灸の作用
鍼は、その刺激に「深浅」があり、お灸は知熱灸、多壮灸、打膿灸があり、それが鍼の「深浅」にあたると思われるが、
普通のお灸の刺激は表面の刺激であるので、『名家灸選』はお灸をするエリアで作用を組み立てているのでは?と仮説を立ててみて、各症状の治療法を確認していったそうです。

 

そうは言っても、より洗練された誤差の少ない治療をするには、やはり、気を感じ、邪気を頼りにする必要があります。
今回の講義で伝えたことは「洗練された治療への架け橋」と思ってください。とのことです。

 

海野先生の工夫されてきた過程を惜しみなくお話くださった、大変濃い講義でした。ありがとうございました!

 

 

3・症例検討会 伊藤 翠観先生


「月経(瘀血)と皮膚疾患の観察」

 

【はじめに】この症例は瘀血の排出を目標に続発無月経(二〇一七年一月〜)の治療をしたところ、主訴の皮膚紅斑が減退した例である。
「洗顔後、ひかない顔面発赤」という訴えに困惑するも、以前から諸先輩方から「瘀血と皮膚疾患」の発表がされており、わからないながらも治療のヒントをいただけて取り組めた症例である。
【初診日】二〇一七年七月十四日
【患者】女性 四〇歳 瘦せ型(一六〇cm 四二kg)
【主訴】洗顔後の皮膚紅斑。洗顔後、三時間ほど赤みが消えない。皮膚の乾燥。(症状は顔面のみ)
【現病歴】二〇一五年九月 肌乾燥強まる。背中、腹に湿疹。’一六年六月 肌さらに悪化。眉毛根本から赤み(顔に脂漏性皮膚炎)同年十二月 少し改善。’一七年二月 乾燥は改善。洗顔後の赤みはそのまま。同年六月 赤みは悪化。洗顔やシャワー後に顔面に赤みが生じ三時間ほど消えない。発赤がみられた部位は主に胃経、フェイスラインである。 
【随伴症状】・冷え性・肩凝り・ドライアイ・睡眠、途中覚醒あり(小用あり)・便通二、三日に一度・下肢浮腫 
月経不順(二〇一三年九月(体重三七kg)から。同年十一月〜から一年間ほど鍼灸施術(他院)を受け月経が再開するが、その後まばらに。二〇一七年一月の月経を最後に止まる。
【既往歴】特になし【増悪因子】乾燥 日焼け 石鹸
【その他】朝が弱く怠い。食事は玄米菜食。辛いもの、冷たいものが苦手。子供の頃からトンカツなど食べると胃が不調に。検診にて貧血傾向が指摘されている。知的好奇心が強い。不安神経症的な気質。
【個人歴】ご主人がアメリカ人であり、海外での居住歴(十年以上)が長い。また引越しも多く(十回以上)、海外、国内数か所を転々としている。二〇一四年七月に母親が死去。子供はいない。

【初診所見】側頚部は張り、硬い腹で内はガスで膨満している。後頭部と右季肋部と胸骨に沿って邪熱あり、膻中周辺に圧痛。心下悸。左下腹少腹急結。
脊柱起立筋は痩せてこわばる。手足はひどく冷えている感じではない。顔面艶がなく、くすみ、額は表皮が硬い。顔面に枕などが当ると容易に発赤してしまう。腹診にて異様に痛がる。
脈診/浮細弱 右がやや強め 舌診/紅 苔、薄く無に近い 舌下静脈怒張あり(腹診図参照)
【診断】元来、虚弱体質であり、長年にわたる海外での生活や頻繁な転居はストレスも多かったと思われる。生理不順が日常化していたさ中、今回の主訴につながる皮膚症状が出現。腹状からも瘀血の問題があることが考えられた。また顔面の発赤が胃経にそっていることから脾胃の関与が考えられた.物理的刺激(入浴、洗顔、化粧品の使用など)が契機となり胸中の邪熱が虚した経絡をつたい顔面に出現するのではないかと考えられた。
【治療方針】胸中や季肋部の邪熱をさばき、腹部の気を巡らせ水滞や瘀血の排出(月経を正常化する)をうながす。(「婦人の鍼」「肝症」の治療をイメージ)。

【治療及び経過】鍼 基本一番 寸三使用 全二十八回治療(継続中)。十月まで週一回。以降二、三週に一回ペースで治療。
初診(二〇一七年七月一四日)患者は臆病で触診にて痛がるので今回のみ〇一番鍼にてごく軽めに施術。(心包経、合谷によく引く。季肋部の邪熱を瀉す。気海、中脘、右スジバリ、左大巨他に刺鍼、腹をゆるめる。血海、三陰交に刺鍼。頸肩背中の邪熱を瀉して硬結をゆるめ、痞根、章門などを補す。(太衝辺りで津波鍼?))
第二診(七月二一日)腹のガスがよく出た。寝つきよく途中覚醒なし。前回より腹、背中が柔らかく触診も痛がらない。血海、三陰交に加え次髎などの仙骨上の反応点にも刺鍼。
第三診(七月二八日)頭痛の後、七月二三日、半年ぶりに生理がきて大量出血。熟睡できるが早朝覚醒もあった。入浴後、目が充血、長風呂であちこちに赤み出るが数時間後消褪。
第四診(八月四日)洗顔後の赤み低下。日中痒みが出る。朝方トイレに行かず熟睡できた。毎日便通あり。自宅施灸開始(膈、肝、脾兪、次髎、三陰交、足三里、大巨、中脘)。
(刺激後の赤みはすぐ消える傾向に。八月一二日以降痒みが増悪。口周り、顎の赤み残る。一四日〜胸痛(PMS症状)、帯下多くなる。)
第七診(八月二五日)便秘気味。腰が重い。早朝覚醒あり。嗜眠。眉毛、ほうれい線、顎、フェイスラインに赤みと痒み。木のうろのようなカサブタがある。脈・沈
(八月二八日に月経開始。九月中旬まで赤みと痒みが増悪。冷たいタオルをあて紛らわす。ドライアイ右が辛い。血液の混ざる帯下。過食傾向。※自覚できる変化/汗がかける/熟睡できる/体重増加。)
第十一診(九月二二日)入浴後の赤みが低下。ほうれい線のカサブタがとれて正常な皮膚が出現。胸に違和感(PMS症状)。
(十月二日に月経開始。経血量多め。血塊混ざる。怠さ痛みなし。)
第十四診(十月八日)〜第十五診(十月二十日)便秘。肩関節水平挙上時に痛みあり。風邪ぽいが熱はない。ふわっとする眩暈がした。運動時に痛めたのか左頸部、右肩甲間部に痛みあり。
(第十八診まで前述の運動器疾患が残る。一一月六日月経開始)
第十八診(十一月十七日)肌全体的に艶。顔色良好。手足冷える。
(十二月二二日に月経開始。血塊混ざる。痛みあり。)
※冷え傾向出始めたため冬季は「大寒」の治療を加える。
第二十一診(‘一八年一月一二日)肌荒れないが額こめかみに痒みあり。睡眠の質悪く多夢。鳩尾が痛くて覚醒。食後、腹部の不快感あり。「日本は寒い」と話す。脈・浮、やや緊 舌診・白舌、舌先紅
(尿意で途中覚醒あり。目の痛みあり。肩関節痛あり。治療開始時より五kg体重増加。二月三日に月経開始)
第二十三診(三月二日)頭痛あり風邪のようだった。目の下に青いくまが出現。手指末端が紫色。化粧品を試すせいか、顔の赤みが再発、数時間から一日中消えないこともあり。二月十四日より仕事を開始。生活リズムが崩れ、職場環境にも、かなりストレスを感じている。
(四月七日に月経開始。出血量少め。四月下旬まで、目下に青いくま、手足の冷え、多夢、途中覚醒、便通二、三日に一度など低調な状態。)
第二十七診(五月十八日)目の下のくま、少し改善。顔面、パウダーが粉うきしている(ビニール肌というのだそう※後述)。かわらずスキンケアの際、眉毛や目の下に赤み出現。すぐ消えることも3日残ることもある。仕事のストレスも変化なし。
(六月十二日に月経開始。婦人科未受診。)

【考察】
月経が再開すると皮膚の乾燥と発赤は出にくく、随伴症状の睡眠、便通、下肢浮腫も改善がみられた。
治療開始一カ月を過ぎるとを顔面に痒みが出始め、さらに一カ月を過ぎると顔面から粉をふくかのように皮膚が剥がれ落ち始めた。
月経も回を重ねるとPMS症状が顕著になり、冬季に入ると体調不良、運動器疾患も見られ、皮膚の回復が停滞。
僅かだが未だに赤みは出現する。皮膚の回復がみられ月経が整い始めたため治療間隔をあけたが、冬季の寒冷刺激が加わった上に予期せぬ仕事の開始でストレスが増え、月経周期が大幅に遅延(約三五日から直近約七十日)して主訴が治りきらない状況を作ったと思われる。
先々、身体がどう変転するか、もっと想像して対処するべきだった。発赤に加え、さらに皮膚が薄い(ビニール肌)状態となっており、脾胃虚弱(による栄養摂取障害?鉄など)や菜食傾向(タンパク質不足)などの影響も考えられた。
患者は神経質、依存的、頑固な気質であり、精神的ストレスが体に対する影響は大きいが、自覚的でないと思われる。今まで呼吸法、内観、思考を切る事など助言してきたが、余り当人には響いていないよう。
この「みえざる一鍼」が出来なければ、本当の完治には至らない気がしている。

 

《参考資料》
○機関紙 いやしの道(第八号)女性の皮膚疾患 安田無観先生
○鍼道発秘講義
「婦人の鍼」
孕める時は、合谷、三陰交を忌むべし。石門を多く刺せば、孕むこと無し。余は、男におなじ。
「肝症」
すべて気の滞りより生ず。或は熱し、或は寒し、手足痺れ、筋引きつり、其の甚だしきに至っては、気迫って、物言う事能わぬなり。項、肩、背の内を多く刺して、気を漏らし、後、痞根、章門を深く刺し、手足に強く引くべし。皆、員利鍼を以てすべし。中脘、粱門、気海、毫鍼にて気を治むべし。   
「大寒」
是れは其の鍼を深くして、久しく留むべし。肩背中の強張る所を、多く刺して、その気をめぐらし、後、手足を員利鍼にて、強く刺すべし。立ち所に暖まるなり。

○漢方用語大辞典
○漢方養生談 皮膚掻痒症157p
○病気がみえる「婦人科・乳腺外科」より
・無月経・標準体重の八五%以下で起きて来る。
・続発無月経の原因としては、視床下部性が大半である。

※ビニール肌↓医学的名称ではないそうだが「角層が薄くなって肌理のない、ビニールのようにつるつるになったごく薄い肌」とのこと。肌バリアが崩壊し、肌トラブルを起こしやすい。通常は過剰なスキンケアでなる。肌のターンオーバーの乱れ、新陳代謝が早すぎて角質細胞が育ちきらず未熟な状態。

 

治療の方法や技術だけではなく、患者さんと治療者の信頼関係や距離感など、大事なことを考える機会となり、大変勉強になりました。
 

4・実技稽古
今月は初伝と中伝が組んで稽古しました。

 

5・連絡事項
・合宿の申込期限は7月29日です。是非お早目にお申込みください!

・当協会の副会長である三輪先生が代表を務める「災害 鍼灸マッサージ プロジェクト」が平成30年7月豪雨の支援活動を広島県で始められました。
詳しくはホームページ(https://sinkyu-sos.jimdo.com/)をご覧ください。


(文責:中川)

| ◇東京月例会 | 12:29 | - | -
7月湘南研修会

*西日本豪雨の被害にあわれた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

 

7月12日(木)太陽の日差しがまぶしく、七夕飾りがキレイな

平塚市民センターにて湘南研修会が行われました。

 

1・調和息

腹式、逆腹式呼吸

 横になって、お腹に何かのせて腹式、逆腹式呼吸

手を合わせ、気の操作

2・組稽古

二組にわかれてモデルさんを治療します。

診察、診断、治療方針をたて、治療します。

自分の診たてはどうか、それに対してどう鍼をしていくか

とても勉強になります。

本日のおやつ

これ以降の写真は撮り忘れました。陳謝。

 

3・講義「切脈一葦」木村先生

P447 7行目から

病毒に痞塞させられて、仮の陰脈を現す者がいる。これは陽病に陰脈を現す者と同じである。

病毒に痞塞させられて、仮の陰病を現して、陽脈になる者もいる。これは陰病に陽脈を現すものに似ているけれども、

病毒の為すことであって、陽病に陽脈を現す者と同じである。

虚損が極まって、仮の陽脈を現す者もいる。これは陰病に陽脈を現す者と似ているが、虚損が災いを起こしていること、

陰病に陰脈を現している者と同じである。

虚損が極まって、仮の陽病を現して陰脈になる者がいる。これは陽病に陰脈を現す者と似ているが、虚損が原因であって、

陰病に陰脈を現す者と同じである。

これらは全て脈証の変を以て論ずる者である。まさに軽重極の三位を以て死生を決断する。

蓋し陽病に陽脈を現す者と同じ者は、陽病の治法に従う。

  陰病に陰脈を現す者と同じものは、陰病の治法に従う。

陰陽合病は病毒が有って精気が脱している者である。

病毒に痞塞させられて、仮の陰病・陰脈を現す者は、病毒が盛んで精気が脱していない者である。

虚損の極で、仮の陽病・陽脈を現す者は、精気が脱して病毒が無い者である。

 

切脈一葦は、読んでいると?となりますが、漢文に親しむこと、一通り読むことが大事で

「万病一風論的に読んでいると味がある」と観風先生がおっしゃったそうです。

味が解かるように読みましょう。

 

4・講義「傷寒論真髄」海野先生

前回の続きから、霍乱で吐き下しをしたときには2つのケースがあり、

仝淮蟷→表に邪熱があり、中に水毒がある。それによる諸症状に五苓散は使います。

     五苓散の一番のポイントは、口渇と小便不利。

⇒中丸→口渇がない、表に熱はなく(表に邪熱がない)お腹に冷え、虚寒がある。

類聚方広義「心下痞硬し、小便利せず、或は急痛し、或は胸中痺する者を治す。」

二つにはこの違いがある。

霍乱になって、陽病(五苓散)の場合と陰病(理中湯)の場合でどちらも小便不利がある。

小便不利から見ていくと、

五苓散は、尿をつくるよう腎臓に作用する。電解質のバランスの乱れや組織の炎症などによる病的状態(浮腫など)

でアクアポリン(細胞膜上の水透過性に関係)を阻害することで、浮腫の形成、炎症を抑制する。アクアポリンの

抑制作用は朮や猪苓、桂皮がかかわっている。

理中湯は、四逆湯と薬味が似ていて、四逆湯は虚寒。理中湯は虚寒と水毒。

消化器系とか、体全体が弱っていて正常な機能が落ちていて、なおかつ水毒がたまっている状態。

心臓も虚弱で軽い心不全気味だったり、消化器も弱って下痢になっている。

 

五苓散の鍼の治療と、理中湯の鍼の治療は同じで良いのか?

鍼で治療する場合、お腹に冷えなのか熱なのか?虚なのか実なのか?陰陽寒熱虚実に対する刺法がもとになる。

『鍼道発秘』小便より 小便繁き・・気海、石門を深く刺して留める 

           小便不利‥百会、肩井、項の左右を刺して気を漏らし陰陵泉に引く。

前回、小便繁き(小便の回数が多い)は、膀胱炎など炎症があり熱のときと、冷えて回数が多くなる冷えの

二つのパターンがあった。それゆえに気海、石門を深く刺して留める刺法は

寒なのか、熱なのか、どう考えるべきであるのか。海野先生が持論を展開してくださいました。

さらに、小便に対するお灸はどうなのか?澤田流など小便数の記載はない。

『名家灸選』転胞小便閉・・・玉泉(中極)に灸すること七壮、又は第十五椎へ灸すること五十壮。又臍下一寸へ灸する

              又大小便閉するを治す。

→お腹に灸をすると尿がでるのか?それは虚寒だからなのか?

 

小便不利には、/婬’縦祺次幣便が作られない場合)

       排尿障害(小便が作られているが、前立腺肥大なのどで尿がでない場合)がある。

小便頻数は、少量しか小便が出ずに回数が多くなる時と、冷えて回数が多くなる時がある。

いろいろ細かなところをみてみると違いがあり、鍼の刺法にも違いがある事が分かる。

まだまだ検討すべきことは多いですね。

 

次回の湘南研修会は

8月9日(木)13:30より平塚市民センターにて開かれます。

ご参加お待ちしています。

 

文責:牛尾

| ◇湘南研修会 | 11:19 | - | -
7月 初伝フォローアップ講座

初伝フォローアップ講座 第4回目が 7月15日(日)七倉会館に於いて 行われました。
(第一期:〜10月まで 毎月第三日曜日10時〜)
「万病一風的治療に活かす西洋医学」をテーマに開講しています。

 

1.静坐

車座になり 5分ほど 静かにすわりました。

 

2.傷寒論真髄の素読

万病一風的治療を学ぶうえで基礎となる 傷寒論真髄。
太陽病(上)十三章 桂枝湯 を素読しました。
文中の漢字 単語 表現など、素読することにより、少しずつ慣れていきます。

 

3.万病一風的治療に生かす西洋医学

堀雅観せんせいによる「万病一風的治療に生かす西洋医学」今月は 肩関節痛・肘関節痛・手関節の痛み・手指の痛み の講義です。

 

肩関節痛は、愁訴部位と病態があまり直結しない傾向があるため、腰下肢症状や頚上肢症状とは診察の手順が変わり、まず問診でどのような状態なのかを明らかにすると、病態をかなり絞り込むことができるということです。
肘関節痛・手関節の痛み・手指の痛みでは、痛みの部位をピンポイントに把握していきます。

模型やデモンストレーションを交え、ポイントを解説していただき、受講者同士で、筋肉や骨の触診、検査法の練習を行いました。

 

次回 8月19日(日)10:00〜 開催されます。

 

 

(文責 小池)

 

| 初伝フォローアップ講座 | 23:00 | - | -
7月 関西支部

このたびの大雨により被害を受けられた皆様には

心からお見舞い申し上げます。

 

78日(日)大阪府高槻市芥川東部会館にて

関西支部研修会が行われました。

昨日まで降り続いた雨により会場の高槻市でも

広い範囲で避難指示が出ていましたが

研修会が始まる時間には雨は上がり晴れ間が見られました。

 

 

1000〜 自由稽古・経絡流注講義

各自で自主稽古の時間。

別のお部屋では基礎講座として石部先生による

『経絡流注講義』も行われています。

今回は「手の陽明大腸経」のところでした。

 

1100〜 基本の型・チェックシート

基本の型を指導者の先生方にチェックしてもらいながら

それぞれの課題に向き合います。

客観的にみてもらうことで、自分の癖に改めて気づきます。

 

 

1210〜 『傷寒論真髄』221章〜223章まで(村田先生)

今回のメインは「梔子鼓湯証」でした。

陽明胃実の証が盛んで勢いが強いために、上行発動して

同時に少陽位と太陽位に影響した三陽合病のお話でした。

「白虎湯」を与えてその変化をみるのが良い方法ですが

誤治をした場合の3つのケースを順番にみていきました。

一つ目は麻黄湯類で表位だけを攻めた場合に

ますます裏熱が激しくなってしまった場合。

二つ目は焼鍼で発汗させようとして火逆となり

腹中の邪熱盛んとなってしまった場合。

三つ目は大承気湯などで攻下した場合。

さらに大承気湯で攻下した場合に考えられる変転の代表的な例として

「梔子鼓湯証」「白虎加人参湯証」「猪苓湯証」のお話がありました。

 

 

1310〜 昼食

今日のメインは「玄米小豆粥」

お粥の上に、持ち寄りの一品を順番に回しながら上に乗せていただきます。

 

1430〜 鈴木先生による講座・実技

今回は浜松から鈴木斉観先生が来てくださり

特別講座をしていただきました。

 

まずは「漢方薬を煎じてみよう」ということで

葛根湯を煎じました。

 

葛根湯を煎じる間に「いわゆるカゼの漢方薬総まとめ」

としてカゼの際に典型的な病態の漢方薬を11種類

解説していただきました。

基本的には自分も家族も体の不調は鍼灸と漢方で治してきた

という先生の体験談をまじえながら、インフルエンザだから

麻黄湯とは限らない。治療する時点でどういう状態になっている

かが大事というお話などを伺いました。

証と病態がしっかり頭に入っていること、実際に試してみて

経験を積むこと。漢方薬の奥深さと面白さを先生のお話から

感じることが出来ました。

お話の後は、鈴木先生が一般の人向けに行っている

「気功ストレッチ」の体験、気を感じる体験などもしました。

 

少林一指禅行の馬歩

 

実の凝りと虚の凝りの違いを感じる

 

1850〜 振り返りの会

円座になり、今日の感想などを鈴木先生に一言ずつ。

盛りだくさんの内容で、時間をオーバーしてお帰りのギリギリの

時間まで講義をしてくださった鈴木先生、ありがとうございました。

お土産の「うなぎパイ」も美味しかったです!

 

 

 

関西支部研修会予定

8/12(第2日曜日)に予定しています

 

(文責:竹ノ上)

| ◇関西支部 | 14:48 | - | -
6月 東京接心会

6月23日、梅雨空の中、勝林寺さんにて東京接心会が行われました。

 

◯実技17:30〜

朽名先生、山野先生、伊藤先生に指導して頂き、稽古です。

一般の方にも治療しています。

 

◯講義19:20〜

朽名先生による喘息の治療の講義です。

横田観風先生の「古方漢方を学ぶ会・講義録」『いやしの道機関誌 第5号』を解説して頂きます。

子どもの喘息が終わって、今回は気管支喘息。

 

「一般的には発作の時がきまっていて、夜半から明け方にかけておきやすく、精神状態が緊張しているときにはおきないもの。

発作をおこす原因は様々あり、ひどい心配事や、肉体的疲労、気圧、光、熱、寒冷などの物理的変化、煙、何かのにおい、花粉、潮風に吹かれたり、ある場所にいくと反射的に必ず発作がおきるというもの、かぜをひくと発作をおこすもの、妊娠、出産、メンスの時におきる内分泌型、また消化不良や食べ過ぎが原因でおきるものもあります。・・」(『漢方養生談』より抜粋)

喘息の毒は、典型が鍼道発秘でいう痰症にあたる。

風邪などを引いたときにすぐに治らずに表位の邪が内攻して胸の中に入り、お腹に冷え、水毒がある人は、胸の中の邪熱を冷やそうと水毒が胸の中に入り、邪熱と結びついて痰という毒に変化する。そういったことを繰り返すうちに痰という毒を常に持った体質となる。痰症の人に何かの気の変動がおこった時に鎮静化している毒がゆさぶられて発作をおこす。

治療としては二種類あって、一つは状態を鎮めるということ。もう一つはからだの中の毒を出すということ。

観風先生によると、普通は基本的に状態を収める治療をしているが、瞑眩現象として毒が出ていくことがある。その治療によって、熱が出たとか、よく小便が出たとか、ある場合やなくて収まる場合もあり、激しい症状は出ないのが普通だが、一回目で瞑眩が起きる人もいれば、二か月・三か月と治療をしていてある日突然瞑眩が起こるということもある。身体の方がだんだん活性化されて、毒を出そうとする力が出てくるからだと思うと言われています。

『漢方養生談』によると、喘息という病気は、1)ある特定のものに過敏症である。2)多分に神経的のものである。3)気管以外の全身症状、たとえば鼻とか婦人科疾患とか体の他の所に表れている症状に目を向けてそれを治さなくてはいけない。4)食生活を改めなくてはならない。

喘息をおこす人に使う漢方として、小建中湯が出てきます。

小建中湯は、『漢方常用処方解説』には、「桂枝加芍薬等に膠飴を加えた薬方でさらに虚証向き。病位は太陰病で、脾虚あるいは気血不足するものの腹痛(虚労・裏急)に用いる。あるいは胃腸の弱い虚弱児の体質改善など特に小児には応用範囲が広い。脈は浮濇、あるいは沈でやや弦。舌は淡白色、薄或は無苔のことが多い。」とあります。

観風先生の解説には、胸腺リンパ体質といって小さい頃からよくカゼをひいたり病気になるタイプの太れないで顔が青白い人の体質改善によく使っている。腹直筋が攣急している人が多く、心下のスジバリに伴って、腹直筋が棒のようになっている。スジバリはお腹でしか確かめられないが、肋骨の中を通って胸の中に行っているはずで、気管や肺、肝臓に影響を及ぼしている。傷寒論によると心下の痞は下焦の虚による。鍼する時は心下にいきなり刺さないで下焦に一・二本しっかり打つとそれだけで半分緩むとあります。

その他、喘息に使うものとして、大柴胡湯、大承気湯、葛根湯、甘草乾姜湯、半夏厚朴湯、麻杏甘石湯の特徴などを学びました。

喘息の講義はまた次回に続きます。

 

たs

 

 

◯坐禅20:50〜

本堂に移動して坐ります。

最後に、白隠禅師坐禅和讃を唱和しました。

帰りには、雨が上がってきれいな月が出ていました。

 

次回は、7月28日土曜日17:30〜です。

どうぞご参加ください。

 

(文責:坂井)

| 東京接心 | 17:32 | - | -
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